ついに到来、イチゴブッラータの季節!今年はライムのシュワシュワで華やかに
新年あけましておめでとうございます、奥渋・NHKの西門前にあるフレッシュチーズ専門店「SHIBUYA CHEESE STAND」(以下、渋谷店。実物大の牛のオブジェが目印)です!
慌ただしい年の瀬がすぎ、奥渋は少し落ち着いた新年を迎えております。本年は1月5日からCHEESE STANDの各店(渋谷店、& CHEESE STAND、CHEESE STAND LAB.)は営業を始めております。本年もよろしくお願いいたします。
デザートではない
「料理」のイチゴのブッラータを作りたい
イチゴのフルーツブッラータは、冬の定番の組み合わせで、毎年仕立てを変えながらお出ししています。じっさいに12月頃から「イチゴのブッラータありますか?」と、お客様からもお問い合わせいただくほどの人気メニューですが、シーズナルのフルーツブッラータのなかでも、じつは商品開発が難しい組み合わせでもあります。
というのもすでに何度かnoteでもお伝えしていますが、渋谷店のシーズナル・フルーツブッラータは、ワインと一緒に食べていただけるような前菜や、メインのお食事としてたべていただきたい、いわゆる「料理」として位置づけているものです。
一方で、真っ白いブッラータと赤いイチゴのフルーツブッラータは、ショートケーキのような色の組み合わせから、どうしても甘いデザートのような味わいのひと皿を連想するお客様が多いようです。
仮にデザートのイメージで召し上がられたとして満足していただきながらも、五味(塩味・酸味・苦味・甘味・うま味)と香りのバランスが良い「料理」としての食後感が残る。そんな意外性のあるひと皿をお客様に召し上がっていただこうと、毎年試行錯誤を繰り返しています。
メニューを考案した関口幸秀店長が考えた2023年のイチゴブッラータのテーマは、ひと皿で食事もデザートも満足させる「朝食」のようなフルーツブッラータ。前菜らしいハーブやスパイス、塩分は「知っている味の安心感」や「酸味」に置き換えてレシピを作った意欲作なのです!
今回シーズナルで使用するイチゴは、栃木県宇都宮市のイチゴ農家「髙橋農園」のとちおとめです。
真っ赤に完熟するまでじっくりと育てられたイチゴで、甘味があってシャキッとした食感があるのはもちろん、酸味もしっかりあるためそのまま食べるだけでなく、料理にしてもおいしく食べられるのが特徴です。
ミルキーなブッラータには酸味も甘味もあってしっかり密度もありジューシーなとちおとめがぴったりです。味に変化をつけるため食感には微炭酸を感じるジュレを。さらにクローブやシナモン、カカオニブ、ナッツ、バジルなど香りや食感も楽しいひと皿になっています。こんな朝食あったら毎日食べれたくなりますよね。
パーツが多いですが、一つひとつは難しくないので、ぜひ再現してみください!
