シェアハウスに暮らしてみて
シェアハウスに住んでいるというのは案外マイノリティらしく、「え、シェアハウス?!」の驚きのあとには必ずと言っていいほど「どんな感じ?」「楽しいの?」と続く。
20人くらい住んでてキッチンが共用、お風呂はお部屋の中にあるよ〜とつらつら話したあとには、「そうなんだ。なんか楽しそうだね(私/俺は住まないけど…)」とでも言いたげな表情。
シェアハウスに住もうと決めたのは偶然だった。憧れの生き方をしている人がシェアハウス暮らしを経験していたこと、日常から多様な価値観に触れたかったこと、いろんな人生を見てみたかったこと。
どれもシェアハウスで叶えられそうだ
と思った。
シェアハウスについて
部屋数は50室。6人くらいのコンパクトなシェアハウスもあれば多くて150人規模くらいの大型シェアハウスまで様々だけど、私にとっては50じつはちょうどいいくらい。
共用のキッチンとオープンスペースがあって、みんな食事をしたりくつろいだり自由気ままに過ごしている。大きいスクリーンで映画を見るのがお気に入り。
シェアハウスは洗面台やバスルームといった水回りが共用のところが多いけど、ここは各部屋に完備されているのが決め手だった。共用部が比較的少ないのでいわゆる「ソーシャルアパートメント」らしいのだけど、ソーシャルアパートメントは認知度が低くてほぼ伝わらないのでシェアハウスということにしている。
住んでみてどんな感じ?
毎日が生き方博覧会
ここに住まなかったら出会わなかっただろうなという平行線の世界にいた人たちと一緒に暮らしているから、ちょっとカオスだけど毎日飽きない。
会社員の人もいれば、インド人と起業した青年やウーバーイーツで生計を立てているお兄さん、オペラ歌手の明るいお姉さんもいて、とにかくみんな自由。
例えるならば読書している私の前では誰かが鶏肉を水に浮かべているし(本当にどういう状況かわからなかった)、BGMにすみっコぐらしの映画とすすり泣きが聞こえたりする。
改めてカオス。
揉め事とか起こらないの?と思っていたけど、みんな大人なので他人に干渉しないのが良いところ。風邪をひいて餃子パーティーを欠席した時、次の日にあまった餃子のお手製スープをご馳走になっちゃっうくらいやさしい世界。
気分転換できる
残業終わりに落ち込んだとき、部屋に戻りたくなくてダイニングで缶チューハイ片手にプリンを食べていた。そろそろ寝ようか…と思っていた深夜24時、仲の良い居住人がキッチンにおりてきてクリームパスタを作り始めた。なんでこんな時間に?というところから、クリームパスタは和風出汁とソーセージが意外と合うらしいという豆知識にたっぷり笑い、落ち込んでいたことは綺麗さっぱり忘れていた。
別の日、雨の降る朝に寝ぼけてキッチンに降りたら爆音でクラシックが流れていた。朝6時。
クラシックなんて小学校の掃除の時間以来聞いていなかったけど一気に目が覚めた。そして居住人と話しながらコーヒーを飲み、気分良く出勤できた。
ひとりだったら暗い気分を引きずりそうなところを明るい気分にしてくれるから、落ち込むことは減ったなと思う。
新しい興味が湧く
今朝は朝からリビングがざわざわしていた。WBCの準決勝が7時に始まっていたらしい。
とりあえずダイニングテーブルに座って一緒に見ていたら、野球はまったくわからないのに面白くなってきて、吉田選手がホームランを打った時はみんなで声をあげていた。
ちなみに村上選手がサヨナラホームランを打った時は外出していてひとりで感激した。
ちょっと寂しかった。
外出といえば、行きたい場所があれば3日後に約束ができて、現地集合・現地解散のお気楽さも好き。
シェアハウス暮らしになっても誰とも話したくない日もあるし、日曜の夜はセンチな気分になる。でも喋りたくない日も落ち込んだ夜も、同じ家に誰かがいてくれるだけで安心できる。ちなみにシェアハウスではできないかな、と思っていた歌を歌いながら料理をするのも続けられた。snowmanを気分良く歌える。
誰かと暮らすともやもやすることもあるけど、それを凌駕するほどに楽しい。シェアハウス気になるなー、どうしようかなーと思っている人は一度住んでみてほしい。家族と住むのとも、同棲とも一人暮らしとも違う。
残り10ヶ月、遊んで話して、シェアハウスを満喫すると心に決めた祝日であった。