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ランドセルリメイクウォレット

今晩は、年の瀬如何がお過ごしでしょうか。
一年中時間に追われ、時間に追い越され、仕事をしているのに仕事をする時間が無いという難解なタイムトラブルに悩まされております。
まだ体感としては9月くらいです。
そんな悩みを乗り越え先日オーダー品が無事に完成しましたので写真で綴ります。

準備工程

先ずはピット槽鞣しのベンズ革を手染めで染めます
それから必要なパーツの表地、裏地、芯地をベタ漉きして荒裁ちします
裏地を貼り合わせてヘリ返しの為の斜め漉きをします。
ヘリ返してから鏝で飾り捻を入れます。

内装製作

第1縫製工程を経て小端磨き。
第2縫製工程と小端磨き。
細かいパーツも同時進行で。
続いて第3、、、
第4縫製工程と小端磨きを経て。
内装完成です。
同時進行の長財布も内装完成。

外装製作

ランドセルの被せを切り取り。
ベタ漉きをし。
あの手この手で外装パーツも完成。
内装パーツと貼り合わせ外周を縫います。
カード段のキワキワを縫います。
通しマチも突き縫いします。

後は外周を小端磨きし、ワックスを塗り、乾拭きして完成です。

ランドセルリメイクロングウォレット

外装、小端は最大9枚重ねです。
背面
内装
小銭入れはジッパー開閉です。

ランドセルリメイクカスタムハーフウォレット

外装、小端は最大12枚重ねです。
背面
内装
小銭入れ

写真は以上となります。

両方共通で、外装は手染めの牛革に対して合皮のランドセル素材をインレイして製作しました。
染めた革の色は、調和が取れるように2色あるランドセルの色を混ぜた色、にしました。
ピット槽鞣しのベンズに劣る合皮素材をいかにして永年の使用に耐えうるように活用するか、が一番の問題点でした。
ただインレイしただけでは高級感は出ず、牛革部分、合皮部分共に床革で裏打ちをし立体的に仕立てております。
が、それだけだと牛革と合皮の境目が弱く非常に折れやすくなり綺麗な形を保つ事が出来ません。
なので見えない部分に更にもうひと工夫してあります。

ロングウォレットは画像には写っておりませんが、ジッパーを取り付ける際に無駄な部分を縫わないように工夫しております。
革細工において、縫い過ぎる、というのが強度を下げる場合もあります。
日々のフィードバックによって引き算を導く事もあるのです。

ハーフウォレットは見た目の通り、ご要望によってかなり特殊な内装の作りをしております。
カードスロットは12ヶ所、小銭入れはボックス形で一体化しつつも独立して開閉出来る外側に、という仕様です。
パーツ数も50近くあり、かなり手の込んだ財布となりました。

この度も良いオーダーを有難う御座います!

これにて年内の業務は終わりです。
工房の大掃除も丸2日掛けて行いましたが終わらなかったので来年に持ち越しです。
既に雲行き怪しいです。
年明けは3日か4日から開けようかと思います。

今年も関わって頂いた皆様に感謝致します。
お体にお気をつけて、良いお年をお過ごし下さいませ。

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宜しければサポート下さいませ。 日々より良いモノづくりの為に切磋琢磨し邁進して参ります!