「普通」がいちばんかもしれないけれど「普通」であることは難しい
こんばんは。今日は福音館書店の『うらしまたろう』(時田史郎 再話 秋野不矩)表紙についてです。※内容紹介ではなくあくまで表紙の「題字」についてのみ私見を述べてみます。
題字「うらしまたろう」はおそらく作画担当の方が筆(絵筆?)で書いたものだと推測します。
左から右に書き進めるにしたがって少しずつ右下がりになる横書きの書。(そもそも横書きの書は難しい)
右に傾く「う」と「ら」。
次に続く「し」を激しく左に傾けることでバランスを取ろうとしているのでしょうか。
最後の「う」は「う」にはあまり見えないけれど、最初の「う」とは全く異なる字形になっているのは意図があってのことかと思います。
※同じ字を再び書く時は、同じ見た目にならないようにする、というセオリー。
達筆でもないけれど、だからと言って悪筆でもない。字自体はごくごく「普通」ではあるけれども、何かしらの意図を感じさせる構成に惹かれました。奇をてらったような書風でなくとも見る者にプラスの印象を与えられる、ということがわかる好例のひとつと言えるのではないでしょうか。
元々、小さな頃から福音館書店の絵本が大好きです。時折奇をてらったような作品もありますが大半が名作だと思います。読むだけではなくインテリアとして飾りたくなるような絵本が多いと実感しています。
それでは。
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