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パリとアテネは本当にスリが多かった。スリ検証と私の対策

オリンピックが始まりましたね。開会式の様子を見ながら、「ジーコがパリで盗難に遭った」というニュースを見て、5年前のパリと、2か月前のギリシャ旅を思い出しました。

2024年5月にギリシャ旅行に行ってきました。6日間のツアー参加を挟んで、前後に一人旅を入れた13日間。ギリシャは日本からの直行便がないため、ツアーで一緒になった方はロンドンやパリ、トルコやドーハなどヨーロッパや中東の各地を経由する必要があり、各地の物価や治安状況などが話題になりました。

その中でも一番話題になったのがパリとアテネのスリ!
実際ツアー参加者の中にも、被害に遭った人がいらして、5年前のパリはそこまでひどくなかったなー、と思ったり、1人はアテネのお店で現場に居合わせたので凄さを実感しました。数人でいたのに誰も気づかなかった!本当にすごいプロですよ。

2006年のドイツW杯に1人で行っていた時は、一応対策はしたものの、全く安全で夜中も1人で歩いていました。2019年にパリに行った時はエッフェル塔周辺の露店が並んでいる辺りにジプシー系のスリが集まっているな、と感じましたが、今回はあちこちでスリの凄さを感じることがあり、ここ数年でだいぶ様子が変わってスリが本当に増えたと思うので記します。

なぜスリが増えたのか

ギリシャ在住の現地ガイドさんによると、この数年でスリがとても増えた上、昔は見た目でなんとなくジプシー系の方とか危険な感じがわかったのだけれど、最近は観光客と全く見分けがつかない白人の若い女の子も多く、ガイドさんも被害にあうほど巧妙な手口だそう。

理由はヨーロッパ各国の紛争、戦争のため。
特に東欧の戦争や紛争で自国に住めなくなった人や、仕事がなくなった人たちが移動してきているそう。地続きだから移動出来てしまうのですね。でも、パスポートとか持ってないのでまともな仕事に就くことが出来ず、生きるためにはスリしかない。「人を〇〇したい」などという思いからではなく、ただ自分たちが生きるためのお金を手に入れるため、彼(彼女)たちにとってはスリしか方法がない。だから本当にプロの仕事だそうです。

ガイドさんは「戦争を起こす米や露が悪いんです。」と仰っていましたが、確かに。一概に彼(彼女)たちを責めることもできないような、複雑な感じがしますね。

スリに狙われる場所、人

ギリシャは複数の都市と2つの島を巡りましたが、スリが多いと感じたのはアテネだけ。(その他の治安については別途書きます)
パリもアテネも(行ったことないけどスリが多いと噂のローマも)、観光客が多いところにスリが集まるのは当然ですね。

でも以前ヨーロッパに行った時と比べてスリがいる場所が限定的ではなく、いる街にはどこにでもいるようになったと言う感じがしました。

1人で歩いていると狙われる、と言われますが、私は1週間1人で歩いて公共交通機関で移動しても全く平気でした。被害に遭った人も、1人で歩いている時の人もいれば、複数人でいた時にすられた人もいます。なので問題は人数ではないと思います。

今回実例を聞いて感じたのは、ある程度前から行動を追っていて、ターゲットにしたらその人の隙ができるのを見計らって仕掛けているのかもしれない、ということ。狙われたら終わりかもしれませんが、狙われない人もいるし、狙われても被害に遭わないこともできます!
傾向がなんとなく分かったので、まとめておこうと思います。

スリが多い場所
・観光客が集まる場所
・人の流れが交錯している所
・人の意識が逸れる場所

狙われる人
・酔っている人
・カバンから意識が逸れた人(瞬間)
・高額を持っている人

入場料を払った中にもスリはいる

ギリシャのアクロポリス(パルテノン神殿がある丘)では、入場料20ユーロかかりますが、お昼過ぎは観光客でごった返し、みんな写真を撮るのに夢中になるのでスリ集団が発生します。

