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タイムリープができたら
今クールのドラマ、「知ってるワイフ」は、主人公が過去に戻って別の人と結婚する話だ。
タイムリープ・タイムスリップものは、以前にも「プロポーズ大作戦」「テセウスの船」「JIN」などのドラマがあった。映画になると最も有名なのは「時をかける少女」だろうか。漫画やアニメになると、きっともっとあるだろう。「ドラえもん」だってそうだ。
もしも自分がタイムリープができるとしたら、どの時点に戻るのか、というのは、子供の頃からよく考えていた。これはおそらくドラえもんのタイムマシンの影響だと思う。
しかし、毎回思うのが「今」が一番いいなということだった。
小学生のとき、幼稚園のころに戻りたいかと聞かれたら戻りたくないと言っただろう。幼稚園の頃は、年少のときに先生に辛く当たられていたので、あまり良い思い出がなかった。引っ越したあとはそうでもなかったけど、特別戻りたいというほどでもなかった。
中学生のとき、小学生の頃に戻りたいかと聞かれたら、中学受験をもう一回するのは嫌だから戻りたくないと言っていた。幸い第一志望に受かっていたので、下手にやり直したらもう受からない気がした。
高校生のとき、中学生の頃に戻りたいかと聞かれたら、ちょっと迷ったかもしれない。でもやっぱり今のままで良いと思っていたから、そんなに不満はなかったのかな。唯一、母方のおばあちゃんが亡くなったのが中三のときだったから、おばあちゃんに会いに行きたいという意味では、今でも戻りたい。大好きな人の生きている頃に戻りたいという気持ちは、きっとみんなそうだろうと思う。
大学生のときは大学受験をしたくなかったし、大学院生のときは院試も教育実習もしたくなかったし、就職してからは就活もしたくない。
私が思うタイムリープのネックは、昔に戻ると、当時なんとかかんとか乗り越えた困難をもう一度やらないといけないという点だ。
昔の自分が乗り越えてくれたことを、今の私はもう一度やりたくないのである。頑張ってくれた昔の私ありがとう。
今はどうかと言われると。社会人もウン年目になると、そんなに変わり映えは無く。一年目のときはさすがに大変だったので、二年目あたりからならもういつでもいいかなという適当な感じだ。
適当ということは特に戻らなくてもいいということ。
幸い、私には戻りたくなるような人生の転機がまだ来ていないのだろう。もしそれほどの転機があれば、中学受験だろうが大学受験だろうが、何を乗り越えてももう一度やり直したいと思うだろうから。
もしも今後そういう転機が来なかったとしても、戻りたくなることはあるだろう。家族の誰かがいなくなったときだ。想像したくもないけれど。
私はいま結婚もしていないし、別にしなくてもいいと思っているが、家族とはできるだけ一緒にいたいと思っている。
そうだな、たとえば今タイムリープができるなら、いつに戻るだろう。
すぐに戻れるなら、小学校のとき、病がちになっていた母方のおばあちゃんにもう一度会いたいと思う。でも泣いてしまいそうだな。笑って話せるのだろうか。
でも、もしかしたら将来の私はいまこの時に戻りたいと思うかもしれない。ありがちな発想ではあるけれども。だから、結局、日々一生懸命生きるしかないし、できるときに親孝行もしたほうがいいだろうなと思う。
私はまだまだ親に甘えているけど、変な話、親に甘えられるのも今のうちなので、できるだけ甘えておきたい気もする。働いてたり結婚したりしてから、年に数回しか会えないひとにくらべたら、毎日親と住んでいるのはありがたい環境なんだろう。
できるだけ親孝行して、両親にはたくさん笑ってほしい。将来の私に怒られないようにしたいと思う。戻りたいと思わなくていいように。
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