食道楽な2週間の始まり
食道楽のS氏がパリのシャルル・ド・ゴール空港から電車を乗り継ぎ、4時間以上かけて隣街のラ・ロシェル駅に到着する予定時刻は12時半。
僕は彼を車で迎えに行くため、彼の乗るTGVの到着時刻に合わせて自宅を出発して、駅近くの駐車場に息子とともに到着。
当日の天気は相変わらずの曇り模様で、日中でもしばらくじっとしていると身体の芯まで冷えてしまいそうなくらいの外気温。
彼の到着時刻まで40分以上もあることから、寒さを避けるためにも僕は一緒に連れてきた息子とともに駅前のカフェで時間を潰すことにした。
お昼時で僕も息子もお腹が空いてきたところではあったが、カフェで息子はリンゴジュース、僕は1杯のエスプレッソのみで彼の到着を待つことにした。
彼が乗るTGVは、時刻通り長い道のり終点駅となるラ・ロシェルの駅舎に静かに到着。
僕も息子と彼が乗っているであろう車両が停車するであろうおおよその場所で、彼が降りてくるのを到着予定時刻の5分前から待っていた。
彼と再開するのは、日本に一時帰国した今年の3月以来になる。
彼が日本を出発してからは、LINEにて移動の状況を連絡しあっていた。パリに到着したと同時に、早速トラブルに巻き込まれながらも、なんとかラ・ロシェルに到着してくれた状況を眼の前で確認できて、僕自身正直ホッとした気持ちになれた。
我々家族が日本に一時帰国する際は、必ず有給を取得して空港まで送り迎えしてくれるなど、様々なサポートを快く引き受けてくれる心強い存在。
それ以外でも、時間を合わせて食事に行ったり、時には珍しい食材やお酒を僕の実家まで持ってきてくれるほどお世話になっている。
彼のフランス訪問は、約4年ぶりの3回目の訪問。いずれも僕を訪ねてフランスまで足を運びに来てくれる、僕からしたらとても珍しくも嬉しい存在なのが食道楽なS氏なのです。
だからという理由のみではないが、僕は2ヶ月以上前から彼の滞在に合わせて一緒に楽しめる料理やワイン、そして一緒に楽しめる旅行先のプランをしっかりと練ってきた。
ただ聞くところによると、彼自身は仕事による12月の激務を終えたばかりのタイミングで日本を出発。長時間のフライトとTGVでのノンストップでの移動により、到着当日は疲労困憊の様子。
僕も初日からあまり飛ばしすぎずに、少しずつ一緒に楽しめる時間や、料理にワインをゆっくり彼と味わい尽くしていくつもり。
さて、彼との食道楽な2週間の始まりである。僕自身もメリハリをつけて健康ケアに運動も継続させながらも、彼との美食体験を満喫できる年末年始を過ごす日々を綴ろうと思う。
Chef Ichi