「坊っちゃん」のフック(掴み)がすごい❕ストラクチャー[第一章/chapter.1]がここにある!
前回のまとまらない「まとめ」で書いた、
「笹もちを誰かが食べている」夢・・・その人は笹を食べている・・・誰がみた夢だったのか? 何んて小説の一節だったのか・・・・・
思い出しながら、眠りに落ちる・・・・・
思い出した❕
「坊っちゃん」、夏目漱石の「坊っちゃん」だった。
松山へ赴任が決まって、世話になってる清に、「土産は何がいいか」と聞いたか、あるいは清がいつたか、「越後の笹あめ」がいいといった・・・・・
あいまいな記憶で、「笹もち」とおもっていたが、「笹あめ」でした。
なにしろ、100年以上前の作品で、記憶が曖昧になるのもしかたがあるまい。【そんなわけないやろ】
それにその「笹あめ」なるものを食った(なめた)こともないから灰色の脳に刻みこまれていないのであります。
「坊っちゃん」のフック(掴み)
「坊っちゃん」のフック(掴み)はすごい・・といまさらながら感心、感心。
「最初の一文は、著者に知性があることを
読者に信用させるための担保である」
チャック·ウェンディグ 『ストラクチャーから書く小説再入門』より
小説の冒頭の一文が記憶に刻まれる作品ってすごいと、K.M.ワイランドにいわれるまでもなく・・ワイランド女史は「最近読んだ小説の冒頭を思い出しますか?」 と問いかけています。
前回取りあげた、アガサ・クリスティーの『バートラム・ホテルにて』、少し前に再読したポワロシリーズの『愛国同盟』(マザーグースの詩は思い出しても、冒頭は思い出せない)【うん、ほんまやで】
ところが、漱石では「坊っちゃん」、「吾輩は猫である」、「草枕」、「こころ」・・・
ついでにふと思い出した、漱石が絶賛した島崎藤村の「破戒」。
まだまだあります。
以前記事にした「源氏物語」や「枕章子」、「方丈記」・・・・・
フック(掴み)の記憶は受験勉強のおかげです
フック(掴み)の記憶には裏があります。
受験勉強です。作品名と冒頭の一文を結び付ける定番の問題です。
「傾向と対策」でさんざんたたき込まれて、小説を読んでいないのに正解できるように勉強(?)したから知っているだけです。
もし、入試問題に、
「笹あめの夢」のでてくる作品はどれ?って、出たら、エンピツを転がすしかない❕【うん、ほんまやで】
ただし、この入試問題には大きな欠陥があります。
川端康成の「雪国」。
みんなが知っている「トンネル・・・・・」
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
入試問題はここまで知っていれば正解。
しかし、それにつづく一文・・・・・「夜の底が白くなった。」
この一文こそが「新感覚派」といわれる由縁の一文です。ここまで入試問題にすればややこしくなるのでしょうね。
まとめ
ひょんなことから、「坊っちゃん」を思い出して、今、取り組んでいる『ストラクチャーから書く小説再入門』の第一章/CHAPTER1のフック(掴み)の具体例が身近かにあったことに気づいた。
K.M.ワイランドの一連の指南書が引き合いに出している実例よりは、読み慣れた漱石や竜之介、太宰治、三島由紀夫【ちょっとシンド】の方を参照しながら、
K.M.ワイランドのScrivenerテンプレートを『アウトラインから書く小説再入門』、『穴埋め式アウトラインから書く小説執筆ワークブック』、 『ストラクチャーから書く小説再入門』、『キャラクターからつくる物語創作再入門』を読み解いていくのもアリでしょう。
さっそく「坊っちゃん」を読み返し、Scrivenerテンプレートの順番通り、「Outline」
|——General Sketches
|———Premise
|———Plot
|———Theme & Character Arc
に落とし込んでみようか・・・・・・【シランケド】