Chiaki

文字は読むのも書くのも好きです。文章は読むのは好きですが書くのは得意ではありません。 うっかり差別的な記事を見たときは、苦言を呈するコメントと根拠を入れますが(黙っていることが差別に加担することと同義と考えているため)即ブロックしてますので返事は読めません。まず資料を読んでみて。

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文字は読むのも書くのも好きです。文章は読むのは好きですが書くのは得意ではありません。 うっかり差別的な記事を見たときは、苦言を呈するコメントと根拠を入れますが(黙っていることが差別に加担することと同義と考えているため)即ブロックしてますので返事は読めません。まず資料を読んでみて。

最近の記事

氷上家族

「仕事辞めたいんだけど、600万貸してくれない?」 久しぶりにおしゃべりしようよ、と電話してきた母から早々に借金の申し込みがあった。母が着物に大金を注ぎ込んできたのは昔から知っていたが、使った総額は長年のらりくらりと返事をかわされ続けてきた。 母の稼いだお金を母がどのように使おうが自由なわけで、私はずっと深く関わってこなかったが、こうなると話は別だ。 母はポツポツと借金の必要性を語った。すると資産家でもなく、商売をしているわけでもない70を過ぎた年寄りが持っているような借入金

    • 癒やしのフェミニズム

      私はフェミニズムを学んでいる。場所は大学ではない。 大学でない理由はいくつかある。一番大きな理由は大学の授業として行われるフェミニズムの授業には限界があり、ただでさえ人気がない授業なのでシラバスの計画書の段階で攻めた内容が却下されてしまうからだ。大学では万人受けする優しいフェミニズムの内容しか学ぶことができない。 万人受けマジョリティのフェミニズムとは、ヘルシーな天丼、眠眠打破、ダイエット甘味料、まったく役に立たないとは言わないが、その存在自体に大いなる矛盾をはらむものと並ぶ

      • マンスプレイニング診断チャート 2018/7/30 BBC(翻訳)

        素敵なBBCの記事がシェアされていたので翻訳してみました。その方はこの2018年の記事と朝日新聞の行った2024年マンスプアンケートの集計記事を並べていたのがユーモアのセンスが光ってて素敵でした(笑) 2018.7.30 BBC キム・グッドウィンは、同僚から“親切”なのか“失礼”なのかを見分ける手助けをしてほしいと頼まれました。そこで彼女は簡単なチャートを作成しました。 最近、2人の男性同僚が私に、「自分がマンスプレイニングをしているかどうか、どうやって見分ければいい

        • ガザとは何か

          最近、学術系のコミュニティからガザへの送金リストが送られてきた。リストには現地のパレスチナ人の名前と、彼らが置かれている状況、具体的にいくら必要としているのか、身元確認が取れている金融機関があれば、その情報などが羅列されていた。 国連の支援が届かないため、SNSで直接見ず知らずの外国人に助けを求めているそうだ。彼らの多くは銀行口座を持たず、詐欺が混ざってもそれを調べることが現実的でないため自己責任で募金する。だからリストから募金者が納得できる人を選ぶ必要があるのだ。 どの人も

          解答のない難題様へ

          ここ数年夢中になって哲学を学んでいたのは、伸びしろというものがほぼないおばさんにでも、哲学というものを教えても構わないと思った酔狂な若者の存在があったからだ。どこかで蝶が羽ばたいただけで遠い場所で竜巻が起こるほど緻密な力学で構築された世界の中で、そんな酔狂な若者から哲学を教わる場を得たことは、竜巻以上の奇跡と呼んで差し支えないと思う。 そしてそのとても大事にしていた時間はなくなってしまった。 きっかけは若者が失恋をしたからで、それを機に私は彼の言葉がわからなくなってしまった。

          解答のない難題様へ

          自分のなかの差別

          2024年の目標のひとつは、犬がお腹を見せあられもない姿で寝られるように環境を整える事としていたのだが、既に2月にしてひっくり返っている。 律儀にも生き別れた兄弟に出会ったかのように毎朝飛びついて、私との再会を犬が喜んでくれるのだが、その時にひっくり返って甘えてくるようになった。ほら、お腹を触ってよといわんばかりに。 こうした飼い犬の「へそ天」行為は飼い主の憧れのひとつにあるそうで、例に漏れず私もいいなあ〜と思っていたのだけれど、過剰なへそ天への期待は人間本位で大変気持ちの悪

          自分のなかの差別

          歩み寄りマインド飼育法

          犬と猫、どちらの飼育が大変だろうか? 犬は散歩ができない日が続くとどうなってしまうのか? 犬は雨の日も散歩に行くのだろうか? 犬はりんごを食べられるのだろうか? 犬を飼ったことのなかった私は、これら全ての答えを持っていなかった。飼育書を読んだりネット検索をしながら手探りで犬を育てていたけれど、命にかかわるような失敗を避けたくてすぐに近所に犬のかかりつけ医をみつけて頼った。最初の英断だったと思う。 獣医さんに犬を飼うのはこれが初めてなのだと話すと、家庭犬しつけインストラクター

          歩み寄りマインド飼育法

          太宰治「満願」を読んで

          この物語はとある小説家の目線から語られるが、その小説家が”酒に酔いながら自転車に乗る”、”キリストの愛を信じている”小説家であることから、太宰本人の回顧録ではないかと思われた。品行方正に生きたとは言い難い太宰の物語である。どんな波乱があるのかと身構えたくなる。 しかし、太宰はこちらの予想を裏切っていく。この物語は、小説家と全く対極にありそうな性質のまち医者が、不思議とふたり意気投合したところから始まるし、一番の想定外は、美しい田舎の風景を、複雑そうな人間(太宰)の目線で眺めて

