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寄り添うキャリア教育で若者の背中を輝かせる 畠 一樹さん

徳島大学で若者へのキャリア教育をされている畠 一樹さんにお話を伺いました。

畠 一樹(はた かずき)さん プロフィール
出身地:兵庫県
活動地域:徳島県
現在の職業及び活動:大学教員、若者へのキャリア教育
座右の銘:「人の背中を輝かせる」「人の心に灯を燈す」

背中がイキイキと輝くように人の心に灯を燈す

記者:夢やVisionを聞かせてください。

畠 一樹さん(以下、畠 敬称略):世の中を元気にする為に人の背中を輝かせる。イキイキとして大好きな事で自分の時間を費やしていること。その中でワークライフ・バランスよりもワークライフ・ブレンド。仕事も好きな事のひとつであったらいい。仕事を大好きにもなって欲しいし、プライベートも大好きであって欲しい。その大好きが故に背中が輝いている。

もうひとつ座右の銘にするなら「人の心に灯を燈す」
心に灯が燈らないと体が温まらない。体が温まらないと行動しない。行動しないと背中が輝かないと思っています。今は大学の教員として若者の背中を輝かせるように貢献する機会を頂いています。

今の立ち位置からすると、「学校」で元気になった若者が「企業」に就職する、「企業」は元気な社員が増えていく。その人たちが結婚し「家庭」を持ち、そこに生まれてくる子どもは両親の背中を見ながら希望を持って「学校」に行きくことになる。そうすると自分のしたいことに意味づけしながら勉強するので、教育の環境が明るくなる。

このように地域を「学校」「企業」「家庭」と大きく3つに分けて捉えています。その3つがいい循環を起こし出せば、どこにいっても循環の流れを清めて元気にすることができる。この地域が今だったら徳島である。この循環が拡散していけば四国が元気になり、日本が元気になると思っています。そして、自分は教育という還流を起こす一翼を担うことができればと思っています。

ハタスタイル

記者:活動している上での活動指針はありますか?

畠:人それぞれの自分らしさに寄り添い、それを具現化していくことを伴走しながら応援することがポリシーです自分の在りたい方向性とVisionを一緒にデザインするお手伝いをさせてもらったり、自分のスキルを磨いたり、知識などを深めたりすることも応援させてもらっています。その一連で人が輝く上でのセルフマネジメントのお手伝いを寄り添いながらしていくのが自分のスタイルなのかな。

記者:今までお話いただいた夢に火がついたきっかけには、どんな出会いがあったのでしょうか?

畠:小学校の3年生ぐらいの時です。僕は真面目ではなく、当時はじめてクラス担任となった女性の先生からするとトラブルメーカーで、担任の先生のストレスの原因になっていました。今からしたらすごく申し訳ないことをしたなと思います。とはいえ当時の自分たちでは気づくことが難しい状態でした。

ある時、昼休みにビー玉で遊んでいたら向かいの校舎から男性の先生が飛び降りてきて、突然「何やっとんや!」と訳も分からずど突かれました。5年生になり、ど突いてきた先生が僕のクラスの担任になりました。

ど突く行為は当時は許された時代でした。ど突くことの意味は、怒りの感情に任せてただど突くのではなく、相手を想って叱る。「頑張れよ」と有り難い愛情のムチだと思っています。
その後、男性の担任の先生は授業に興味が持てる工夫をしてくれました。授業で発表したらシールをあげるシステムを取り入れてくれて、僕はうまいこと引っかかり毎月トップ賞でした。もしあの時、先生が更生してくれなければ今の自分はどうなっていたか分かりません。自分の方向性を整えてくれたことにすごく感謝しています。
人が人の生き方にいい意味で影響を及ぼすことができるということが、幼少期の思い出で印象にあることです。
その後、3年の担任の先生と5年生の担任の先生はめでたく結婚されたのですが、僕が結婚する時にはそのお二人に仲人をしていただきました。自分の生きる方向が変わらなかったら今の奥さんと出会ってなかったですから。

3つのキーワード 「 アート、教育、経済」

畠:高校生の時に進路を選択する上で3つのキーワードがありました。ひとつは「アート」建築のアート。ふたつ目は「教育」。僕もいい意味で人に影響を及ぼせる人で在りたいという想いからです。もうひとつは「経済」。経済はお金儲けの経済ではなくて「経世済民」世を治め民を助く意味合いで世の中が元気になったらいい。みんなが元気になればいいという意味での経済に興味を持っていました。

