#2再構築の始まり【トキシックワーカーの影】
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再構築の始まり
2020年10月上旬
午後から引き継ぎのために店舗へ向かった。
まずは歴代の主任について確認することにした。
初代:現在バイヤーとして活躍している人物。
二代目:現在SV(スーパーバイザー)。
三代目:前職でMRをしていた頃に見たことがある人だ。今も主任をしているあの人か。
四代目:売り場のレベルがかなり下がった記憶がある。
その元部下が現主任で、吉野の上司だった塚本さんだ。
彼女は入社5年目の女性で、5か月前に主任に昇進したとのこと。
引き継ぎ内容の確認
塚本さんから引き継ぎリストを受け取り、ざっと目を通した。
人員情報も記載されており、現在の状況は以下の通りだった。
社員(2名)
上杉:入社5年目。よく動く有能な人材で、近いうちに主任になれるだろう。
岡曽根:入社4年目。腰痛で労災を受けリハビリ中。現在は3番手。
ロング(午前~午後勤務)
石森さん:27歳、146センチほどのロングヘアの女性。可愛らしい雰囲気。
山下さん:33歳、ぽっちゃり体型で160センチほど。青果の現場に向いた体つき。
この2人なら、今日中に顔と名前を覚えられそうだ。
ベテラン(3名)
矢崎、本郷、森田。オープン当初から働いている3人で頼りになる存在らしいが、自己都合で物事を進める傾向あり。
なるほど、“お局三人衆”というわけか。
スタッフ(パートタイマー)
藤川(9:00~12:00)
鶴田(9:00~16:00)
どちらも土日勤務がNGとのこと。
新しいスタッフ
篠沢さん:週4日勤務で、土日も対応可能。休みの融通も利くらしい。
バイト
柳原さんのみ。
情報の整理
一息ついて、情報の一部を意図的に忘れることにした。
所見欄や注意書きなど、丁寧に書かれているものもあったが、以前の経験から前情報を過剰に入れるのは危険だと学んでいる。
この考えに至ったのは、過去のある経験がきっかけだ。
僕は生粋のアニメオタクである
中学生の頃、僕はアニメに全く興味がなかった。むしろ、ライトノベルを読んでいるメガネの同級生を軽蔑していたくらいだ。
「電車男」が流行していた時代。ある日、家庭教師に向かってこう言い放った。
すると先生は静かにこう返した。
首を横に振ると、先生は続けた。
その言葉が心に残り、「自分の目で見て判断する」ことの大切さを学んだ。
結果として、アニメが大好きになり、今では自分の一部と言える趣味となっている。
再び現実に戻る
今回の引き継ぎリストにも同じことが言える。
どれだけ詳しい情報があっても、それが先入観になりすぎると正しい判断を妨げる。
だからこそ、リストの全てを鵜呑みにせず、自分の目で見て判断しようと決めた。
話を戻そう
塚本さんに尋ねた
そう伝えて彼女を休憩に送り出した後、売り場を巡回した。
社員が休憩を取らなくなったのは環境のせいだろうか。それとも、そうさせた誰かがいるのだろうか。
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