しまや出版さん工場見学レポ
しまや出版さんに見学へ行ってきました。
本作りが趣味のひとつになり、これまでいろんな本を作ってきましたが、そういえば本が生まれてくるところを見たことがない……!
今回、するる さん(同人誌印刷オンライン検索・入稿)の企画で同人誌印刷でお馴染み「しまや出版」さんの工場見学があり、ご縁あって参加させていただきました!
「公開していいよ!」という情報もあったので、日記がてらレポにまとめます。私主観なので、参考になるところ/ならないところがあるかと思いますが、暇つぶしがてら気楽に読んでください。
見学参加前のしまや出版さんのイメージ
これは見学に参加する前の一人の字書きとしての個人的なイメージですが
・文芸系のセットに強い
・締め切りが早い(→「最後に」で理由を紹介)
・対応が丁寧
・猫のイメージ
・面白いフェアやってるなぁ
といった印象でした。
大本命:工場見学
その1)印刷工程
めちゃくちゃ優秀、Revoriaの話
でっか!!!!
こちらがオンデマンド印刷機の一種、Revoria Press ™ PC1120です。
いや、機種名言われてもわからん……ってなるのも無理もない。
でも、もしこれをお読みの方の中に即売会参加される方で、印刷所ブース立ち寄る方がいたら「同レボ」って耳にしたことないでしょうか?もしくは「FUJIFILM」さんのブース。
あちらで全力紹介されているグッズ(メタリック印刷)などを作成しているのがこの印刷機の機種です!
こちらも機種は
①従来機器よりも綺麗に印刷できる
②箔押しじゃなくデジタル印刷で金や銀などの特殊印刷が使える
という、めちゃくちゃ優秀な印刷機。
(ちなみに優秀なだけあってお値段も相当らしくて、都内某エリアのマンションが買えるくらいとか…!)
それぞれの特徴についてお話を聞いたので、ちょっとだけ補足します。
①従来機器よりも綺麗に印刷できる
なんとなく、印刷の綺麗さでいうとオフセット印刷>オンデマンド印刷のイメージってないですか?
私もオンデマンド大好きなんですけど、前述の印象があって、やっぱりオンデマは劣っちゃうのかな〜なんて漠然と思っていました。
とはいえ素人の目ではそんなに大差ないように見えるし、私は納得できる仕上がりの範疇だったのでオンデマンドを使い続けていましたが、プロの目線から見た時の話はずっと気になってました。
こちらのRevoriaでは綺麗に印刷できる、とのことですがその底力というと……
『PPとの組み合わせによっては、プロの目線でもオンデマンドかオフセットかわからない』
レベルとのこと。
オフセットにはオフセットなりの良さがあると前置きした上で、オンデマンドでもオフセットに見劣りしないくらい綺麗なものが刷れるようになった今、「綺麗に刷りたい本」を製本するときに選択肢がオフセ一択に限定されないのはとてもありがたいです。
②箔押しじゃなくデジタル印刷で金や銀などの特殊印刷が使える
「金・銀って目を引くし、ちょっと高級感もあるからデザインに使いたい!
→箔押しだと予算より高くなりすぎる……。」という経験ないですか?
もしかすると、特色印刷でお値段抑えめで理想のデザインに近いものができるかもしれないです。
まず、特色印刷はデジタル印刷なので、箔押しのように版を作らなくていい分、お財布に優しいのがありがたい。
そして、もう一点。ギリギリまで原稿やるタイプにとって助かるポイントが、普通の色(CMYK)と同じように印刷されるので、印刷後の後加工の必要がなく納期が短いこと。
他にも、二度刷りではなくCMYKと一緒に印刷してしまうことで、印刷のずれが非常に少なく済むのもいいところかなと思います。
(CMYK印刷後に特色を通す…となると印刷がズレる可能性が上がるみたい)
他社さんでの制作事例になってしまうのですが、(おそらく)同じ機種で作られた特色印刷の表紙が手元にあるので共有します。
この細い線が特色銀印刷で、銀印刷の下のカラーは白抜きにしています。(データ上では透過設定だったはずなので、紙の色がそのまま出てるはず)
線幅1mmなくて下の白抜きと全くずれてないのすごくないですか……!?
