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#7「つわりの時の対応で残りの人生が決まる」――家庭と仕事に追われる中で、ようやく見え始めた職場の順調な兆し。しかし、その矢先に訪れた意外な不調和。気づかぬうちに歯車が狂い始め…【トキシックワーカーの影】


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年末はスーパーにとっての繁忙期だ


この時期は短期バイトも入ってくる
あまり期待はできないが
スタッフさんにも休日出勤をお願いすることがある。
だが、今回はある意味で優秀な人がいた。
そう、篠沢さんだ。
通常時の休日出勤は断っていたが、
繁忙期になると別だ。
猫の手も借りたくなるほど忙しくなる。
コンプライアンス的にも問題無い。
篠沢さんのように
「仕事でれます!」どころか「出たいです!と

積極的な人材は非常に貴重だ。
現在、週4日の契約だが、
実質的には週5日働いてもらう気持ちで、
前もって計画を立てた。
本人も、とても嬉しそうだった。



年が明けて成人式が終わる頃には、
通常の運営に戻る、
大寒と節分に向けて計画を立てる時期に
妻のつわりが始まった
2児の父になるというプレッシャーに関しては
あまり実感がなかったが、
妻の辛そうな様子を見るたびに、
何もできない自分を無力に感じた。

そんなとき、森田さんが
つわりの時の対応で、残りの人生が決まるわよ
と教えてくれた。

森田さん…身長150センチほどで、学童の先生と兼業している少しふくよかな優しい雰囲気の人だ。子供が好きそうな感じの笑顔が素敵な人だ

予定日の9月まで、僕ができる最大限のことをしようと誓った。
"手伝う"って言葉は使わない・・・メモメモ

仕事では、
5月に店舗改装が決まった。
2番手の上杉君の教育も順調だ。
日々の業務も最低限は必ずこなすし、
していて欲しいこともちゃんとこなしているから
教育の時間も捻出できる

通常業務以上の期待の成果を出して初めて評価をつけられる
期待以上のことをしてくるからケアレスミスもカバーできる

順調な成長に僕自身もワクワクしている

スタッフさんとのトラブルがない、ここも重要だ
人間関係は僕が1番重視している箇所だ。
上杉くんの場合は特にこれがない。優秀な証拠だ。

さらに、追い風が吹き
新しいスタッフさんも加わった


井口さん…155センチぐらいの女性で、四角い眼鏡が堅物そうだが、今働いているドラッグストアとの兼業を希望している。
動きもてきぱきしていて、店長の慧眼には恐れ入った。

今年は良いスタートを切った。



今日は少し残業をお願いしようか…


30分ぐらいかな…お願いするなら1人か・・・

森田さんにお願いするか。

隣にいた本郷さんが「私は残業しなくて大丈夫ですか?」
と尋ねてきた。

本郷さん・・・148センチの小柄な体型で、作業が遅い…良く言えば丁寧だ。
森田さんと比べれば確かに能力は劣るけど、
特に大きなマイナス要素もなく、そこそこ評価している。
何かあったのだろうか…。

質問の意図がわからず、「はい、大丈夫です」と答えた。
なぜ、わざわざ聞いてくるんだろう。

嫉妬?自己嫌悪?自信喪失?何かあったのか?



次の日、本郷さん、森田さんから妙な提案があった。
「篠沢さんの週5勤務を解消してほしい」というものだ。
話を聞くと、
篠沢さんは負担を負う代わりにマウントを取ろうとし、
私は無理して頑張っているから偉い」と
自己主張するような態度が目立つという。
ほぉー・・・
彼女が職場でヒエラルキーを築こうとしているのではないか、
ということだ。
お局三人衆のうち2人からの相談なので、
あることないことを鵜呑みにするつもりはない。が

だらだらと週5勤務が続いていたのは事実だ。

僕の中では、お局三人衆を警戒しすぎていたためか

どこかで篠沢さんがお局三人衆を圧倒して、
抑圧していることに
安堵感を感じていたのかもしれない

矢崎さんの「残業できません」や、
本郷さんの「残業しなくてもいいのですか?」など、

3人衆のやりとりが面倒なので、

出来ないなら興味はない出来る人にお願いする

この概念で業務を遂行していた

篠沢さんにお願いすれば、
基本引き受けてくれるから僕自身も重宝していた

その心当たりがあったので、
一度引き締め直すかと自戒し、

篠沢さんのシフトを元の週4に戻すように作り直した。




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