この夏、私たちが失ったものと、それを再獲得するための方法
2020の夏は、暑さをことのほか感じませんか?
日本の夏の風物詩として世間が楽しみにしている「甲子園高校野球」「地元の花火大会」「帰省(帰省ラッシュ(?)」がないので、行事参加感覚がなく、暑さだけが昨日も今日も明日も日本の空気をかき混ぜているんですね。
生活にピリオドがない。わちゃわちゃ感がない。
蝉だけが鳴いている。
そして上記3つが共通して内包していて、人々に喚起するある感情が今年は生まれ得ないのです。
その感情とは、「参加」したり「熱狂」することで感じる「故郷(地元)に対する思い」です。
まちの誇り、地元愛、都市アイデンティティー、シビックプライド。 それらを私たちはこれまで無意識に例年「夏」にこそ感じできたのに、今年は失われてしまったのです。
そして、今月になってからは、迎える秋の行楽期の、その町を代表する大型行事、お祭、イベントの中止が続々発表されています。
残念極まりないこの傾向の中で、中止になったこれら既存のそのまちを代表する大型イベントやお祭りの替わりを担い、地元の方に喜んでもらい、地元の誇りや、そこに生きる喜びを確かめる機会を提供するのは誰でしょうか?
それは、集客人数は一桁も二桁も三桁も違うけど、これまでも真摯に活動を続けている地元の文化、歴史活動の中型小型のイベントを主催する主催者だったり、農作物収穫や海での収穫体験をも含んだ体験型観光プランの主催者ではないでしょうか?
全国からは参加者が来ない今だからこそ、地元の人にとって一層喜んでいただき、参加者アンケートなどで満足率100%に近づきたい。そして、観光客とはまた違った地元の人ならではの感慨を感じてもらい、最終的には「うちのまちもまんざら捨てたもんじゃない!」と、地元の良さと可能性、地元愛、シビックプライドを感じてもらいたい。
私は地域の魅力を発掘しプロデュースする者として、そう思っています。
甲子園球場に地元高校野球部の快音が響かず、故郷の夜空に華は咲かず、懐かしい顔に再会できない、笑い声が聞けない、そんな2020の夏だからこそ、全国各地で頑張っている方々の、地味でも、コツコツやってきている活動こそがその「感動」と「熱狂」に飢えた人々の心の渇きを癒し、より多くの地元の人に初めて認知され、そのひたむきな活動の成果が、うれしい驚きをもって歓迎される。そして、新たな地元のサポーターや協力者を獲得し、これからの観光まち作りの旗手になるような、そんな2020の夏~秋でありますように切に願っています!
同志のみなさん、がんばりましょう!
★著書が㈱同友館から出版されました
『まちの魅力を引き出す編集力』
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