クリスマス・イヴ[2-1]
クリスマスなんて嫌いだ。
去年の今頃はまーくんとやっと付き合えたからルンルンだったのに、それが絶頂だったのか、今年のクリスマスシーズンはちっとも盛り上らない。
今だって、デートの待ち合わせ中だっていうのに、いまいちテンションがあがらない。
周りからは、付き合ってまだ1年経ってないからまだまだラブラブで、喧嘩なんかとは無縁でしょ?みたいに言われるけど、そんなことないと思う。
確かにわたし達にもラブラブな時期はあった。
毎日連絡を取り合っていたし、電話もデートも暇さえあればしていた。
その頃に比べたら、電話なんか久しくしてなかったし、メッセージの間隔も長くなって、デートもお互いの予定が合わないことを理由に減ってた。前回のデートは1ヶ月前・・・?とまではいかないけど、それくらい前だった。
これじゃあラブラブどころかむしろ、倦怠期だ。
さすがにこのままじゃヤバいと思って、今日のデートに誘ったのはわたし。
だって、あのままほっといたら、1年記念かつ明日はクリスマスという大事な日に会わずに終わりそうだったから。
そもそも連絡を取らなくなっていったきっかけはなんだったか。
まーくんを待ってる間にそんなことを考えてみるけど、分からない。
そりゃそうか、答えなんてないし。たぶんお互いなんとなく、相手からの連絡を待つだけになっちゃったんだよな。
で、一回そうなったらなんか気まずくて結果がこれ。
こんなことなら付き合わない方がよかったのかなぁ。
彼氏と彼女がこういうものなら、友達のままの方がよかったや。
大学でサークルに入ったのがまーくんと出会ったきっかけで、そこから仲良くなるまでに時間はかからなかったけど、結局友達以上恋人未満を3年以上もやっていた。
わたしはだいぶ早い段階で、あ、この人のこと好きだなって認識したけど、まーくんにそんな素振りは全然なくて、だけど確信がないまま自分から告白する勇気をわたしは持ち合わせてなくて。
だから待ってみたんだけど、結局わたしが痺れを切らして告白したら・・・OKだった。
その時は、信じられないって思いつつ、嬉しすぎてあんまり気にならなかったけど、わたしからの一方的な押しで始まった恋は、わたしが押すのをやめたらやっぱり進まないらしい。
・・・・・・・あ、連絡の頻度が落ちた理由ってこれじゃん。
あーあ、空気がいっぱい入ったボールくらい、押したら押しただけ返ってきたらいいのに。
むしろ押した力の倍以上で跳ね返ってきてくれていいのに。
それにしても、いつ来るんだ?
押さなきゃ進まないのはもう分かったからいいとして、押したのに返ってこないなんてことがあったらそれはもうおしまいだ。