愛すべきフランスでの車生活①
「日常の慣れは恐ろしい・・・」
日本を離れフランス生活が長くなってくると、一時帰国するたびに日本の日常や習慣のレベルの高さを再確認させられます。
特に以下の3つは、海外から帰国するたび日本の常識レベルの高さと安心感は強いです。
1・安くて美味しい食事探すことにそれほど苦労しない。
2・電車やバスの交通機関の運行時刻が正確で、目的地まで時間通りで予定を立てやすく心配事も少ない。
3・自家用車は皆ピカピカで目立った汚れもなく、駐車車両も出発時に出やすいように全てと言って良いほど、ほとんどの車が揃ってバック駐車されている。
以上の3つは、日本での滞在期間中は常に感動に近い印象を受け、日本の素晴らしさと魅力を再認識させられます。
もし海外生活をせずに日本での生活を続けていたら、治安の良さも含めての日本に溢れる素晴らしい日常に何も感情は抱けず、
「これが日本の当たり前だし、そういうものだよなぁ」
とくらいにしか思えず、呑気に生活をおくっていたと思う。
普段からフランスの日常生活レベルで感じる不便なことや便利さの両方を、日本と比較することは日常茶飯事です。
ただどちらが良いとか悪いとかと言うよりかは、比較をすることで現在の生活の豊かさの再認識や改善点を妻と話すといった感じです。
さて、せっかく車の話が出てきたので今回のお話はフランスの車事情も含めた、我々家族の車との付き合い方などについてです。
フランス人の自家用車に対する考え方は、僕ら日本人からすると特殊な部分があるように感じます。
もちろん日本と同じように、住んでいる地域や環境、家族構成によっても車に対する考え方や扱い方は異なり、日本人と近い感覚のフランス人もいることでしょう。
それでもおおよそフランスのどこの地域に行っても、日本人からの視点で「なぜ?」っという印象を受けることは共通していると思います。
僕ぐらいフランス生活が長くなると、かえってそれらは日常の風景に映っており、昔感じていたフランスを走っている車に対して「なぜ?」から、「そういうものだよね〜、だって走っているんだから」となっているので、やはりフランス生活で生じる慣れは恐ろしい・・・。
「フランスは夫婦で1台ずつ車を所有が当たり前?」
車社会のフランスでも、パリのような大都会を生活圏にしている人にとっては、職場までの交通インフラも整っているし、普段の休日の娯楽や日常の買い物もそれほど困ることがないので、車を所有することは珍しいと思います。
パリで車を所有する人は、富裕層によっぽどの車好きなどの一部の方たちのみだと思います。
ただ僕らが暮らす小さな町での生活には、車が必須になります。
フランスは街と町(村と村の場合なども)との間がとても離れています。
日本のように隣町との境目が住宅地や商店同士が連ねっている場所なんて、地方で暮らしていたらありません。
フランスの地方で暮らしているとRPGゲームのように、町や集落の周辺は農地や更地などに囲まれているので、住宅地を抜けたかと思えば、見通しの良い何も無い更地や林の中を車で走ることはよくあります。
僕が暮らしている小さな町も同様に、町の中心地から自転車で15分も西に進めば地平線、東に1分も走れば見渡す限りの水平線を見ることができます。
ちなみに夏のシーズン中は、約3kmほどある海水浴場もあるヴァカンス地として賑わうちょっとしたリゾート地なのですが、生活に必要な商店が町の中ですべて揃えられることはなく、住民は隣町にある大型スーパーまで車で行き、日用品や生活用品の購入をしています。
また車は子どものいる家庭では特に重要な生活必需品。学校までの送り迎えに習い事。天候が不安定な雨の多い秋から冬の寒い季節の時期は特に車は欠かせません。
急な怪我や体調不良で病院にかかるときにだって、我々家族は自宅から一番近い病院まで、車で田舎道を20分以上かけて行く必要があります。
仕事先も住んでいる町や村の近所にある人なんて稀だし、基本車での通勤が一般的です。また共働きの多いフランスでは夫婦で1台ずつの車を所有するのが当たり前なのです。