箔押しだとここまで細いのは断られるor「うまく押せないかも」と言われることがあったので、細かいデザインとかは特色の方が強いのかもしれないです。
ちなみに表紙のあちこちに特色使ってますが、面積指定ではなく一律で○円と決まっていて、納期もかなり短かったです。(体感、箔押しだとあと+3日くらいあっただろうなと思っています)
Revoria印刷のサンプルで好きだったもの
印刷サンプルがいくつかあった中で、これ好きだな〜と思ったものを共有します。
パール系の透ける紙に、特色金印刷を載せたもの。
遊び紙とかで使うと、開いた瞬間高級感演出できて素敵。
特色ピンク〜!どピンクって感じなのかと思ったら、意外とかわいいピンクだった。推しがことごとくピンクから遠いカラーの人々なのであんまりデザインにピンク使うことがないんですが、発色めっちゃいいのでピンクのデザイン浮かんだら使いたいかも。
そういえばなんで特色ピンクがあって、特色ライトブルーとかってないんだろ。シアンが元々あるから…?聞き忘れちゃった。
金・銀の紙に印刷されたもの。こういうツルッとした紙って実際印刷どうなんだろう?と思ってたんですが、Revoriaは全然いけちゃうらしい。
これまで白い紙にしか印刷してこなかったけど、紙の色を活かすというデザインならこれくらい派手な紙を使うのもありだなと新しい知見を得ました。
特に銀紙のサンプル、おしゃれでめちゃくちゃ好みです。素敵。
本文も機種によって見え方が違う
本にとって大事な中身の部分。お次は本文印刷の話です。
いくつかの印刷所を使う中で「本文のスミ刷り、てかてかしてる?」と思うときがあって、気のせいかと思ったら違いました。
印刷の機種によって、印刷後の仕上がりが全然違うようです。
百聞は一見に如かず。二つの印刷サンプルがあるのでこちらをご覧ください。
左に比べて、右の方がマットな感じになっています。写真だと少し分かりづらいのですが、本物を見ると歴然。
この辺はどちらが好きか、作家さんの好みになってくると思いますが、デジタルでの印刷でもマット調が選べることがあると覚えておくと、より自分好みの本が作れるかと思います。
しまやさんだと、オフセット印刷のようなマット調の印刷をデジタルでやりたい場合「オンデマンドセット極匠(ごくじょう)」を選択するとできるみたいです。オンデマなのでもちろん小部数からOK。
その2)製本工程
よくわかる製本工程
製本エリアの担当者さんがまず見せてくれたのがこちら!
印刷されたものを切って(本文断裁)
→順番に並べて(丁合)
→背のりをつけて、表紙に包んで(表紙くるみ)
→最後に三方を切って断裁(化粧断裁)
ざっくりいうとこんな流れです。
①本文断裁
めちゃくちゃ大きな自動断裁機を使って、一気に印刷された紙を切っていきます。
(うろ覚えなのですが)しまやさんはここで1Pずつにカットしているらしい。
見学中もかなりのスピードでどんどん紙が断裁されてましたが、分厚い紙の束を扱うのがお上手で感心してました。私ならきっと手滑らせてばら撒いちゃう。
②丁合
お次は断裁した本文1Pずつを順番に並べていきます。写真のような装置がいくつも並んでおり、トレーのような部分にページごとに本文の束をセットしていき、スタートすると各トレーから一枚ずつ抜き出されて、最後に順番通りに並んだものが出てくる仕組み。
この工程で一番驚いたことなんですが……
しまやさん、なんとトレーにセットする前に、断裁した各ページに汚れなどがないか目視で確認されています!