2019年当時でも、パリのルーブル美術館のモナリザ前はスリが多いと有名でした。観光客がカメラを構える場所は、入場料を払ってでも仕事になる、ってことですね。

レストラン・お土産物屋さん

レストランで食べている時にバッグを椅子の後ろや隣の席に置いていると、通りすがりにすられます。膝の上に置いておきましょう。

お会計のためにお財布を出して手で持っているのも危険です。

実際、アテネのお土産物屋さんで数人で買い物していた時、一緒にいた方がお会計に並んでいる時にお財布を手に持っていて、いざ自分の会計の番になったら「現金がない」ということがありました。お店の中ですれ違ったほんの一瞬でお財布からお札だけ抜き取られています。
日本人6人で歩いていたので目をつけられていたと思いますが、その中で一番酔っていた人、狙われましたね。

街中でお財布を出した時、話しかけられた時

電車に乗る時、売店で何かものを買った後など、お財布をどこにしまったのか見えればスリにとっては狙いやすい獲物です。
道を尋ねられたり、露店の物売りや客引き、署名や募金など、話しかけられた時は集団スリの可能性が大。別の人が横からスッとしているかもしれません。

電車に乗る瞬間と降りた後

特に電車はターミナル駅だと乗る人、降りる人が交錯するし、大きなスーツケースを持っていると「観光客です」と名乗っているようなものなのでスリには狙い目。
さらに到着してすぐの人は絶対にある程度の現金を持ってますから、そりゃ狙いますよね。

私はアテネのホテルはシンタグマ広場の空港へのバス停近くにし、スーツケースを持っている時の移動は全て始発のバスを利用したので、全くスリらしき人には合いませんでしたが、広場周辺には怪しい人がチラホラ。ターゲット探しているのかなー、と感じました。

酔っている人はどこでも狙われる

お土産物屋さんでも酔っている方が狙われましたが、他にも旅慣れている人が酔って街を歩いていた時に話しかけられ、急に抱きつかれて一瞬ですられた、というケースがありました。カバンのファスナーをいつもフックをかけているのに、その時だけかかっていなかったそう。
良く見ていますね。

お金を持っている人は分かるらしい

嗅覚を持っているのでしょうかね?「お財布取られたけど、千円分しか入ってなかったんだよねー」と言う人を聞いたことがありません。

スリの被害に遭わない対策

「お金は分けて持つ、バッグから目を離さない」は基本ですが、わかっていても日本人はいいカモになっている現実。なので、もうちょっと具体的に私が行っている対策をお伝えします。

お金は3つに分けて持つ

私は海外旅行の時はスリだけじゃなく、脅された時、身の危険を感じた時にお財布を投げて逃げる、くらいの感覚でいます。スリも集団で狙われたら完全に防ぐのは難しい。。なので、盗まれても痛くないお財布を用意しています。海外旅行が不安な方、スリが怖い方は参考にしてくださいね。

まず、海外旅行の時は日本で使っている長財布は家に置いて行きます。
持って行くのは仕切りのある小銭入れ、小さめの2つ折りのお財布、そしてスカートやバンツの中に入れてもかさ張らない厚みのないウエストポーチ+ジップロックです。入れ方は次の通り。

1・表に出すのは小銭入れに盗まれても痛くない現金のみ。
食べ歩きや、売店でちょっとした買い物をするときや、有料トイレやバス、など、人の多い場所でお財布を出す時はこのお財布。
私は普段小銭入れで使っている仕切りのある小さなお財布に5千円分くらいしか入れていません。お札は1枚づつ金額が見えるように折ってすぐに出せるようにし、コインと分けて入れています。
アテネ市内を歩く時はリールで緩くバッグと繋いでおきました。

2・バッグの内ポケット(ファスナー付き)の中にお札を広げて入れられる二つ折りのお財布にカード1枚と、その日使う予算の現金を入れておきます。1のお財布の現金が減ったら、トイレなどでここから現金を補充します。カード払いしたい時や、きちんとしたお店の時はこのお財布から支払います。