進学するにはアートの建築だから構造力学など専門的なことも学んだ方がいいいと進路相談をした先生からアドバイスがあったので勧められた大学に入学をしました。しかし大学に入ったらその大学は建築ではなく土木で、アート色がなかったんです。そこで一旦、自分はコケかけるのですが、色んなことを学ぶことにしました。

社会人になり、今の仕事は自分がやりたいことを実現する仕事ではないのかな?と疑問を持ち、会社のマネジメントを担当するようになりました。
会社の経営は人がいかにその仕事を好きになって打ち込めているという点が経営の原則だと考えるようになり、教育が大事だということに気がつきました。
社内教育では同じ教育をしていてはダメですね。10人、100人同じようにやっていたらダメだということがわかったんです。

人ぞれぞれ性格も違えば得手不得手もあるし、人それぞれなんだなと分かってきた所で、高校生の時に出た3つのキーワードの3つ目。一番最初にコケてしまったアートを思い出しました。
建物をアートするイメージから、人をアートしたらいいんだと思い、教育で人をアートするイメージができました。教育で人をアートする会社の経済が回り出して広がっていくと、最終的に全体の経済が回るイメージができた時に、3つが重なりました。その後、いろんな会社が元気になるような事業をさせていただき、それがインターシップやインキュベーション事業でした。当時はまだ普及していないワードでした。

色々頑張っている中で、東日本大震災が起きました。今度は被災された方に何かできるのではないかと思い、気仙沼に入りました。
そこで活動していた時に、地元の大学生が一週間おきに気仙沼に入れ替わり入ってきてくれて、夏休みの時期で常時30人ぐらいが助けてくれていました。
彼らをみていると、活動しながら背中が輝いていくのが目に見えて分かりました。きっかけがあれば若者は輝けるんだということに気づいて、そんな若者を輩出できたらいいなと思ったことですね。

記事:教育が中心にあるんですね。

畠:20代は生産することに時間を使ってしまいました。それがあるから今と対比して考えられるのかなと今は有り難いです。当時は何で働いてばっかりなんだろう?なぜお金の為に働かなければいけないんだろう?と問いが生まれて。
その頃から世の中ではワークライフ・バランスという言葉が出初めました。
仕事も大切だけど、それは生活する為に。プライベートは自分らしさも大切にしよう。じゃぁ仕事は嫌なことなのか?と自分には思えてきて。ワークライフ・バランスではなくてワークライフ・ブレンドという言葉にも出会い、24時間自分の好きなことで時間を消費できていたらいいなと。
大学であれば教員、家ではお父さん、それ以外でいくと友人であったりするわけで、立場は変われど自分の好きなことは座右の銘でもあるように、人の背中を輝かせることなので、大学では学生さんを元気にさせること、家では子供と一緒にお風呂に入って将来の夢のことを話してみたりとか。ということは、朝起きてから寝るまでのあいだに人の背中を輝かせることがずっと流れていき、全て好きなことで一貫してやれている。そういう意味では今はとても幸せです。

記者:AIの時代に必要とされるニーズとは?

畠:AIは機械らしくその役割を果たしたらいいなと思っています。人は人間らしさを発揮して欲しいと思っています。人間らしさとは何かといったら、自分の好きなことをずっと続けていけること。自分のテーマを見つけること。誰もが一緒で競うのではなく私の色はこれですよと。人間のあるべき姿。自分のあり方を求められている。機械を差別化して人らしく生ける者らしく、自分らしさが生きる生き方がニーズとしてあるのではないかと思います。

反動として実現できていないのがストレス社会を生み出しているんじゃないかなと思います。元気がない人は周りの理想で動いていたり世間体を基準に動いていたりとか、自分以外のところと比較して苦しんでいるような気がします。自分らしさが求められている気がします。

記者:どんな美しい時代を創っていきたいですか?

畠:みんなが好きなことをやっていることで他の人が喜んでくれる。それが集まっている社会が出来上がっていること。さざれ石のようなイメージです。
均質な石ではなく、均質ではない石ころが集まってその間に砂などが噛み合って圧密で長い年月をかけてひとつの塊になって、それぞれの個が生かされながらひとつの組織やチーム、地域やコミュニティを作っている時代がくればいいなと思っています。

学校・社会・家庭があってそれがひとまとまりになってさざれ石のような地域を生成して、その先には美しい世界が出来上がるんじゃないかなとそんな思いをロゴにしました。

記者:まさに灯を燈すイメージでかつ躍動的であり、畠さんにぴったりなロゴですね。完成おめでとうございます!貴重なお話ありがとうございました。

【編集後記】
インタビューをさせていただいた阿部です。厳しさのある統率性と感性のアンテナを立たせることも大切にされている畠さん。益々のご活躍これからも楽しみにしています。

この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


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