その着せ替え人形は恋をする
コミックを紙の冊子で買ったのはいつ以来だろう?
そう思って部屋をあさっていたら出てきたのがこれ。
「ちょびっツ」
懐かしい・・・w
「ちょびっツ」はパソコンを擬人化したところがポイントでエロ過ぎないエロさがあった。CLAMP作。
これと近い視点で作られたのが「ウマ娘」であり、ウマ娘はサラブレットを見事なまでに擬人化してしまった。
話を戻そう。「着せ恋」について。
エロ要素はあるのだけれど嫌悪感とまではいかないレベル。
さすがに「無職転生」クラスになると嫌悪感感じる人も多いようだがそれとは全く違う。
この作品、何よりもキャラクターが魅力的だ。
まず五条くんの天才スキルというか衣装作成に対するイレコミ度というか。
雫たんコス衣装作成の時、おじいちゃんが腰痛めてしまう。試験とも重なってしまう。それでも雫たんコスは喜多川さんとの約束だからと歯を食いしばって慣れない衣装を作る姿は泣ける。
雛人形師の卵が活躍するというかなりニッチでマイナーな世界を舞台にして五条くんという大人しめのキャラをメインに据えてしまうと陰の世界観になりがち。
そこをコスプレ好きで読モでノリも性格もサイコーの海夢ちゃんのキャラをプラスして一気に陽側というかメジャーに押し上げている感じ。
海夢ちゃんってむちゃくちゃいい匂いがしそう(笑)
さてこの作家さん、福田晋一さんって男性ネームなんだけど実は女性。
だからこその表情とか心情描写だったりとかそのあたりのセンスみたいなものが抜群だと思う。
こういう表情とかね。
CLAMPもそうだけど女性の作家さんならではの表現というか、男性の作家さんにはない部分だと思う。
たしか最初はキャンペーンで1巻無料とかで試し読みしてみて結局続きを電子書籍で買ってしまった感じだったと思う。
当時は4巻が出たところでアニメ化の話もまだ無かった。
2巻以降は電子書籍で買っているのだが、一冊くらいは紙の冊子で置いときたいと思って第一巻は紙で購入した。
SPYxFAMILYを見て比較するわけじゃないんだけど、OP曲、ED曲ともに申し訳ないが存じ上げない方の曲だった。
いや、どっちもアガる曲なのは間違いないんだけど。
髭男と星野源をダブルで使うのが反則的(販促的?)なだけだと思う。
この「着せ恋」を分析すると
①記録(DATA):五条くんがコス衣装を作成するときに参考にするアニメやゲームのデータはさらっとしか描かれていないが詳しく描くと沼にハマりそうなのでこれぐらいが適切なのかな?
コスプレや撮影に関する知識はいくらか描かれていて興味深い。
個人的には五条くんのスキルをもっと掘り下げたりもっと詳細に描写してもいいんじゃないかと思った。
五条くんが衣装を仕上げるだけの描写をBGMのみで10分ぐらいかけてがっつりやるみたいな回があってもよかった。
②記憶(思い入れ):五条くんのひたむきさ、海夢ちゃんのコスプレに対するまっすぐさや誰かの夢をちゃんと認める姿勢とかは心に響く。
この二人、純粋すぎてハゲる(笑)
ジュジュ様や心寿ちゃんとの関係性もイイ。
五条くんに感情移入してを応援したくなるところが結構あるし、なにげにかわいいところが多い海夢ちゃんもやっぱり応援したくなる。
③飽きさせない:海夢ちゃんと五条くんの距離が縮まっているようで縮まっていないというか二人の背中を押してあげたい気持ちにさせる感じ、そこ重要だと思う。ソッコーでくっついてしまうと終息が早そうなのでゆっくり関係をはぐくんでほしい。
2022年6月現在で9巻まで刊行されている。
間違いなく今後も期待。