こちらもアテネ市内を歩く時はファスナーのつまみとバッグのストラップの金具をチェーンで繋いでおきました。そんなにしっかりしたものでなくても「何か予防してるな」とわかると狙われにくいです。

3・スカートやパンツの中に入れられる薄型のウエストポーチにパスポートと大きなお金と日本円のお札、予備のクレジットカード1枚を入れ、外からは一切見えない(分からない)ように服を着ます。お財布に入れると嵩張るので、紙で包んでジップロックに入れています。

首から下げるタイプのものや、腹巻きタイプのものなど、服の中に入れられるの色々売ってますよね。どれでも良いですが、服を着て「中につけてる」と分からないのが大事だと思います。

到着したらまずはトイレ

現地に着いて、入国審査を終えて到着ロビーを出たらトイレへ直行して、パスポートと大きなお金を服の中にしまって、準備を整えてから行動開始です。大抵、空港のトイレが一番綺麗ですし、大きな荷物を持ってキョロキョロしていると狙われやすいですからね。

小銭がない場合や大きなお札ばかりの時は、空港内の売店でお菓子などを買って崩しておきます。

お財布はきちんとしまおう

買い物の後は荷物に注意が行ってしまっていたり、切符を買った後は次の電車やバスに意識が向くなど、お財布を出した後は注意力が散漫になることが多いです。すると、バッグのファスナーがちょっと空いていた、なんてことが起こりがち。そんな隙が狙われます。
きちんとお財布をしまって、バッグを閉じたのを確認してから次の行動に移りましょう。

バッグのファスナーから手を離さない

日本人観光客で目立つのは、バッグを斜めがけ or ウエストポーチ型のバッグ。身につけているから安心、と、両手でカメラを構えたり、買い物袋を下げている姿。

これ、ひったくり対策にはなるかもしれませんが、スリ対策にはなっていないと思うんですよね。むしろ、大きいバッグより狙いを定めやすいのではないかと・・・

スリ対策はファスナーに手をかけておくこと。スマホで写真を撮る時も、できるだけ片手で操作して、常に片手はバッグのファスナーに添えておくと、「この人やりずらいな」と思って狙われません。

旅行前、対策でいろんな方のブログを読んで意外と被害が多かったのがリュック。私は持たないのでよくわかりませんが、スリには狙いやすいのかもしれません。

物売りに声をかけられないように歩く

一人旅をしていると「ああ、この人狙われそう」と思うことがあります。
複数人でおしゃべりに夢中な方々。キョロキョロ景色に夢中な方。あー、疲れた、と言う感じでなんとなく歩いている方。
そして、「どっちだっけ?」なんて立ち止まってスマホや地図を見ている人。

私は危険地区では地図を開きません。行くまでに大体の地形を頭に入れて、前日夜に次の日の復習。そして、迷ったらカフェやトイレに入ってガイドブックを開きます。街の中を歩く時は地元民(近くのカフェで働いてるのよー)の気持ちでスタスタ歩くと、観光客に道を聞かれることはあってもスリに声をかけられることはあまりないです。

物売りに声をかけられる=観光客、ターゲットと見られている、ってことなので、声をかけられたら気をつけましょう。

スリは海外だけじゃない

この話をすると、「海外怖い」「やっぱり日本がいい」と言われることがありますすが、私がここまで気をつけるようになったのは痛い経験があるからです。

人生で一度、スリにあったことがあります。
20代の時、渋谷のスクランブル交差点で。

ちょうど銀行でお金をおろして、6万円くらい持っている時でした。寝不足でちょっとぼーっとしながら、ファスナーのないトートバッグにポン、とお財布を入れていたんですね。

その前、NYとかタイとか海外旅行した時には気をつけていたのに、日本だからって油断していたとき、思いっきりやられました。

それ以降、気をつけるようにしてから日本でも海外でも一度も被害に遭ってないので、気をつければ大丈夫です。

そして、「このお財布は取られても私は困らない」「5000円くらいは困っている人に寄付をした」と思っていれば怖さもありません。

怖がって出かけない、楽しめないのは勿体無いですから、対策をして旅行を楽しんでくださいね!



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