人間の個性は読む本によって生まれている。「正しい本の読み方」要点まとめ
本とはなにか?本を読むとはなにか?
本を読むときの3つの心得
本とはなにか?本を読むとはなにか?
世の中には本が好きでよく読む人も、全く読まないという人もいると思います。どちらが良くてどちら悪いという訳ではありません。ここでは「本を読むこと」がどういうことであるかを理解いただければ嬉しく思います。
さて、本とはなにかを3つの概念としてお話しさせていただきます。
ひとつ、本を読むとは、「他人に関心を持つ」ということです。本は著書が一生かけて習得したものや専門家が研究を重ねに重ねてつきつめた内容を読むことができるものです。他人の人生や他人の専売特許に関して興味を持つことができない人は本を読むことはできないとも言えるのです。
ふたつ、また本を読むとは、「教養を身につける」ということです。教養は、人びとがよりよく生きることを支援するものであり、前例のない出来事が起こったとき、ものごとを決めるのに唯一、参考になるものです。また、教養は他者を排除しません、受け入れることができるものです。例えば「お金」。これは有限な資源です。そのため、お金をたくさん手に入れようとすると誰から奪うか?という考え方にならざるおえないのですが、教養は有限な資源ではないため、誰かが知っていなければ教えることでシェアできるものです。そのため、人びととうまく協力関係を築ける可能性が高く、実り豊かな人生を送るチャンスが高まっていくのです。
みっつ、さらに本を読むとは、「人間らしく生きる」ということです。本を読むことで出会ったこともない人々のことや、経験したこともない世界のことを知ることができるようになります。これにより、ものごとの意味や価値を理解するようになっていき、自分が価値を感じる事柄を集め、その中で生きていくことを始めるのです。また、本から学んだ語彙、言い回し、が己の象徴となっていきます。一般的にこれを個性やユニークさと呼ぶため、個人を形成する半分以上の要素はその人が話す言葉使いでできていると言えるのです。
本の読み方、本の選び方
この世の中には本が多すぎることによってどの本を読むかを選ばなくてはいけなくなります。そのため「本の読み方、選び方」が必要となってくるのです。趣味の本だったり哲学の本だったり、小説や教科書だって立派な本です。ありとあらゆる溢れている本たちからあなたが読むべき本を見つけ出し読み解いていくことで人間らしく、人生をより豊かにしていきましょう。方法を3つご紹介します。
①素直によむ
本を読むときは素直に、とにかく素直に読みましょう。著書は言いたいことがあって本を書いているだけであって、あなたのために、あなたがわかりやすい言葉を選んで書いているわけではありません。あなたがその著書を好きとか嫌いとか、賛成か反対かは読んでいる間を一旦、脇に置いてください。読んでいる最中は著書が何を言いたいのか、丁寧に注意深くしっかりと読み取ること以外のことを考えてはいけません。さもなくば必ず「著書はこういう話をしているのではないか」と決めつけてしまい、必ず読み間違えてしまうからです。著書と正面から向き合うことを常に意識してください。
ただ、本に書いてあることをすべて信じなさい、ということではありません。矛盾するようですがすべての本は間違っている可能性があります、素直に読みながらも本を読むときは間違っているかもという前提で読むことが大切です。本は著書の人生、あるいは人生をかけて調べたものが書いてあるため、書く人の立場や主観によって「この本で正と書いてあること」が「違う本では間違い」と書いてあることももちろんあります。ただ単純に「何を言っているか理解をする」ということが素直に読むということとです。本を読むときは裁判官のような気持ちで臨んでください。
②家系図を知る
本には本を生み出した別な本が実はあります。本を一冊も読まずに執筆する人おそらくいないため、本の書き手は必ず本の読み手であるからです。
例えば小説でいうと芥川龍之介を読む、読み終わったら芥川に影響を与えたと言われている夏目漱石を読むというように本界のネットワークを理解できれば、頭の中で本のヒエラルキーを作ることができるようになり読むべき本をうまく選ぶことができるようになります。ヒエラルキーの下層に位置する本は中抜きができ、読む必要がなくなるのです。
③作者の気持ちを想像する
「書き手がどんなふうに苦しみ、どんな手だてを尽くして、この本を書いたのかを楽しみながら読む」ことができればもうプロの読み手です。
例えば、絵画や音楽を想像してみてください。有名な絵画は「この時代にこの描写方法で描いていることが革新的だ」だったり「この作品は晩年に愛する人に向けてかかれたもので、、」という風に画家の状態や時代背景なんかを考えて見るとより楽しめたりしますよね。本も似たところあって、作者の手の内を想像しながら読むと、なお味わい深くなり奥行きが広がっていくものなのです。本を読むときどんな人がどういった状況で書いたものなのか、を意識してみると新たな世界が広がりますよ。