これまでの話...4
前回までの続きになります。
前回はこちら👇
先に言っておきたいのは、
この研修にいくのは専門2年目の最後の夏休みの1か月間です。
この時僕は、京都の和食料理屋さんに面接も終わり、就職がほぼ決まっていたのです。どっか違うとこに研修に行くくらいなら、働く予定の場所に行き少しでも、お店のやり方や現場の雰囲気に慣れておきたいと思っていました。しかし、それは学校の決まりかなんかで叶わず。渋々白浜へといきました。
バイト初日。
なぜか、今でも強烈に初日だけは覚えています。
緊張して厨房に入った時、従業員の方々は休憩時間だったためおらず、料理長(後におやっさんと呼ぶことになる人物)だけが営業のお造りを引いていました。
「君が河村くんやな。兵庫出身なんやって?俺尼崎やねん。夏忙しいけど、頑張ってな。」優しく笑顔でそう言ってくれました。
「優しい料理長やなぁ〜」
そう思っていた、、営業開始1時間半前。
下の階ではバイキング料理の準備、2階ではレストランの料理の準備、そんな感じで上と下を行ったり来たりしながら作業をし、休憩から戻ってこられる社員の方々に挨拶も済ませていると、あっという間に営業開始の時間になりました。
営業が始まると、料理長が厨房に戻ってきました。
それと同時に、
「お疲れ様です!!」
と、バカでかい声で挨拶する社員さん達。
「えっ!?
さっきまで普通の声で楽しそうに話してたやん!」
急なできごとすぎて、盛り付けをしていた手が止まり、辺りをキョロキョロしていました。
僕の指導係だった、年の近い先輩がそれに気づき、少し笑いながら、「すぐ慣れるで笑」と言ってくれました。
「いやいや、慣れるわけないやん😭」
学生と社会人の違いを1番感じたのはこの日だったと思います。
その後も、日本語なのに、聴き慣れない言葉でオーダーが通り、料理出しのタイミングが少しでもずれると、料理長から怒号が飛び、またたまに物も飛んできたり、、、と
なんせ、はちゃめちゃでした。
バイトには優しかったので、何も言われなかったですが、「最初の挨拶の時と顔が全然違うやん!」と内心思っていました。
そんな感じで1日1日が色濃く過ぎていき、1か月という期間はあっという間に過ぎました。
自分にとってはこの1か月がすごく刺激的で、仕事で新しい知識を得れるのはとても楽しかったです。
また出汁巻きや桂むきといった自分が自信を持っていた技術は、学生では良いレベルであって、現場では全く通用しないということも身に染みました。そんな時も先輩達は、何がいけないか、どうしていったほうがいいかなど、先輩達がこれまで体験したことやこだわりなどを細かく説明してくれました。
研修前は全然行きたくなかった白浜なんですが、終わるころには、ここで働いてみたいと思っていました。
それぐらい魅力に思える職場でした。
結果、色々悩みましたが、京都の料理屋を蹴って、白浜のホテルで働くことにしました。笑
next.これまでの話...5