チェックって最後の段階で何冊かペラペラやるだけだと思ってたんです…。
丁合前にチェックして、だめなものがあった場合は刷り直し対応となるそうです。
特にオフセットの場合は、版に傷があると傷自体が”印刷されるもの”として認識されてしまうため、この場合は傷が入った以降の印刷が全て傷の部分の印字(=意図されていない線など)が出た状態になってしまうとのことでした。
分納する場合、全ての本を作家が検本することは叶いませんが、もしオフセットで印刷したもので手元に届いた見本誌に意図しない汚れ(線など)があったら他にも出ている可能性が高いので、速攻委託先などに出荷一時停止の連絡を入れた方がいいそうです。
ちなみに、必ずしも全て印刷物に同じ汚れが生じていないパターンもあるらしく、この場合は紙自体の汚れやインクが飛び散った場合などが該当するらしい。
どちらにせよ、見本誌で「あれ?」と思った場合には委託先があるなら委託先に連絡→印刷所に連絡という確認を迅速に取るのが良さそうですね。
③表紙くるみ
その昔、「くるみ製本ってなんでくるみ(胡桃)?」って思ってたんですが、「包み製本」でした!当時は同音異義語の方で捉えてましたね。
(くるみ製本は、無線綴じとも呼ばれています)
切って順番に並べられた本文が、言葉の通り、表紙に包(くる)まれる工程。しまやさんでは主に二種類の機械を使って作業されています。
何が違うかというと、大きなところでは本文を載せるクランプという部分があり、これが7つ付いているか、4つ付いているかの違いです。
それぞれに長所短所があり、部数等に応じて使い分けているとのことでした。(7つの方は一度にたくさんの作業ができるけど、準備に時間がかかったり、人が二人必要だったり…など)
さて、こちらが例のクランプ。ここに最初から最後まで順番に並べた本文の1セットをセットしていきます。
どこかに置いたら自動でセットされるのかと思いきや、なんとこれスタッフさんの手作業!
単調な作業って長時間続けるの結構きついと思うので、イベント前とか注文も多いだろうし、ずっと置いてくださってるんだなと思うと頭が下がる思いです。
クランプがレーンに沿って進んでいき、まずは糊付け。2つの糊付けがあります。
ひとつは背表紙を止めるための糊付け。そしてもうひとつが、表紙のとじがわの両サイド数mmを留める横のりです。
背表紙側ののりは付いているイメージがあったのですが、横のりは初めて知りました。言われてみれば、表紙を開けると数mmひらかないようにのりづけされています。
これがないとパカっと開きすぎてしまうらしく、仕様としてつけているそうです。(ずっと背のりが横にはみ出して偶然ああなってるんだと思ってました…。開かないための工夫だったと知り、目から鱗!)
のりを塗ったら準備万端!表紙で本文を包んでいきます。
お客様の発注物なので白塗りにしていますが、左下の白塗りあたりに表紙がセットされており、右側のレーンに向かって1枚ずつ吸い込まれていきます。
この辺りで本文と表紙が出会って、奥でそっと両外側から折り畳むようにして接着されていきます。
最後にスタッフさんが回収して包み工程は終了!
④三方断裁(化粧断裁)
製本を業者さんに頼むと、かっちりと綺麗に整えられた断面が見られます。これは最後に化粧断裁の工程を踏んでいるから!
各工程で作業がしやすいように、少し大きめに断裁された状態で表紙くるみまできましたが、最後に納品するサイズに合わせて小口・天・地が切り落とされます。
レーンに乗せられた1冊1冊が断裁エリアに運ばれ、自動でカットされている様子が見られました。お客様の原稿が写っているので掲載はできないのですが、断裁スピードはとっても早いです。
その3)加工
ここまでで本が出来上がったわけですが、ここからお楽しみの加工のお話!
見学で一番楽しみにしていたところです。
色々見せていただいたので公開可能な範囲でご紹介します。
PP加工
最もオーソドックスな加工なんじゃないでしょうか!
セットに標準で付いていることも多いですよね。
そういえば「PP加工ってどうやってるんだろう?」と思っていたのですが、こちらの加工を見学させていただくことができました。
写真のような大型の機械で表紙と貼り合わせています。
1と書かれた付近にあるロールのようなものが、PPのフィルムです。トイレットペーパーのように巻かれていて、これが下のローラーで貼り付けられていきます。その後、2の矢印の流れで手前に出てきます。
巻かれたロールを持たせてもらったのですが、これがとっても重い!新品だと一巻き2000mあるらしい。PP2000mって本何冊分なんだ…!!!
