見出し画像

ヴィシェフラド墓地に音楽家やミラダ・ホラーコヴァーを参る チェコ旅行2023夏(7)

音楽を専攻する上息子(ウエムス)とのチェコ旅行、3日目も、音楽に関係するところを中心に組み立てました。

まずは、ヴィシェフラド墓地へ。チェコの著名な文化人などのお墓があります。戸外なので、暑くならない朝のうちに。

ヴィシェフラド墓地

チェコ4大作曲家のひとり、ドヴォルザークのお墓はこちら。


ドヴォルザークの墓


ヨーロッパの墓地は公園のよう。明るくて静かで空気が澄んでいて、優れたデザインのお墓を見れて、その土地の歴史や文化の一端を知ることができるので、見学するのにおすすめな場所です。

公園のような墓地 空気も澄んでいる気がします

ヴィシェフラドのお墓は、それぞれ意匠を凝らした墓標で、生前の職業などを表すようなデザインになっているものが多いです。音楽家だとか、国民的芸術家だとか、そうしたことも彫ってあるので、名前を知っている人も知らない人でも、どういう人かわかります。

さすがに墓標に2か国語併記というのはないので、ウエムスに、この人作曲家やで!とか、音楽家やで!と教えながら進んでいきました。

でも、音楽関係者は、たいがい音楽の記号などをデザインに入れているので、チェコ語を知らない人でも、よく見ればわかると思います。

スメタナのお墓には、「わが祖国」から「モルダウ」の冒頭のフレーズが彫ってあります♪ 

スメタナの墓

クローズアップ!


ちゃりらりらりら♪ ちゃりらりらりら♪ 

チェコを代表する作家 カレル・チャペックのお墓はペンと本になっているのかな。


カレル・チャペックの墓


そして、スメタナやドヴォルザークと同じか、もしかしたらそれ以上に注目を集めていたのは、こちら。ミラダ・ホラーコヴァーのお墓です。


ミラダ・ホラーコヴァーの墓

ミラダ・ホラーコヴァー(1901ー1950)は、戦前から活躍していた人権活動家、政治家です。ナチによる占領期には強制収容所に入れられ(後日訪れたテレジーンにもその旨の展示がありました)、戦後、共産党政権下、体制に従順でないため、見せしめ裁判で処刑された人物です。

彼女は、パンクラーツ刑務所内で絞首刑になりました。いまでも処刑場所や、遺体がどのように処されたかは確定していないようです。パンクラーツは今でも現役の刑務所なので、亡くなった現場にお参りすることはできません。ヴィシェフラド墓地にある墓は、彼女や共産党体制の犠牲者を記念するための象徴的なもので、遺骨や灰がおさめられているわけではないようです。

私が大好きなプラミーンコヴァー(過去記事に少し紹介あり)やホラーコヴァーは、女性の権利の拡大に貢献し、抑圧的な体制にも断固として与さず、不屈の精神で立ち向かいました😢 民主化後、彼女らは再評価されています。

特にホラーコヴァーは、現在の体制の一つ前の体制の犠牲者であるからか、近年とみに注目を集めています。2017年に Netflix で映画化されたこともあって、一種ブームのようになっているようです。私はネットフリックスに入っていないので、いまだその映画を観れていません。いつか見なくては…

このあとも、プラミーンコヴァーやホラーコヴァーに関する展示や、記念碑や、名を冠した通りなどが登場します。ちなみに、彼女らのほかにも、ナチや共産党体制によって処刑された女性はいます。そうした人たちの功績や犠牲に関しても、掘り起こしが進んでいきますように。

一人一人、または家族でひとつの立派なお墓以外に、こうした小さなお墓もあります。

たくさんのキリスト像が並ぶ光景

教会内部は今回はやめておきました。

墓地自体が高台にあるので、この教会の尖塔は遠くからも見えて、ランドマークになっています。

ヴィシェフラドからお城方面を望む。

ヴィシェフラドからお城を望む


降りていきます。すごい勾配!

急坂の建物たち 内部をちょっと見てみたくなる


歩いて次の目的地に向かいます。ぐんぐん日差しがきつくなり、気温も上がっていきました。それでも、陰に入るとスッと涼しいのが日本とは違うところです。

つづく。

チェコ旅行2023夏シリーズはこちらからまとめて見ていただけます。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集