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藍の季節がやってきました
藍の季節がやってきて、今年もよろしくお願いしますと心の中でペールをぐるぐる巻きにしていたお布団を外しました。
火のチカラ
まず火を起こすとき、火のチカラをまざまざと見せつけられ、はじまりは火だったということを思い出すのでした。
中華料理が強火でサッと火を通すとしたらオーブンでじっくりと焼き上げるような、火の使い方です。日常生活では火加減をガスコンロのツマミでコントロールしていることを、火の加減は薪をくべるタイミングでやっていくのですが、黄色やオレンジと一色とは切れない色を持ち、ゆらめきも力強く、あっという間に燃え尽きてしまうのでした。
火のダンスに夢中になっていると、風もそこに加わり土もあるので渾然一体となり生み出す元のもとだというのがわかります。じっと火を見つめているととても熱く、それでもその場を離れずにいます。ゴーゴーと音を立てるときもあって、神秘的な時間が流れていきます。
灰を炒る
藍を建てるときにはじめに習ったことは、灰を炒ることでした。灰は木から出来ていて木の燃えカスですが、灰はすごい殺菌効果があるのです。じゃがいもの切り口に灰をつけて芋を植えますし、灰にくるまれたチーズもあります。
東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生は「灰と日本人」という灰について1冊の本を出していらっしゃいます。
灰は時折動かしてみることで、少しの変化を感じ取ろうとしています。砂のように見えて、よく見るとひとつの塊からバラバラになって粒子が離れていっている、動きが早いか遅いか、軽さが出て自由に動きまわれるようになったようです。
このあと灰は灰汁づくりへと繋がります。
藍の季節
立夏から秋分の日まで藍染めをして、春に蒔いた種は畑で藍を育てていきます。
5月5日の立夏をスタート時期に決めたのは、私の場合は外でしているので、昨年は4月に藍を起こして途中寒い日が続いたので夏まで待つことにしたからです。
植物と微生物と自然が響き合い、藍とかかわる中で面白い発見ができればいいなぁと思っています。