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カービングブリーフケース完成

皆様おはよう御座います。
昨日小倉へ向かう新幹線での移動中に画像の選別、加工を行い。
今朝6時半まで呑んでて(途中寝落ちしてましたが)帰路の新幹線内でこのnoteを書いてます。
これぞ仕事の出来る大人、ではなくただの要領の悪さの皺寄せです。
その皺をこの上なく寄せに寄せまくって製作した鞄が出来上がりましたので、写真と共に綴ります。


カービング工程

先ずは製図と下絵から(今回は持ち込みデザイン)
下絵を革にトレースし。
後々叩く刻印の種類を想定して数種類の深さにカットします。
先ずは粗いチェック柄の刻印から叩き。
細かい部分は慎重に。
続いてミディアムチェック柄。
更にファインチェック柄を叩いて。
スムースで刻印は一通り終わりです。
後はモデラー数種類を使い分けて更に立体感を付けて。
カービング工程終了です。

染色工程

先ずは黒の染色から。
一番細い線で0.05mm以下です。
黒を染め終えたところです。
グレーで少し味付けしたところです。
拡大するとこのような感じです。
背景はダークグレーに染めていきます。
その他パーツも全てダークグレーに染めます、根気よく染めます。
染色工程終了です。

準備工程

6mm厚の革から削り出し。
伸び止めテープと裏革を貼り合わせて。
圧着し切り出してパーツを作ります。
後はひたすら漉いて、ヘリ返し、貼る、等をを繰り返し準備工程終了です。

仕立て

先ずは持ち手から。
芯材も勿論革です。
縫って小端を磨いて持ち手の完成。
次はジッパーの取り付け。
縫い口は表も裏もヘリ返しです。
更に縫い進めて身頃、内ポケット、マチの完成です。
縫い目のピッチは3種類、糸の太さも3種類です。
身頃に裏地を貼り、縫い代を漉いたらマチと貼り合わせて、いよいよ外周の縫製です。
縫い代が立体的なので縫製方法は突き縫い一択です。
外周を縫い終えたら小端を磨いて底パーツを縫い付ければ、完成です。

カービングブリーフケース完成

正面から。
斜めから。
コーナーパーツ部分。
根革部分。
引手部分。
カービングアップ1 。
カービングアップ2。
カービング部分を斜めから。
こちらもカービング部分を斜めから。
分かりにくいですが内ポケット。

写真は以上となります。

製作期間は丸2ヶ月、染色は過去最高の細かさで、デザインそのものは無駄を極力排除してシンプルに、しかし根革やコーナーパーツ等の必要な部分はカービングデザインと合うような凝った作りにしました。

鞄そのものは1層式のシンプルなブリーフケースですが、底はヘタらないよう漉いた芯材を貼り合わせ、中身を入れずとも僅かに膨らみのある形状に、それが永年の仕様に耐えうるように仕立てております。

今回のカービングは持ち込みのデザインだったので下絵を1から描く手間はほぼありませんでしたが。。。
普段は1から下絵を描くときにどこをどう立体的にするか、どこをどう染めるかを想定しながら下絵を描きます。
なので、今回はそういう兼ね合いを悩みながら作業を進めていたので結果的にかなり時間が掛かりました。

年に一度とないような大作、我ながら良く仕上がったかと思います。
この鞄はアメリカへと飛んでいく予定です。

今回も良いオーダーを有難う御座いました!

それでは皆様、また会う日まで。

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北崎厚志

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