無人島に持っていきたいCDアルバム3枚
「無人島に持っていくならどのアルバムにする?」
サブスクリプションで音楽が聴ける時代にCDやアルバムなんて言葉を使う機会はめっきり減少しましたが、この話題は学生時代、軽音楽部に所属していた私は度々耳にするものでした。
「無人島にCDなんて持って行っても聴けないじゃん」と突っ込まれそうですが、それでも私は無人島にCDアルバムを持っていきたい。加齢とともに興味関心は変化しましたが、それでもやっぱり音楽が最も好きという答えにたどり着きます。
もしも、物理的に孤立しても、心の中で自分を支えてくれるものが音楽だと思うから。そんな無人島に持っていきたいアルバムを3枚選んでみた。
ちなみに私は軽音楽部に入る程度には音楽を聴いているだけで、めちゃくちゃ詳しいわけではないです。洋楽は全然知らなくて「海外の伝説的なアーティストは全員死んでる」と思っているほどです。
1枚目:ZAZEN BOYS/ ZAZEN BOYS 4
元NUMBER GIRLの向井秀徳率いるロックバンド、ZAZEN BOYS。NUMBER GIRLはストレートで疾走感がある演奏なのに対し、ZAZEN BOYSの演奏は変拍子やキメが多くて複雑なことや、日本語ラップやお馴染みの「繰り返される諸行無常…」というフレーズが多く登場するのが特徴。
今回紹介するのは、ZAZEN BOYS が2008年に発売した4枚目のアルバム。デイブ・フリッドマンというウィーザー等の作品でエンジニアをしている人が携わっていて、アメリカの山小屋のような場所で収録しているのだけど、このドキュメンタリーが面白かったし、かなり気合を感じるアルバム。
私はロックと形容されるものが好きな傾向があるけど、このアルバムは打ち込みが多い。1曲目の「Asobi」がまさにそう。
2曲目の「Honnoji」は「本能寺で待ってる」というフレーズを面白がる人が多いけど、私は本能寺という言葉をローマ字で「Honnoji」と表記するのが面白いと思う。ライブの定番曲で私自身、ZAZEN BOYSのライブは何年も通っているにも関わらず、ライブでこの曲を聴くたびに興奮してしまう。
「The Drifting/I Don’t Wanna Be With You」の7:13~のベースは秀逸ですよ。一生聴けます。
ラストの「Sabaku」。あまりライブでは演奏しない楽曲だけど、先日の武道館ライブでは演奏されました。大好きな曲で、ライブ当日まで何回も聴いていたので泣いてしまいました。映像化されるそうなので見てみましょうね。
心臓に刺さってる赤くさびた釘を早く抜いて、という歌詞は泣いちゃう。そして最後の最後、割とさびしい。泣いちゃう。
2枚目:空洞です/ゆらゆら帝国
サイケデリック・ロックバンド、ゆらゆら帝国による2007年に発売された11枚目の作品でありラストアルバム。ゆらゆら帝国はこのアルバムを以てバンドが「完全に出来上がってしまった」ことを発表し、解散の原因となった。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTやROSSOのようなガレージロックと形容される音楽が好きだったし、タイトルと歌詞のシュールさが面白くてバンドの子と盛り上がった。
これに似たアルバムはなかなかないと思う。(知らないだけであるかもしれないけど)。
このアルバムを通して踊ったり歌ったりするのもいいと思うし、「ひとりぼっちの人工衛星」とか聴きながら砂浜で夜空を眺めながらポケーッとするのも良さそう。
最後を飾る表題曲「空洞です」は、ヴォーカルの坂本慎太郎のコメントにて「解散の理由は結局、『空洞です』の先にあるものを見つけられなかったということに尽きると思います」とのこと。何度聴いてもそれだけ凄みのある一曲だと思う。
3枚目:椎名林檎/無罪モラトリアム
1999年に発売された椎名林檎のデビュー作。このジャケットは見たことがある人は多いのでは。
リアルタイムでは聴いていないけど、中学生の時に東京事変がデビューしてハマったことをきっかけに椎名林檎の過去のソロ作品として聴きました。学生時代は軽音楽部に所属しており、このアルバムの楽曲もバンドでコピーしました。
「正しい街」は椎名林檎の故郷である福岡のこと。出だしのドラムが秀逸で、格好いいロックアルバムの出だしはこれくらい気合いれてやってほしいと思う。出だしといえば2枚目のアルバム「勝訴ストリップ」の始めの“ブリン”っていう音もいい。
「丸の内サディスティック」もアルバムの曲なのに有名ですね。歌詞に登場するベンジーはBLANKEY JET CITYというバンドのヴォーカル、浅井健一のこと。グレッチはベンジーが使用しているギター、ピザ屋の彼女というのはブランキーの楽曲「ピンクの若いブタ」で登場するフレーズのことである。
デビュー曲の「幸福論」はアルバムでは悦楽編といってハイテンポなアレンジになっていますね。私は原曲の方がPVと相まって好きです。あのセーラーシャツをずっと探してる。
「ここでキスして。」はかなり有名でしょうか。PVが大好きで中学生のときに見て以来、これを超えるPVにはなかなか出会えていない。好き。
「警告」はバンドでコピーしたし、かなり気合を入れて練習しました。部内オーディションも通過したし思い入れが強い。
椎名林檎を聴くことで、音楽の世界が広がり、ZAZEN BOYSやBLANKEY JET CITYの音楽に出会うことができた。彼女の音楽がなければ、今の自分の音楽的なルーツや価値観は全く違っていたと思う。それだけ、無罪モラトリアムは自分にとって特別な意味を持つ一枚です。
ちなみに1番好きな曲は「茎〜大名遊ビ編〜」で2番目は「メロウ」です。えぇ~?
以上、無人島に持っていきたいCDアルバム3枚でした。
無人島で聴く音楽。それは孤独の中で自分と向き合う時間でもあるけれど、逆に音楽があれば、どんなに孤立していても自分を支えてくれる友達になる。それが、私の選んだ3枚のアルバムに込められた思いです。