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マンスプレイニング診断チャート 2018/7/30 BBC(翻訳)

素敵なBBCの記事がシェアされていたので翻訳してみました。その方はこの2018年の記事と朝日新聞の行った2024年マンスプアンケートの集計記事を並べていたのがユーモアのセンスが光ってて素敵でした(笑)

2018.7.30 BBC

キム・グッドウィンは、同僚から“親切”なのか“失礼”なのかを見分ける手助けをしてほしいと頼まれました。そこで彼女は簡単なチャートを作成しました。

最近、2人の男性同僚が私に、「自分がマンスプレイニングをしているかどうか、どうやって見分ければいいのですか?」と、何の前ぶれもなく尋ねてきました。二人とも専門家で、専門外の同僚に概念の説明を求められることが多いです。二人とも、その説明が間違った方向に受け取られることを心配していました。私は疑問に思いました: 無礼なのか、単に男性的な説明なのかを見分けるのは、そんなに難しいことなのだろうか?

何千人もの女性らしきツイッターユーザーがこの投稿をシェアし始め、名刺に印刷したり、男性の額にホチキスで留めたりするよう求めました。

私自身の著書に登場する製品デザインの手法を説明する人(ほとんどが男性)がいると、私は「よく知っている」と言い、心ではテンパりながら、次に進みます。マンスプレイニングを区別する簡潔な説明はまだできていなかったので、私は自分の仕事におけるアイデアを検討したり説明したりするときによくするように、数分かけて図の下書きをしました。その結果、「-splaining (〜を説明する)」の部分は3つの要素に集約されることがわかりました

・彼らは説明を求めていますか?
もし誰かに質問されたら説明しましょう!あなたが誰かの先生や上司であれば、勝手な説明も(無理のない範囲で)構わないかもしれません。相手があなたの助けを断った後に説明することは、ほとんどの場合、失礼にあたります。同意の習慣を身につけるには、会話から始めるのがよいでしょう。

・相手の能力について間違った思い込みをしていないですか?
知識のある人に物事を説明することは、皆の時間を無駄にするだけではありません。自分の意図とは関係なく、相手の能力や知性を信頼していないことを暗に示すことで、相手を貶めることになりかねません。また、自分の知識を過大評価しているように見えることで、自分自身を貶めるリスクもあります。

・思い込みは上記の解釈(説明を求めている?能力を読み間違いしてない?)にどのように影響しますか?
どちらの質問も、性差別やその他の種類の偏見によって複雑になっています。
私たちは皆、幼い頃から行動やコミュニケーションにおける性別についての偏見を教えられており、学校では男子と女子が異なる行動で批判されたり賞賛されたりします。私たちは皆、人を公平に扱っていると思いたいものですが、男性はしばしば女性の能力のほうが低いと思い込み、白人は肌の色が黒いと知能が低いと思い込みがちです。

また別の同僚が彼のマンスプレイニングの悩みを持ち出したとき、私はこの図をツイッターに投稿することにしました。金曜の朝の時点で、3,300のコメント、50,000のリツイート、120,000の「いいね!」。いくつかのブログで記事を目にしたし、セルビア語に翻訳した人さえいました。

何千人もの女性らしきツイッターユーザーがこの投稿をシェアし始め、名刺に印刷したり、男性の額にホチキスで留めたりするよう求めました。(性別に関係なく、留めるときはまず最初に相手に尋ねることは礼儀です)

マンプレ診断チャート(日本語版)

男性ツィッターの反応はさまざまでした。ある者はさっそくマンスプレイニングを行い女性に性差別を説明してみせたり、男性が知識を分かち合わないとしたら女性はどうやって学ぶのか?と質問したりしました。
多くの人は、この図は役に立ったと答えました。
また、これは本当に性別による行動なのだろうかと疑問に思う人もいれば、父親が頻繁に“マムス”プレイニングを受けている(妻から)と主張する人もいました(私は正当な主張だと思う)。

かなりの数の回答が「男性も、他の男性にこういうことをする-腹立たしいことだが、女性は男性と同じように対応すればいい」というものでした。言い換えれば、「男性がよくやることだが、男性は変わろうとしないので、女性は 「男性的」規範を採用すべきだ(マンスプレイニングでやり返せ)」ということです。興味深い仮定でした。

「Mワード(マンスプレイニング)」に関する多くの苦情がありました。「これは逆の(女性から男性への)性差別なのか?」と。
申し訳ないですが、そうではありません。
性差別的なコミュニケーション規範への不満を表現するために、このジェンダー用語を使う女性も一部いますが、それはこのメッセージを無効にするものではありません。嫌味な言葉も、主に女性をターゲットにしながら男性の生活も制限する組織的な性差別と同等ではありません。「mother-henning(世話焼き)」が性別に関連する行動として説明されるときに、誰も気分を害さないのは奇妙ではありませんか?

コミュニケーション行動がしばしば複数の方法でジェンダー化されるという考えを裏付ける証拠はたくさんあります。
学校では、男子はより多くの時間を話すよう奨励されます。成人男性は集団の中でより多く話し、そうして沢山話すことで彼らの影響力を高めています。女性は男性よりも、男性からも女性からも邪魔されることが多いが、女性が男性の邪魔をすることはめったにないです。上級職にある女性は会話に割り込むことを学ぶかもしれないが、男性がそうしたときよりも無礼で知的でないとみなされる可能性が高い。自己主張の強い女性は、業績評価で「攻撃的」と評価されます。

典型的な男性的コミュニケーション行動をとる女性には影響があるかもしれないですが、研究によれば、男性が職場で特定の 「女性的」な行動をとると、より多くの報酬が得られるといいます。もし男性もマンスプレイニングが非生産的だと感じるのであれば、なぜ私たちはマンスプレイニングを規範として受け入れなければならないのでしょうか?
マンスプレイニングは単体で見れば些細な問題のように思えるかもしれませんが、私たちがどのようにコミュニケーションをとるかは、その人がどれだけ評価されているか、あるいは低く評価されているかを相手に伝えます。そして私の経験では、人間は自分自身が評価されていると感じることで、気分が良くなり、より効果的に働き、より良い行動をとるようになります。

(おわり)


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