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人が感動するということ

僕が感じたプロフェッショナル


むかーしむかしの話。
村上淳にご飯に連れて行ってもらった。
彼のゲスト先に遊びに行き、帰ろうとした時に、
『けんちゃん(僕のこと)、この後メンバーさんとか一緒にご飯食べにいくけど、けんちゃんも一緒に行こうよ。』
と誘われたのだ。

僕はご迷惑かなと思いつつ、せっかくお誘い頂いたので、お邪魔することにした。
なんか、こういう風にサラリと誘える人って素敵だよね。

行った先では皆んな麻雀の話しかしてなくて、ホント麻雀打ちの飲み会って感じだった。
何切るだの、あいつは麻雀強いだの、誰々は昇級しただの、あの新人女流は可愛いだの、あいつとあいつはヤっただの。
まぁ、お決まりの話題で溢れていた。

お互い酒を飲み、それなりに深い時間になったので、隣にいた村上さんに聞いてみたかったこと聞いてみた。

『村上さんは自分の雀荘って持たないんですか?村上さんのネームバリューだったら儲かりそうなもんですけど。』

『いやー、俺はそれしないって決めてるんだよねー。
雀荘オーナーになったら、麻雀と真っ直ぐ向き合えなくなる気がしてさ、弱くなる様な気がして。』

当時拝金主義の塊だった僕は、
この人賢くないなー、勿体無いなーと思ったのだけれど、
一方で、
あー、こういう風に麻雀と向き合っている人が麻雀プロなのかもしれないなー、と思った。
中々人間ってこんな選択出来なくない??

雀荘オーナーになると麻雀が弱くなる、
それが正解かどうか、相関があるか、というより、信念を持って麻雀プロという職業と言えるかどうかわからないものに賭けている姿に感銘を受け、僕は村上淳というプロをリスペクトする様になった。

だからこそ、村上さんがMリーガーになったときは凄く嬉しかったし、
Mリーガーになってグッチのロゴ、ゴリゴリのTシャツを着るようになった時は少しがっかりした(笑)ブルータス、お前もか。

心を動かすもの

Mリーグを見ていて涙腺が緩んだことが何回かある。
桜ナイツが優勝した年の堀さんの最終戦の跳満ツモとか。

1番は村上さんの1勝が遠かった年のオーラス3900のあがり。

これは相当感動した。
恐らく見ていた人たちも同様に感動したと思う。
道中に亜樹さんがスッタンあがって、大きな点差になって。

南3局に300、500をあがり、点数を縮めて、
オーラスに3900をあがり、トップになった。

これは決して役満をまくってトップを取った結果に感動したわけではない。
南3での瞬時の判断、オーラスでのトップを取る為の瞬時の判断。
これは村上さんの数十年麻雀に真摯に向き合った不断の努力が為し得たトップだから心打ったのだ。
そしてあがった不格好のシャンポン3900があまりにも美しくて、涙が出たのだ。


麻雀プロの職人としての技術に感動することは勿論ある。
※堀さんのビタ止めとかけいくんの正確な感じとか。

でもこの技術を得る為にどれだけの努力を積み重ねてきたか、
麻雀と向き合ってきたのか、
このプロセスを感じさせることがあるからこそ人は所詮麻雀、所詮テーブルゲームであろうと感動するのである
、と僕は思っている。

どれだけ魂を込められるか

昨日このnoteを読んだ。

愛情深い心のこもったメッセージだなーと思った。
愛しているからこそでるコメントだよな、って。


下記は僕個人の見解だ。
負けたってファンは離れない。
ファンが離れるのは、『必死さや一生懸命さが見えなくなった時』だ、
と思う。

一生懸命にやっているかどうかがポイントじゃない。
見ている人に、応援している人に一生懸命だと見られなくなるのが、思われてしまうのがポイントなのだ。

結局その物事にどれだけ魂を込めているか、は人に伝わるよ。
一生懸命って尊くて、本当に人に伝わる。
俺は自分の息子の運動会で不格好な組体操を見たけど、
一生懸命だから泣けるよ。
初めてのおつかいだってそうだ。
必死だから泣けるんだ。
村上淳の必死な生き様に俺は感動したんだ。

つまりね、泣けなくなるのは、応援出来なくなるのは、
必死に見えないからなんだよ。
自分が必死にやっているかどうか決めてんじゃないよ。
評価は他人が決めるんだ。

本当にその人が出来得る限り麻雀に向き合っていたかどうかってことを千さんは見ていたのではなかろうか???

まぁ、そもそもシーズン中に他の仕事しているプロ選手が、
本業で負けたら、それを理由に叩かれるのなんて当り前じゃない??

おかぴだって、Mリーグ負けたら言われるよ多分。
『芸能活動にかまけてるから負けてるんじゃない』って。

勿論ね、負けてなお強し、負けても仕方ない、と言われるぐらい強い選手も格好良いよ。

でもそうじゃない選手はもう必死にやるしかないじゃん。
ブランディングだの、サイドビジネスだの言ってる場合じゃないよ。
必死にしがみつくしかないんだよ。
こんなの当たり前の話やろ。
せっかく貰えた最上級の麻雀界の権利だろ?しがみつけよ。

俺はさ、麻雀に必死に向き合って、それでも結果が中々紐づかなくて、
後輩たちに抜かされていった悔しい想いをしている麻雀プロたちを見ているからさ、本当胡坐かいているプロが許せないんだよね。

まぁ、エゴ垂れ流しな文章だけど、たまにはね、
思ったことも吐き出さんとね。

書き途中の『俺が如何に女流プロにモテたか』、って話は次回アップします。

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