          太宰治「満願」を読んで

          近所のおまつりにたまたま出店していた犬猫の保護団体の交流ブースで出会ったオスのミニチュアダックスの飼い主になることを決めたのは2023年で最も大きな決断だった。 保護犬は性格が出来上がっている成犬なので、飼い主となる家庭と犬の2週間のお試し飼育にクリアしないと里親になることができなかった。トライアル期間に挫折することもあるかもしれないと思ったけれど、生まれて初めて飼った犬は私が思っていたよりずっと人間に近かった。 好き嫌いもあるし、喜びと悲しみもあるし、時々わがままな主張をす

          習作 自由律俳句

          賽に伏していた母が喰むわらび しあわせになりたいと値踏みしあう戦場 橙に苛立つ母の鳴らすベル 春泣き夏嫌悪し秋嘆き冬願はずわたしの生まれた日 おめでとうの後に訪れるとめど無い謝罪 おじさんと女の子しかいない オオカミ少年たちのブザー 小さな騎士の手を引く大きな覚悟の無きこと

          習作 自由律俳句

          仕事の失敗をガン詰めする日本人と、懸命に相手の良さをみつけようとする外国人。

          食卓にて 外資のIT企業にいる夫は、食事時にしばしば自分が発見したことについてシェアしてくれる。 少し前に「日本人は他人をなかなか褒めないけど、それって文化的なものなのかな?外国人(主に英語圏)はクレームを入れる時すら、お礼やポジティブなフィードバックをしてから本題に入るんだよ」と言っていた。 とある部署(本社)にお願いしなければならない仕事があり、その仕事を担当している社員(外国人)がどうしても必要なクオリティの仕事をしてくれないのだそう。内容を精査すると本当に適当な

          仕事の失敗をガン詰めする日本人と、懸命に相手の良さをみつけようとする外国人。

          東京の中のフランス

          夏休みがようやく終わった。 「ようやく」と書くといやな感じなのだが、都内にある私の住んでいる地域のお気に入りのお店たちが夏の間に長期休暇に入っていたのだ。 お盆休を含めて月の半分を閉めてしまうお店も、盛夏の8月をまるっと休みにしているお店もある。心のオアシスであり、日課のカフェ通いもお店の変更を余儀なくされることになる。ぎゅっと詰まった香り高い小麦粉のリーンなフランスパンもしばらくは食べられなくなったりするのだ。 頭を空っぽにしたり、気が向いたら本を読むときにカフェに行く習慣

          東京の中のフランス

          大人の学びと人文知

          学びが私の盾となれ 私が仕事を辞めたタイミングで、大学を受験してみてはどうだろう?と夫が言った。何度目かの提案だった。 夫は以前から、正真正銘の高卒である私に大学を体験させたいと思っていた。なぜそう思うのかを聞いてみても、答えはいつもぼんやりとしていたが、なんとなくその理由はわかっている。 夫が私にくれるものは、いつも私を守るものだ。あたたかいマフラー、鍵を無くさないための大きめのキーホルダー、暖をとるための充電式のカイロ、足が痛くならない大人が履くぺたんこの靴、そういった

          大人の学びと人文知

          高卒の私が44歳で大学院に行ったら世界が変わったってよ

          学び直しのインフラは、まだ整ってはいない 『リカレント教育』『学び直し』という言葉を昨今耳にするようになったが、おそらく20年以上会社員をしてから大学院でガチで学び直す人、それも職業に全く関係のない学問を学ぶ人はかなり少ないと思われる。 私は田舎の職業訓練の専門学校に入学し、経理や事務スキルを身に付け就職をした。職場は転々としたが、秘書をしていた時期がほとんどである。専門学校卒の秘書は当時もやはり珍しいものとして扱われてきたけれども(4大卒がマジョリティ)大学院の試験を受け

          高卒の私が44歳で大学院に行ったら世界が変わったってよ

          Well-Groomed、マナー、ルッキズム、コンプレックス広告そして美容とファッション

          歳を重ねるにつれ、顔から赤みが抜けていくという。 紅潮した頬の赤み、唇の赤み、こうした赤が顔から抜け落ちていく。 とあるメイクさんが言っていたのだが、顔には白(肌)黒(毛)そして赤の三要素があり、このバランスを取ることがメイクの基本なのだそうだ。 確かに母もある時期から口紅を差さないと元気がなく疲れて見えた。 ファンデーションで目の下のクマやシミを隠すと若々しい印象になることも本当だ。シミは年齢を重ねたサインでもあるから。 ルッキズムが良くないことだという認知が広がって、他

          Well-Groomed、マナー、ルッキズム、コンプレックス広告そして美容とファッション

          ど田舎のモード系OLから見た、2000年頃の体感ジェンダーギャップ

          2023年のジェンダーギャップ指数が発表され、またしても日本の女性たちの深いため息が漏れる結果となった。2006年から始まったこの評価で、日本は2006年は115カ国中79位だった。そして日本とトントンで70位だったフランスは、日本と同じく4つの指標(教育、医療、経済、政治への参加)の経済と政治参加に男女の格差が色濃くある国だったので、こりゃいかん!とパリテ法を制定した。政治の世界の男女格差をなくすべく奮闘し、フランスは2021年には20位、2022年では15位、2023年で

          ど田舎のモード系OLから見た、2000年頃の体感ジェンダーギャップ