食べるソース!!ボロネーゼ
本日はボロネーゼソースのお話です。
正式名所はラグー・アッラ・ボロニェーゼ。発祥はイタリア北部の・ボローニャ地方。
細かく刻んだタマネギ・人参・セロリなどの香味野菜をオイルで炒め、しっかり焼いた肉と赤ワインを加えて煮込んで作るソースです。
フランス語ではソース・ボロネーズ (sauce bolognaise) として一般家庭からレストランに至るまで年齢問わずに多くの人に愛されている人気のパスタソースです。
ちなみに日本のご家庭で食べる機会の多いミートソースは、ボロネーゼソースと類似した日本洋食のパスタソースであり、ボロネーゼがアメリカに渡ったのち、アメリカンスタイルに変化して、ケチャップ・ウスターソース・砂糖などで味付けし甘味が強めたソースのことだそうです。
本式のボロネーゼソースは、香味野菜の玉ねぎ・人参・セロリをじっくり炒めて甘みを引き出して、お肉は牛ひき肉以外にパンチェッタと呼ばれる豚バラ肉の塩漬けを使用。そして仕上げには牛乳を加える作り方が本式のボロネーゼソースです。
今回紹介する牛ひき肉をたっぷりと使い、食べ応えのある作り置きにもピッタリの万能ソースです。
肉の旨味・野菜の甘味・ワインの酸味と風味から生まれるリッチな味わいを、ご家庭でも簡単に再現できるように紹介します。
ボロネーゼソースに限ったことではありませんが、作る分量・作り手や調理場の規模、道具によって様々な作り方が存在するのが料理です。
プロの料理人でも煮込み料理やソースを煮詰める工程の見極めは、調理の経験と感に頼るので、自分が求めている味を見極める瞬間は、とても集中力が必要となります。材料・調理工程が複雑で、分量が増えるのに比例して、見極めは更に難しくなってきます。
それらを踏まえた上で紹介するボロネーゼソースのレシピは、家庭で初めて作っても、失敗のリスクのが極力少ない作り方を紹介します。
ポイントは調理工程を2つのパーツに分けることです。
それぞれの調理工程が複雑でない段階で煮詰める工程に入るので、煮詰め終える見極めを比較的簡単にしてあるのがポイントになります。
パーツ:その1
香味野菜ベースのトマトソース
ボロネーゼソースにはまず、心地よい甘みの要素を作る香味野菜をじっくり炒める調理工程が重要になってきます。
よく紹介されている香味野菜は玉ねぎ・人参・セロリの3種類の香味野菜。今回紹介するレシピでは香味野菜に使用する野菜は玉ねぎ・人参・ニンニクの常備野菜を選択しました。
玉ねぎ・人参は細かく刻み、オリーブオイルを入れた鍋で炒めます。炒める時は始めから野菜に塩をして、野菜から水分が出やすいようにします。
5分ほど炒めて野菜全体がしんなりしてきたら、ニンニクのみじん切りを加えます。始めから玉ねぎ・人参と一緒に炒めても構いませんが、ニンニクは焦げやすい食材なので、焦げるリスクを減らすためにニンニクは香味野菜の水分が出てくるタイミングで加えます。
火加減はじめから弱火です。野菜から出てくる水分を煮詰めるイメージで、焼く15分ほどゆっくりと加熱します。
野菜がしんなりとして甘みが出てくるタイミングを見極めるために、炒めながら時々味見をすることをオススメします。
香味野菜の甘みが充分に引き出せたところで、ホールトマトを丸ごと加えて中火にして20分ほど煮込みます。同時にローリエ・タイムも加えて香りをプラスします。
煮込んでいる最中にホールトマトは簡単に崩すことができますので、ヘラなどで崩しながら煮込みます。
ホールトマトの筋や種が気になるようであれば、予め裏込すことをオススメします。
トマトのエキスが煮詰めて、ここでの狙いの野菜の甘味とトマトの旨味と酸味を引き出すことができたら、パーツ1の完成です。
パーツ:その2
牛ひき肉を焼いて赤ワインと合わせて煮詰める
続いての調理工程は旨味の基となる牛ひき肉を焼きます。ここでのポイントは、オリーブオイルを入れた鍋を強火にして煙がでるくらいにしっかり熱します。
牛ひき肉を炒めるのではなく塊のステーキ肉を焼くイメージで焼き色を付けて焼きます。
肉に焼き色を付けることで、香ばしい香りをボロネーゼソースに落とし込むことができます。
ちなみにYoutube動画内で紹介しているレシピの牛ひき肉は、牛脂が極力少ない牛ひき肉を使用しています。
肉から余分な脂は出ません。強火で全体に焼き色を付けながら、肉から出てくる肉汁を煮詰めて旨味や風味を凝縮させます。
牛ひき肉を焼い肉汁が煮詰まったところで、トマトペーストを加えてひき肉としっかり回せます。
鍋は強火を保ったままトマトペーストが肉全体に馴染ませて、分量の赤ワインを加えて煮詰めます。赤ワインは3分の2ほど煮詰めます。
味見をして、肉の旨味・赤ワインの風味をしっかり味わえたらパーツ2の完成です。
牛ひき肉の代わりに合挽肉を使用していただいても構いません。合挽肉を使用する際は、豚肉から脂が出てくるのでトマトペーストを加える前に脂を取り除くことをオススメします。
肉の脂が多いとソースの仕上がりの際に脂が浮き出るリスクがあり、また香りを少しくどくなります。
さてそれぞれのパーツができたら後は1つに合わせて10〜15分ほど弱火で煮込みます。
ボロネーゼに必要な旨味・甘み・酸味・香りの要素は、野菜のパーツ1と肉のパーツ2で引き出しているので2つのパーツを合わせてから煮込む時間は短時間で充分です。
仕上げに黒胡椒をしっかりして完成です。
Youtube動画内ではパスタと合わせて仕上げています。パスタは王道ならばタリアテッレ、またはスパゲッティが一般的ですが、私は食べやすくボロネーゼソースとも馴染みやすいペンネを選びました。
ボロネーゼソースは、茹で上がったペンネと合わせる前にバターと合わせて味わいに一体感とコクをプラスできるように仕上げています。分量はソース180gに対してバター10g程です。
お好みでソースの中にパルメザンチーズを大さじ1くらい加えると更に旨味とまろやかさを足すこともできますが、チーズを加える際は火を必ず切って盛り付ける寸前に入れないと、ソースが鍋にこびりついてしまうリスクがあるので注意しましょう。
それではこちらがレシピです。
【ボロネーゼソースの材料と分量 4〜5人前】
*香味野菜のベースのトマトソース:パーツ1
玉ねぎ 200g
人参 100g
塩 10g
オリーブオイル 30g
トマトホール缶 400g
ローリエ
タイム
黒胡椒
*牛ひき肉を焼いて赤ワインを煮詰める:パーツ2
牛ひき肉 500g (合挽肉でも可)
塩 5g
オリーブオイル 20g
トマトペースト 50g
赤ワイン 250g
【パスタ1人前】
ペンネ 80g
お湯 1L
塩 10g
バター 10g
オリーブオイル 適量
詳しい調理工程はYoutube動画でチェックしてください。また、高評価・チャンネル登録していただけると大変励みになります。
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Chef ichi