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地域資源の観光商品化に役に立つ4つの能力 その1「つなぐ」

とてもシンプルなのですが、これを意識して観光商品を作ったかどうかはできたものに大きく差が出ます。

わかりやすく解説します。

地域の観光振興を進めるにあたり、最も基本的なこと、それは、ひとつひとつの地域資源をちゃんと見つめて、その良さを感じたら、ある工夫をして、魅力的な観光資源に昇華させることです。
この工夫の仕方で、基本的な考え方は大きくわけて4つあります。
順を追って並べると「掘り下げる」「わける」「つなぐ」「伝える」です。
なんだか「当たり前じゃん」とは思うのですが最近ではなかなかそうとも言えないんですよ。
現場には、「観光資源があるはず」として、観光戦略ばっかり作っちゃっているところが多いのです。
その理由としては、これら4つの基本的な考え方を行動に移して、地域資源と向き合うことで、はじめて観光資源に昇華していることが、当事者からはあまり伝えられてないからなのだと思います。だから、計画ばかり大がかりに仰々しくなり、現場でやっていることがお粗末なんてこと、増えています。

私たち、観光振興に携わる者は、現場の最前線で観光振興を推進するための原点となる、この4つの能力をどうやったら開発していけるのかを、愚直ではありますが日々ちゃんと意識しながら腕を磨くことが大事だと考えています。

たとえば「つなぐ」

地域に人を呼ぶにあたり、一定の時間をその地域内で過ごしてもらうということは、言い換えれば、「滞在中のストーリー」を提供するということです。
そのストーリーのでき次第で、訪れた人の喜びの多寡が決まります。
「つなぐ」とは、そのストーリーを作りだすための作業です。
とても簡単な例でいうと
「ランチを食べた後にお茶する」(笑)
それをイメージして、どんなお茶だと、より喜んでいただけるか、と考えます。
私たち普通に毎日していることですよね。
私は、そばやに行ったあとに、よくドトールでお茶します(笑)

「ランチ」と「お茶」 の間にどんな共通性を出せるか?
それによって相乗効果が生まれるはずです。
1+1=2以上にするには?

例)ランチはエスニック  お茶は紅茶&クッキー・・・シンガポールなど のハイティ気分!
   ランチはそうめん  お茶は、白玉アイス・・・夏の和のひととき
   ランチは中華  お茶は、ジャスミンティー・・さっぱりしていていいですよね


おわかりでしょうか?簡単ですよね。
1つだけだと、「世界(テーマ、物語と同意語)」ができませんが、2つ以上の要素を結びつけると必ず「世界」が生まれます。みなさん、日常生活でも無意識にやっているはずです。
外出する時の着る服の選択、コーディネートだってそうですよね。インナーとアウター、上下の組み合わせで、ひとつのスタイルを作っていますもんね。

観光振興だって同じことです。
そして、その流れができたら、最後にその「名前」をつけるんですね。
実はこれが大事です。
これはプランのタイトルとなります。
タイトルはテーマを訴求して、人を吸引します。

さて、ここからはより形を整えて効果的にする作業。
いったん、この「食事」と「お茶」が決まったら、今度は、そのテーマを
高めるように、各々のお店の雰囲気、食器、料理、BGMなどに共通する魅力を加えていきます。
たとえば、上の「エスニックランチ」→「紅茶とクッキー」だったら、「シンガポールの昼下がり」をイメージした、銀の食器や、一輪のハイビスカスの添え物、さらには、BGMなどは、どうでしょうか?最近はやりのメロウで懐かしい感じのベトナムポップスなど世界観を一層盛り上げてくれるかもしれません。
私だったらこれを「亜熱帯エレガンス」と名付けるかもしれません。
単なる昼飯が、「亜熱帯エレガンスのひととき」に作りこめるんのです(笑)
こうしてコンセプトを作ってどんどん作りこんでいくと楽しいのです。
このような基本姿勢。ぜひ見失うことのないようにしたいものですね。

他の3つの能力もあわせて、観光振興のフィールドで魅力発掘力を高めていけたらと思います。
2021年6月出版した『まちの魅力を引き出す編集力』(㈱同友館 270ページ 1760円)では、これらをどこでどういうふうに取り込んでどんな結果が挙がったか、など、私自身が地域に入り込んで実践してきた観光振興の数々とそこから得られた実践術を満載にしました。地域のために観光振興をしたいという方にぜひ読んでいただきたいと思います。
https://www.doyukan.co.jp/item_055416.html


最後まで読んでいただきありがとうございました!


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