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復縁したくて占い師になりました~或る占い師の独白~【プロローグ】
「連絡途切れ途切れで不誠実にごめんね。」
数年間、待ち続けていたはずのメッセージは、理解不能な文字列としか目に映らなかった。
かつて狂おしいほど(というかちょっとどうかしていたと思う)愛していたはずの”元”恋人からきた一文は
「いや、数年は途切れ途切れとは言わねえよ!!!」
という正論でしかないツッコミを呼び起こし、
めでたく占い師仲間の間で晒し者にされたのである。
そう、私の仕事は占い師。
といっても、昼は会社員として働きながら、夜や休日、占い師としてひっそりと活動する身である。
自分でいうのもどうかと思うが、私の占いはよく当たると評判だし、こう見えて意外と売れている。
会社員も占いも好きな仕事なので、好きな仕事で飯を食えるこの生活を、私はなかなか気に入っている。
そんな私だが、占い師になったのは意外と最近のこと。
プロになってからの年数もそう、長くない。(プロテストには嘘偽りなく、きちんと合格しているので、ご安心いただきたい。)
プロになるまでの期間も、そう長くない。
というか、猛烈に短い。
なぜなら私がプロの占い師デビューしたのは、
初めてタロットを習ってからわずか半月後のことだったからだ。
半月でプロになれるの…?という声もあるが、
運に恵まれてこうしてプロになれてしまったのだから仕方がない。
そう、仕方がなかったのだ。
なぜなら、私には占い師にならなければいけない、確固たる理由があった。
理由はタイトルからしてバレバレである。
何を隠そう、この私は「復縁したくて占い師になりました」。
このnoteはタロットカードを触ったこともなかったある女が、
音信不通の恋人と復縁したい下心からプロの占い師になるまでと、
占い師になってから見てきたこと、感じたことを、
徒然なるまま恥のかき捨てとばかりにただ綴った、愚行録である。
占い師とは、愛すべき人々の愛も欲も煩悩も、剥き出しにしていく仕事。
気が向いたときにつらつらと書いていくので、生暖かく見守っていただければ幸いです。