これをセットしなきゃいけないのでこの工程にはパワーがいるそうです。
(ちなみに見学に行った時はここを女性のスタッフさんが担当されていて、小柄な方だったんですが、このスタッフさんもロール運べるらしい。かっこいい!)
PPって本文を表紙で包んでから加工されているかと思っていたのですが、包む前に加工しているんですね。
濃い色だとトナーで浮き上がってしまい気泡が入ってしまうことがあるそうなのですが、「これをいろんな調整で出ないようにするのが仕事」というようなことを話されていて、職人技だなぁとその心意気に感動しました。
箔押し
みんな大好き箔押し〜〜〜〜〜ッ!!!
一緒に見学したグループでも、このブースにきた瞬間めちゃくちゃ盛り上がりました。
しまやさんではこんな感じの機械で箔押しされています。
真ん中の金属板の下に版を貼り付けて、下に敷いた紙にフォイルごと押し付ける仕組みです。
ここで知って一番びっくりしたことは……
箔押しは表紙一枚ずつスタッフさんが作業してくださっている
ということ。
これも印刷機みたいに、用紙セットして調整したらあとは自動〜だと思っていたので、「ええっ!?」となってしまいました。これまで何度か箔押しをしていますが、あれは手作業だったんだなぁ…と綺麗に仕上げていただいた加工担当者さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
箔押しの版と仕上がり例はこんな感じ。
しまやさんでは希望すれば作った版をいただけるとのことでした。
版もらっても毎度デザイン違うから使い所ないしな〜と思っていたんですが、のちの交流会で他の参加者さんが「サークルロゴの版型とかいいかも!」と仰っていてその手があったかと。天才かと思った。
版があれば新しく版を作らなくていい分版代を浮かせられる場合もありますし、一度作れば他の箔でも使えるとのことなので、サークルロゴなど変わらないものであれば版を手元に持っておいて他の本に押してもらうなどの活用ができそうですね。
箔押しの担当者さんと社長さんとお話する機会があって
「二種類の箔を重ねて押すのってできないんですかね?」
と聞いたところ、「まだやったことがない」と。
下に模様などを箔押しして、その上に違う箔でタイトル載っけたらかっこいいと思うのですが、返事を聞いて「やっぱこの加工って難しいのかな」と質問を終えようとした矢先……
すぐに試してくれました!
(フットワークの軽さとチャレンジ精神に脱帽。見習いたい)
色々と試してくださって、試作品をいただいたので掲載します。
かわい〜〜〜〜〜!!!!キラキラしてる!!!!
箔二度押しはお値段もかなりかかるとは思うのですが、これを活かせるデザインができたら相当カッコよくて綺麗なものができる予感。
最近はいろんな箔が使えるので、推しカプのカラーとかあればその組み合わせとかも良さそう。
要相談とのことですが、できる・できないは別にして相談乗ってくれる姿勢がとってもありがたいし嬉しいです。せっかくの本だから願望は叶えたい。お言葉に甘えて、わりと真面目に重ね箔押し検討しようとしている。
(あとはお財布と相談だね……)
最後に箔押し見本をご紹介。ホワイトボードにざっと並べられていたのですが、こう見るとどれもいい味を出していて、どれを使うか迷いますね。
セパレーション加工
画像を撮り忘れてしまったのですが、いろんな形に表紙の小口を切り抜くことができます!ねこみみとか、めちゃくちゃしまやさんっぽい。
このページに受注可能なセパレーション型一覧があるのですが、ハートのセパレーション入れて遊び紙の色見せてるの超キュート。
タイトルにハート入るお話とかでこれやれたらめちゃくちゃ可愛いだろな!
遊び紙にもセパレーション加工できるそうです。
角丸加工
これ化粧断裁と同時にやるのかと思ってたら、別の機械で加工しているとのこと。
黄色い丸のところのように丸い刃がセットされており、こちらの機械を使って切り落としています。
刃にも種類があって丸みの半径が違うとのことで、小さな本(豆本含む)にも対応可能なんだって!
