2021年2月のお薦め本
2月末に書こうとしていたのだけど、なぜか、もう3月も半ば。時間が経つのは本当に早い。かけ足というより、むしろ全速力で遠ざかっているのでは。
でも書かないより、いいよね!ということで、2月を振り返って、読んだ本を紹介します。
1. 暇と退屈の倫理学(お薦め度:★★★★★)
『中動態の世界』で、はまってしまった國分さん。『暇と退屈の倫理学』は、中動態の世界よりも読みやすく、より生活に根ざした問いから構想されている。「暇のなかでいかに生きるべきか、退屈とどう向き合うべきか」というこれからますます問われるであろう疑問。このことに、ハンナ・アレントやパスカル、ラッセル、ホッブス、ハイデッガー、そしてスピノザの解釈が次々とあげられていく。それぞれの見解が、國分さんによって見事に披露されており、読んでいるだけでワクワクしてくる。超、おすすめ!
2. 食べることと出すこと(お薦め度:★★★★☆)
1月で紹介した「ケアをひらく」シリーズの4冊目。著者である頭木弘樹さんが二十歳で潰瘍性大腸炎という難病に罹り、食べるという当たり前のことさえままならない様を淡々と(ときに、熱く)語っている。おじいさんが小さい頃にいった「ご飯を腹いっぱい食べて、そして、うんちを腹いっぱいだして」という言葉。そう、病気になってはじめて気づく「当たり前」の有り難さなのである。かくいう私も、2019年に初めて大きな病気をして、「話す」ことの難しさを改めて知ったのであった。
3. 心は孤独な狩人(お薦め度:★★★★☆)
村上春樹の翻訳本が好きだ。むしろ、彼が執筆するものよりも、翻訳者としてのほうが好きかも?と思うほど。「彼・彼女は、今、どう言っているんだろう?」そんな問いに真摯に向き合った翻訳だと思っている。23歳でこの小説を書いたカーソン・マッカラーズ。間違いなく、脚光を浴びたはずだ。しかし、その後、夫・彼女との錯綜した関係、31歳で脳卒中を起こし、アルコール依存症にも苦しみ、50歳の生涯を終えている。でも、たった一度でも、ここまで強烈な魂の輝きを見せたという事実は変わらない。
4. 白い悪魔(お薦め度:★★★☆☆)
5. 少年と犬(お薦め度:★★★☆☆)
6. 相対性理論(お薦め度:★★☆☆☆)
7. 旅ドロップ(お薦め度:★★☆☆☆)
8. オリーブ・キタリッジの生活(お薦め度:★★★☆☆)
9. チョンキンマンションのボスは知っている(お薦め度:★★★★☆)
チョンキンマンションや、エリザベス・ストラウトについても語りたいけれど、今日は時間がないので、泣く泣くこれでおしまいに。
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