しゅわしゅわ苺のブッラータ
~髙橋農園のとちおとめ~
関口幸秀(CHEESE STAND SHIBUYA店長)
作り方
1.ブルーベリージャムを作る。ブルーベリーを冷凍しタッパーなどの密閉容器に入れる。重量の20%のグラニュー糖を全体にまぶすように入れて蓋をし、軽く振って全体にグラニュー糖を絡ませたら冷蔵庫に入れ、1日おく。
2.2日目、ザルなどでブルーベリーと液体を分けて液体のみをフライパンに入れ、クローブとバルサミコを入れて中火にかける。酸味が丸くなるように香りを確認しながら沸かし1/2程に煮詰めたら火を止めて冷ます。
3.液体が完全に冷めたらクローブを取り出し、ブルーベリーの実と絡ませる。密閉容器に移し冷蔵庫に入れ1日おいておく。
4.3日目、容器内のすべてをフライパンに入れ火にかけ沸かす。ブルーベリーの実を潰さないように混ぜ軽く濃度がついたら火をとめ冷まし完成。密閉容器に入れ冷蔵庫で冷やしておく。
5.ジンジャーエールジュレをつくる。お好みのジンジャーエールシロップ40g、ライム汁1個分を炭酸水250gで割って空のペットボトルに入れる。つるりんこシュワシュワを勢いよく入れてすぐに蓋をしシェイクしたら、冷蔵庫で3時間以上冷やしておく。
6.カカオナッツパウダーをつくる。同量のカカオニブ、素焼きアーモンド、ドライクランベリー、ドライレーズンをミルサーなどで撹拌し、粗めのパウダー状にしておく。
7.バジルチップをつくる。小さな容器にオイルを出しておく。耐熱皿にラップをピチッとひき、バジルを並べて一枚ずつ手でオイルをうすく塗っていく。700wの電子レンジで3〜4分様子を見ながら加熱し、パリッと乾くように調整する。冷ましたら乾燥剤などを入れた密閉容器で冷暗所で保存する。
8.盛りつける。皿の真ん中にブルーベリージャムをのせる。その上になるべく常温になった東京ブッラータを優しくのせ軽く塩をする。イチゴをカットして並べたら、イチゴの上にジンジャーエールジュレをかける。カカオナッツパウダーを適量かけ、バジルチップを飾ったら完成。
レシピのポイント
イチゴとブッラータは、皆さんも大好きな組み合わせだと思います。そのまま切って一緒に食べるだけでもおいしいですが、せっかくならイチゴの品種にこだわったり、切り方を変えてみたり楽しんでみるのもいいですね。
ブルーベリージャムは、CHEESE STANDのリコッタと合わせたら朝食の1品に、ハード系チーズとも一緒にあわせればワインのおともにもぴったりです。余った分は、いろいろと活用してみてください。
ジンジャーエールジュレを作るならフライドポテト & 手作りジンジャーエール専門店「BROOKLYN RIBBON FRIES」のジンジャーシロップを使うのがおすすめです。
ブルックリンに暮らすシェフ、Kiyo Shinoki氏が世界中のジンジャーエールを飲み歩き、独自のレシピで作り上げたもので、生ショウガと数種類のスパイスをブレンドしたこのシロップで、ソーダで割ればジンジャーエール、紅茶で割ればジンジャーティー、そのほかにも様々なお酒と組み合わせてオリジナリティあるカクテルもできますよ。
ジンジャーエールジュレで使っている「つるりんこシュワシュワ」は、嚥下力能力が低下した人でも炭酸飲料のシュワシュワ感を楽しめるように医療や介護の分野で開発された、粉状のとろみ調整食品です。
ジンジャーエール以外にも、市販のペットボトル入りの炭酸飲料に直接加えることで、とろみのある炭酸飲料になります。もともとは、医療や介護の分野で開発された商品ですが、レストランのシェフの間でも注目されるようになりました。
アクセントに使ったカカオナッツパウダーは、ほかにもいろいろな料理のアクセントに使えそうです。たとえば、グリルした豚肉に、オリーブオイルと削ったCHEESE STANDのリコッタサラータ、カカオナッツパウダーなんて組み合わせもおいしそうです。余った分はいろいろと試してみてください!
そして「フルーツブッラータつくってみて」は、ご家庭で作っていただくだけでなくのはもちろん、ぜひレシピの「答え合わせ」として、SHIBUYA CHEESE STANDに食べにいらしていただけたらうれしいです。
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「東京ブッラータ」をご家庭で食べる際に、「食べごろ」があるのをご存じですか?! 食べごろを検証したnoteはこちら。「賞味期限2日前・常温2時間」を覚えておいてください!
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「しゅわしゅわ苺のブッラータ~髙橋農園のとちおとめ~」のほかにも、旬の食材を使った1月のシーズナルメニューが現在SHIBUYA CHEESE STANDで販売中です。お昼も夜もメニューにありますので、ぜひ食べにきてくださいね!
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文・構成、撮影=江六前一郎