他にも色々できるよ、しまやさん
加工のところに含めるか迷いましたが、この辺りからはサンプルを使ってこんなのもできるんだ〜と勉強になったものをざっと紹介していきます。
本文色刷り(十人十色セットなど)
「文字に色ついてると読みづらいんかなぁ…。となると色刷りって漫画向け?」と考えていたんですが、使う色によっては思ったよりも読めますね!
特に黒字に白の印刷は、白が吸われてグレーっぽくなってしまうかと思いきや、結構しっかり発色していて驚きました。
今、金文字印刷、銀文字印刷も検討中とのことで見せていただきましたが、これもかっこいい!!!
全面箔
全面箔押し!!生で見たのは初めてかもしれない!!!!!
表紙でこの加工を見ると優美さに息を呑むだろうし、めちゃくゃかっこいい。
リソグラフ印刷
こちらはまだ正式稼働はしていないようですが、リソグラフ印刷も挑戦しているとの話がありました。
ZINEなどでよく使われていますが、このレトロな色合い、作風に合えば個性的な1冊が作れそう。
小口デザインとカバー
小口染めではなく、小口にも印刷が可能!
特色はまだ使えないとのことですが、かなり発色のいい印刷機なので多彩な色の表現ができるそうです。
トレペカバーにも対応しているみたいで、右上のデザインみたいに表紙にいくつか文字入れておいて、カバーから見ると特定の文字が見える仕組み面白いなぁと思いました。言葉あそび系のタイトルとかで活かせそう。(特定の文字を消すと別の意味になるとか)
ブラックライト反応印刷
正しい加工の名前忘れちゃいましたが、ブラックライトを当てると光るインクで印刷されています。(昔、少女漫画誌の付録とかでこのインクのペン定期的にあったよね)
ピンクっぽい発色になるので、血液の隠し描写としていれるパターンもあったそう。一見平穏な絵に見えるけど、ブラックライトを当てるとちょっと見方が変わってくる…──こういう仕掛けすごく好きです。
「でもブラックライトなんて皆の家にあるんかな〜、持ってなかったら気づいてもらえなさそう」と思っていたら、「ブラックライトをノベルティで配る」という案をいただきました。
あえてブラックライト感光印刷してますっていうのもありだし、黙っておいて本文のヒントに気づいた人が見つけられるっていうのも謎解きみたいで面白い!
トナー浮き出し加工
これも名前忘れました…。トナーを何重にも重ねてぷっくりと浮き出させる加工です。
控えめながらも凹凸で模様が入れられるので、趣深い表紙ができます。
触った感じが面白くて、つい触れたくなる一冊です。
レーザーカット
レーザーで型抜き加工が可能です。後ほどTwitterにも動画上げる予定なので、ぜひそちらもご覧ください。
しかも1つ仕上げるのが爆速。写真はお試しサンプルの私の名刺ですが、細かい肉球の柄も素早く綺麗にくり抜かれています。
今回の見学ではお土産として、レーザーカット体験で作った名刺をいただきました〜!
物語が読める名刺です。QRのリンク先に小話をおいています。
(今はまだ準備中)
こんなお話書いてるよ〜と自己紹介しつつ、貰った後も不定期更新されるお話を楽しんでいただけたらいいなと思って作りました。
12月持っていくつもりなので、ぜひ受け取っていただけると嬉しいです!
社長さんとのお話の中で…
見学中や見学後、社長さんとお話しする時間がありました!
社長さんっていうと堅苦しい感じかな…と思いきや、すごくフランクで、話がとっても面白い!
