自己肯定感に振り回された話

「自己肯定感を高めましょう、と言われるけれどどうしたら良いのか」
「親の自分に自己肯定感があるとは思えない、だから教えられない」

ある日、Twitterのタイムラインにこのようなツイートが連続で流れてきました。
一人の方が連続で投稿したのではなく、色んな育児中の方の投稿がリツイートされたもの。

自己肯定感とは何か。教えられるのか。

私もかつて悩みました。
子供向けの指導ボランティアを始めた頃の事です。
指導を受ける子供から指導者の大人へと立場を変えた直後、上層部から「自己肯定感を育む事」も指導目的に入れたと連絡がきたのです。

最初に思った事は
「私、そんな指導を受けたんやろうか?」

全く自信のないまま、指導者の講習を受けたものの、指導経験のない私は更に悩む事になります。

「私に自己肯定感があるとは思えない。教えられない」

概念の理解はできても、自分に備わっている実感が一切沸かない。

次第に「私に教えられる子供達は可哀想」と思うようになるまで落ち込んでしまいました。
指導者としての自信なんて全く持てず。

「こういう事かも」と指導のコツ(?)を掴み、吹っ切れるまで時間がかかりました。

大切な事は分かるのですが、そのくらい難しく、曖昧な概念が自己肯定感だと思います。

では、私が考える自己肯定感の概念とは…

①自分は自分、他人は他人
(人それぞれ境界があり、簡単に壊したり変えたりできない)
②自分はこのままで良い
(望まないのに無理したり、頑張る必要ない)
③問題が起きた時、必要以上に落ち込まない
(問題内容を論理的に考えられる。感情的にならない)

この①〜③で理解してくれる方がいると仮定して、具体的な指導方法は…

子供の性格による。一概に言えない。

つまり、私は子供の性格を分析して、その子に足りないところ(集団生活で困りそうな欠点)を補うように指導していました。

例えば、人見知りで全く他人に話せない子供と怖気付く事なく気持ちをガンガン喋ってくる子供がいるとします。

どちらが優秀という話ではなく、どちらでも良いんです。
しかし、前者は議論中に言いたい意見を出せなかったり、後者は他人の話を全く聞けないとなれば集団生活で困ります。
そこで問題が起きた時に指導して、困り事を減らすのですが、前者と後者に対して同じ指導方法では無理です。

これを一般の親御さんに求めるのは酷だと思います。
我が子の性格の分析から始めなければならないから。
もし親御さんに求めるなら、専門家がきちんと性格分析から具体的な指導方法まで面倒見るべきです。

親御さんは子供の笑顔と元気を守る事、そして専門家の具体的な指導に少し協力する事で十分です。

専門家は指導できても絶対的な安全基地(主に衣食住)を提供する事はできません。

曖昧な文言で育児に対する不安を煽るより、協力体制を築けるように具体的な記事が増えればいいな…と思います。

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