そのため子どもの学校や習い事などの送迎は、どちらか一方がというよりも、夫婦同士それぞれ仕事の都合次第で、できる方が担うような印象。
我が家のスタイルは、僕が仕事に行く前に息子を幼稚園まで車で送り、妻が仕事帰りに迎えに行くスタイル。
休日もやはり車がないと、楽しめる範囲も規模も限られてくるのです。
気になるレストランや素敵なカフェ、子供と一緒に楽しめる水族館に美術館、また特別なアクティビティに参加するには、これまた自宅から遠く離れた場所まで行く必要がある。
バスや電車で行く選択もあるにはあるが、1日の運行本数も限られているし、予定時間を気にせず自由に他の場所まで足を伸ばす選択枠がある車移動が便利です。
ちなみに我が家もようやく2台目の車を購入して、先週の木曜日に納車されたばかり。これでようやく夫婦別々で車を所持でき、妻も職場までの道のりを、雨の日も嵐の日も自転車で出勤していた日々から、天気にあまり左右されずに出勤ができるようになりました。
また僕が仕事で不在で妻と息子だけで過ごす日であっても、それぞれ所有する車さえあれば、彼女たちのみで気軽に近場の図書館や公園まで行けるようになれたのは嬉しいことです。
「我が家もフランスで車生活をスタート」
ちなみに我が家は1台目の車を購入したのもつい最近の2022年の6月・・・。
えっ!それまでどうやってフランスの田舎で生活していたかって?
そうなんです。
田舎暮らしなのに車も所持してなければ免許も取得していませんでした。
幸い自宅近くに移動に便利なバス停や、徒歩圏内に駅もあるので、もともとフランス生活を始めた当初から車生活のルーティンのない僕にとっては、それほど苦ではありませんでした。
そのため基本どこでも自転車移動。
買い物も休日に、自宅から5km離れた大型スーパーまで自転車移動。自転車のかごや荷台、そしてリュックをフル活用し、重い荷物を妻と自転車で運びながらまた5kmの道のりを引き返す。
しばらくしてから飲料水など重い荷物などは配達してもらうようにしていたことと、妻の妊娠に合わせた形で週一の日用品の買い物ほぼ全て、ネット買い物に切り替えて配達してもらうようにしました。
それと在来線の電車には自転車も乗せることができるので、近場の観光には電車と自転車の組み合わせで楽しんでいた時期もあります。
ただ今思い返すと色々むちゃしていたこともあるし、普段から僕ら家族を気にかけてくれる近所の方たちにたくさんお世話になり支えられていたなぁと実感しています。
流石に息子の誕生や自分の仕事場の変化に合わせて、フランスで自動車免許を取得しようと決意して、自動車学校に通い始めて自動車免許をフランスで取得。
妻も僕の免許取得と今後購入する予定の車がマニュアル車であることを見据えて、オートマのみからマニュアル車も運転できる免許の切り替えをフランスの自動車学校で受講しました。
ただ免許を取得したからと言って、すぐに車を購入したわけではなく、取得後もしばらく半年以上は車の購入を渋っていました。
その理由の一つに、自転車移動の生活に当時はまだそれほど苦労を感じていなかったのもありますが、もう一つの理由として自分たちが希望する良い状態の中古車を見つけること難しさや、またその価格帯が非常に高かった時期が重なったことが原因でした。
当時はパンデミックの最中で、隣人のフランス人曰く、
「パンデミックの影響で、車に搭載されている半導体などが市場で不足していて、中古車の価格が一時的に上がっている。」
とのこと。
探していた車はローンを組まずに一括での購入を予定しており、予算も限られている。そして日々ネットで中古車情報を見ては、条件に合う車を探す日々が続いていました。
まぁそんなこんなで時間をかけて購入した1台目の車のお話はまた次回にさせていただきます。
それでは、今回も読んでいただきありがとうございました。
次回も楽しみに読んでいただけると、とても嬉しいです。
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