他の見学者さんたちを交えて質問に答えてもらったり、印刷の話を聞かせていただきました。
その中で2つ印象的だったこと。
①締め切りが早いのには訳がある
「しまやさんってぶっちゃけ締め切り早いよね!」という話題があがりました。これにはちゃんと訳があったんです。
もし、締め切りを守って受注して作った本に不備があった時に、やり直して、本番(イベント当日)にちゃんとした状態で持っていけるように余裕を持たせたスケジュールにしている、とのこと。
②の話にも通づるところがありますが、工場見学でも感じたように本に対して丁寧に真摯に向き合ってくださっている感じがしました。
あとは、無理なスケジュールにしないことで従業員さんに過剰な負担をかけるのを防いでいるともお話しされていました。
工場見学をして、思っていた以上に人の手がかかっている・絶妙な職人技が求められている(機械自体は誰でも動かせるかもしれないけど、調整とかが難しい)と実感した後のこの話だったので、繁忙期とか大丈夫なのかな…と心配していたのですが、この話を聞いて安心しました。
印刷業界で働いている方に負担をかけないようにするためには、やっぱり早めに原稿を仕上げて、早期入稿=余裕のあるスケジュールで製本することが一番っぽいです。本が早く仕上がるのは助かる一方で、どこかの誰かが無理をして作っているのなら心苦しいところはあるし、なるべく早く入稿できるように計画性持って動きたいなぁと思いました。早めに仕上げるのはなかなか難しいけど、自分のためでもあるしね…!!早めの入稿が結果としてできなかったとしても、原稿の計画段階くらいではなんとか早めに終わるように計画するよう心がけたい。
②チャレンジ精神がすごい
見学中も色々質問させてもらって、「こういうことってできますか?」と聞くと「前例はない」とした上で、色々とこういう形ならできるんじゃないかと一緒に考えてくれました。一般にまだ展開されてない加工についても「ぜひ相談してください」と言ってくださることが多くて、チャレンジ精神豊富だな〜と思いました。
ホームページを拝見していて、選択できるオプションに自分のしたい加工がなかったら「あー、無理なんだ」と諦めていましたが、またいつかしまやさんにお願いしたい加工ができたら諦める前に相談しようかな。
見学会後のしまや出版さんの印象
見学会参加後の印象(+感想)です!
文芸系のセットに強い
→(見学後)文芸系も強いけど、漫画も思ったより受注している
締め切りが早い
→(見学後)早いけどちゃんと理由があった。納得の早さ。
・対応が丁寧
→(見学後)対応どころか作業まで丁寧だった。
しまやさんに依頼した人が望んだ本を”ちゃんと”その通りに形にすることを大事にしているように感じた。
猫のイメージ
→(見学後)めっちゃ猫いる。至る所にいる。機械にも猫ちゃんのシール貼られててほっこりした。
・面白いフェアやってるなぁ
→(見学後)面白いフェアもやってるし、自分が面白いこと思いついたら一旦話聞いてくれそう
最後に
これまでいろんな本を作ってきましたが、実際に作られている現場に行って、加工サンプルを拝見すると「こういうのもできるんでは!?」とやりたやりたいことがどんどん膨らみますね。これだから本作りはやめられない〜!
なかなかチャンスがないと思いますが、ぜひ機会があれば本作り好きな人は印刷所見学会参加してみてください。めちゃくちゃ面白いです!そんでもって、ベテラン作家さんも初心者作家さんもそれぞれに気づきがあると思うので、参加するまでの経験は気にしなくていいと思います。これから本を作りたいと思っている人が参加するのも全然アリだと思う。
また、実際に現場に行って、スタッフさんとお話しする中で感じたことは凝った同人誌を作れるのはスタッフさんが日々の業務の中で磨き上げてきたスキルあってこそのことだな、と!
いつも本当にありがとうございます。
加工が難しい本に対しても、「ここが腕の見せどころです!」と話してくれるスタッフさんの心意気がかっこよかったです。
最後になりましたが、今回見学会を開催してくださったしまや出版様、並びに企画してくださったするる様に厚く御礼申し上げます。
そうそう、12月のイベントは同人印刷業界で働いてるベテランの社長さんも「新刊が多く出そう」→「締め切りがぱつぱつになりそう」と仰っていたので、これを読んでいる方の中にDRF出る作家さんがいたら、お互い印刷所さんの受付が締め切られるまでに原稿が間に合うように頑張りましょうね〜!!