箱根駅伝を浮世絵で楽しむ・・・デジタルコレクションより
毎年恒例の箱根駅伝、いつの頃からか毎年テレビ観戦しています。
2日間にわたる長丁場です。
今年は少々、趣向を凝らしました。
Apple booksで楽しむ浮世絵
国立国会図書館デジタルコレクションの内、著作権保護期間満了の浮世絵や草双紙などをきれいに画像加工し、まとめた電子書籍が多くアップしてあります。
Apple Books版がkindle版やkobo版より多いような気がします。【シランケド】
その中から、箱根駅伝の中継を観ながら、コースにそって、浮世絵や錦絵、草双紙を観ていきました。
箱根駅伝のスタート地点は大手町の読売新聞社前からで、日本橋は復路でのみ通過しますが、
江戸時代には「大手町」がまだないので、東海道の振り出しの日本橋からスタートにしました。
全体像は「双六(すごろく)」がいい・・・
この『双六』の中に、『参宮上京道中一覧双六』があります。
このすごろくがお気に入りで、この記事を書く気になったのです。
オーソドックスな双六としては、『東海道五十三駅道中記細見双六』
その他、
『浮世道中膝栗毛滑稽双六』(一立斎広重)
膝栗毛だけあって、振り出しは日本橋ではなく、神田八町堀からです。
あと一つで「上り」の『京』の『大津』までたどりついて、サイコロに「六」がでたひにゃたまらんぜ【うん、ほんまやで】
「五つあまれば宮へかえる」とある!「宮」って今の名古屋(熱田神宮)までもどることになります。
もうひとつの膝栗毛『伊勢参宮膝くりげ道中寿語録』の振り出しは日本橋です。
十返舎一九の東海道中膝栗毛が大ヒットし、多くの人がその物語を知っていたからこそ、双六までになったということでしょう。
東海道ものでは、『東海道五十三次俳諧道中双六』(一立斎広重)、
『東海駅路狂歌寿娛録』(一立斎広重(歌川広重1世))といった俳句(発句}や狂歌もあります。
さて、振り出しの日本橋です。
Apple Books『広重東都坂尽・日本橋図会』の「日本橋図会」に集っています。
日本橋の賑わい:
江都名所日本ばし、江戸名所橋尽、東海道 一、新撰江戸名所(1)、木曽街道続ノ壱(1)、江戸名所日本橋(1)、江戸名所(1)
日本橋の雪風景:
江戸名所(1)、江戸名所三夕の眺、東都名所日本橋雪●、
その他、白雨の日本橋もあってスタート地点の描写としては満腹です。
駅伝コースには、東海道・・・
『東海道五十三次 』(葛飾北斎)
・庶民の旅風景を中心に描かれています。
一方、『東海名所風景』(広重・豊国・国貞・・等)では、
・大名行列が描かれています。
同じような題名で、『東海道名所風景』では、
・各地の風物誌が描かれています。
『五十三次名所図会』(歌川広重)は、
・風景が中心に描かれています。
変り種では・・・・・
『東海道五十三次細見図会』(諸国六玉川・東海道五十三次細見図会)
大磯、平塚、戸塚、神奈川、品川、藤沢、程ヶ谷とあって、
二段に別れて、上段は風景、下段には「道中風俗」が描かれ、これが面白い・・
この辺りで、程ヶ谷から道をそれて『金沢八景』にいくのも一興です。
『金沢八景・箱根七湯』(歌川広重)
なにしろ、駅伝は長丁場ですので、こんな余裕もでてきます。
富士山に引かれていくと駅伝どころではなく
富士山の浮世絵には、名作が多く魅入ってしまいます。
『富嶽百景 1・2・3』(葛飾北斎)
『富士三十六景』(歌川広重)
折り返しの箱根は、『箱根七湯』でしめっくくりましょうかね。
まとめ ダイレクトよりApple Booksを頼りに
国立国会図書館デジタルコレクションからダイレクトに、たとえば「日本橋」を検索すると、膨大なデータがでてきます。
目的の浮世絵や錦絵などに辿りつくには眼が眩むほど長い道程になります。
デジタルコレクションの検索は、書名が明確な場合に力を発揮できます。
「北斎」だけでも厳しいし、『近世怪談霜夜星』と題名がわかっていても、お見当てのデータがない場合もあります。
このようなことを繰り返していると、すっかり嫌気がさしてきます。
Apple Booksやkindle版であたりをつけてからデジタルコレクションにむかったほうがいらいらしなくてすみます。