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嗚呼、悲しき無償労働:軽めの考察その1(というかただのボヤキ)

こんばんは。今までの事例をもとに無償労働について考察してみます。まず、前提として

書道や筆耕にまつわる数々の誤解

というものがあるように思います。

その最たるものが「すぐ書けるでしょ」という誤解なのですけれど。

仮にすぐ書けたからと言ってプロに対して「だから無償でいいよね」という姿勢はもちろんおかしいとは思うのです。

そもそもすぐに書けるわけがないですし。たとえば1枚ものの賞状の場合。

まず、草稿作成のため賞状の等倍コピーを数枚取ります。もちろん自腹です。

そのうちの1枚の書き込みスペース周辺に鉛筆で薄くアタリをつけます。書き込む場所にラインを引くことで行が揺れないようにします

次にどのくらいの大きさで書くか割り出します。鉛筆で文字等を下書きします。

うまく収まりそうであれば、試しに小筆で書いてみます。

半紙にて練習。出来の良いものを切ってコピー用紙に置いてみる。不具合がないかチェック。あれば修正。これを繰り返す。

(コピー用紙に直接書くと筆が痛みますが、気にならないのであれば直接書き込んで確かめるのが一番手っ取り早いかも)。

清書。まず賞状用紙に鉛筆で薄くラインや書くべき文字を書いておく。

間違えないように慎重に筆で書く。

乾燥させる。大抵の用紙がなぜか乾きにくいという罠あり。

完全に乾いてから消しゴムをかける。

最近は横書きの賞状用紙を渡されることが多いです。筆で書かせたいならお願いですから縦書きの賞状にして!!

それと賞状用紙はインクジェット用ではなく、雲龍紙など品質の良いものをお願いします。

(という心の叫び)

ところで。無償労働に関して同じ悩みを持つ美術畑の人ですら「書道はすぐ書けるからまだマシですけど、美術は時間がかかるので本当に大変なんですよ」とおっしゃっていたので、一般の人ならなおさら書道の依頼物を1枚仕上げるまでにどれほど時間がかかるのかがわからないのかもしれませんね。だからこそ声を大にして、というか文字を太くして言いますね。


※ちなみに賞状用紙1枚の筆耕価格は5000~6000円以上が相場です。


それでは今日はこのへんで。

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#賞状 #無償労働 #無償労働撲滅委員会



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