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小さな町を包み込む甘くてスパイシーな気持ち
昨日日曜日は久しぶりの天気で日中は暖かい陽気だったこともあり、自宅で昼食を済ませた後に、午後は隣街のラ・ロシェルまで海岸沿いを散歩しに行ってきました。
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ここ一週間天気に恵まれず、日中も気温が10℃以上を上回ることさえなかったので、久しぶりの気持ちの良い太陽を逃すまいと、僕ら家族以外にも散歩やランニング、ベンチに腰掛けてゆっくり読書を満喫する人たちなどで溢れかえっていました。
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充分に気持ちの良い日曜日の散歩を満喫した後に、僕らは次の場所を目指しに自宅のある小さな町に戻ります。
それは12月のフランスで至るとことで開かれているイベント会場に行くためです。12月の最大イベントといえばクリスマス。
フランス語ではクリスマスのことをノエル(Noël)といいます。
12月はフランス人にとって特別な月。
日本ではクリスマスは恋人と過ごす日との印象が強いですが、フランスのクリスマスは家族や親戚が集まって一緒に食事をする日です。
フランスの12月の雰囲気を、あえて日本で同じよう空気感を例えるとするならば、お正月のイメージ近い印象かもしれない。
僕ら家族が暮らす小さな町でも、いたるところでクリスマスの装飾が施され、町の中心地では先週からマルシェ・ド・ノエルと呼ばれているクリスマスマーケットも開催され、毎週末は家族連れで賑わっています。
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僕らもラ・ロシェルでの散歩を満喫した後、今年初めて自分たちも暮らす町のマルシェ・ド・ノエルの雰囲気を楽しみに行ってきました。
年々イベントの規模も大きくなってきており、昨年の12月のクリスマスマーケットから、イベント会場の中心には、親子でも楽しめるクリスマスツリーを模したメリーゴランドが設置され、目玉の一つとしてパンフレットのデザインにも採用され始めました。
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僕らの一番の目的は、毎週日曜日に現れるサンタクロースと一緒に記念撮影をするためです。
フランスではクリスマスマーケットの会場のみならず、大型スーパーや幼稚園などにもサンタクロースが訪れて、子どもたちと記念撮影をしてくれる、子どもたちがテンションが爆上がりするサービスがあります。
無料で受け付けてくれるのが一般的ですが、場所によってはプロのカメラマンといっしょに待機しており、あの手この手で質の高いサンタクロースとの写真撮影を行ってくれる場所もある。
我が家は毎年息子引き連れて、自宅周辺のサンタクロースが現れる場所をチェックしては、一緒に記念撮影をすることがクリスマス時期の楽しみの一つになっており、家族三人で撮影した写真を、年賀状として送ること写真の候補にもなっています。
クリスマスマーケットのイベント会場に到着したのは、日没後の17時30分。
イベント会場は、クリスマスの装飾をした可愛らしい小屋や屋台が設置され、クリスマスの雑貨やプレゼント用の品物に、フランス語でヴァン・ショーと呼ばれるホットワインやラクレット(チーズを温めて削り取って食べる、フランスの冬の定番料理)などが売られていて、会場中が美味しい香りとクリスマスのイルミネーションの明るい雰囲気に包まれていました。
たくさんの人の熱気に自分たちも気分が高揚していたこともあり、寒さを感じずに過ごせ、自然と予定していた滞在時間よりも長く居座ってしまいました。
サンタクロースとの記念撮影は今年も息子単体と、最後に家族みんなで撮る事ができたので、皆満足げに笑顔が自然と溢れている。
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記念撮影後は、屋台を見て回り、ホットワインの甘いスパイシーな香りに誘われて、定番のヴァン・ショーも堪能。妻は白ワインベースのヴァン・ショーを選び、他の屋台で購入したプレッツェルといっしょにクリスマスマーケットを満喫。
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また僕は1ヶ月間近く身体ケアのために断酒を続けているところだが、せっかくなので1杯だけいただくことに。
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妻から手渡された紙コップに入った熱々のヴァン・ショーは、手袋をしていても温度が直接手のひらにジワジワと伝わってくる感じが、なんだか心地よい。
寒い夜空の下、八角とシナモンの甘いスパイスの香りが効いたヴァン・ショーは不思議と気持ちも高ぶる。
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クリスマスに特別な思い出も無ければ思い入れもない家庭で育ち、自分にとってはずっと縁の薄い存在のクリスマスも、香りと味にもインパクトのある熱々のヴァン・ショーが、フランスで過ごすクリスマスシーズンを特別な時間に塗り替えてくれるようで気持ちも落ち着いてくる。
家に引きこもってばかりの僕で、大きなイベント事があっても基本積極的に参加もしませんし、見に行くことさえも控えめ。
いつも息子催促と、妻の強引な提案によって引きずられるように町のイベントやお祭りには参加するタイプの性格は今も昔もあまり変わりません。
それでも家族のお陰で地域や近所のコミュニティに参加するようになり、息子の成長や家族の絆を日に日に味わえるようになれている自分もいます。
今年も残り数週間。
2024年は振り返れば自分の料理の技術的な部分からメンタル的な部分までステップアップできた年であると同時に、何よりもこの家族と健康で健全に愛情を育み絆を深めて進んで来れた1年な印象が強いです。
賑やかで鮮やかなイルミネーションに囲まねながら一人で勝手に温かい気持ちに浸る。
それもクリスマス本番に向けて気持ちの高ぶっているフランスのクリスマスマーケットを家族と訪れて、12月の魔法にかけられたかのような雰囲気と、久しぶりに味わえた、甘くてスパイシーなヴァン・ショーのおかげかもしれない。
Chef Ichi
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