なんで俺なんかを読んでくれるんですか?
書いていれば読まれる。
そうだね。
お前じゃなくても代わりはいる。
そうだね。
別に無理して書かなくてもいいんじゃない?
そうだね。
別に面白いこと書いてなくない?
そうだね。
おいおい、そこは肯定してくれよ。こんなところで直角の板相手に不完全な独り言をしている人間を面白い以外の言葉でなんて表すんだよ。それ以上の悪い感情が詰められてるものを振りかけられたら尖った鉄片が心に突き刺さって死んじゃうんだぞ。
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もう返事もしてくれなくなっちゃった。はあ、みんなこうだ。結局こうなってしまうんだ。人間の感情って重いもんな。そんなの耐えられないよな。俺だってそうだ。健全な精神の時にこんなの目に入れるだけでどす黒いオーラで車軸が動かなくなってしまうしな。健康な時で無理なら醸してる時なんて余計負えないに決まってるよな。でも耐えられなくても汚染区域に入れるのが同じく背負ってる人間だけだからさらに深く沈んでしまうんだよな。こんな感情は自然希釈されることを願うといいつつ内心見ないふりをしながら暗い深い海に放つしかないんだよな。
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・・・・・・。
なんで海の底が暗いか知ってるかい?それは底に沈んだ感情が負の光を放ってるからなんだよ。
負の光、かっこいいね。
でしょ、いいでしょ。
光も曲がるのかな、磁力線みたいに。
きっと曲がってるのさ。まっすぐ進んでるように錯覚してるだけだよ。
じゃあ太陽の光も曲がってるんだろうね。
そうさ、だから空は明るいのさ。あんな小さな発光体がこの大きな空を照らしてしまえるわけないからね。
そっか、すっきりした?
まあね。
君が落ち込むなんて珍しいよ。こんなことはじめてじゃないか。
そうだろうね、だって君とは初めて会うんだから。
やっぱり?じゃあもうすぐ君のことを忘れないといけないね。君もちゃんと僕のことを忘れてね。
大丈夫さ。今まで何回君と会ってると思ってるんだ。
よかった。じゃあ、またね。
ああ、じゃあ、また。