「そんなこと気にしてたら、身がもたないよ」という言葉に思うこと
こんにちは!
いつのまにか、紫陽花がきれいに咲く季節になりましたね。
障害児ママのためのキャリアカウンセラー、あまだゆみです。
聴覚障害のある息子は、保活が本当に大変でした、、、。
昨年4月の段階では保育園に入れていない状況でしたが、エイヤで仕事を再開した私。
お世話になったのは、ベビーシッターさんでした。
(別途、保活やベビーシッター利用について私が工夫したポイントはシェアできればと思っています)
ベテランベビーシッターさんの言葉
ある日ベビーシッターBさんに言われた言葉が、今回のタイトルです。
Bさんは、超ベテランのシッターさん。看護師や保育士の資格を持っておられ、障害児受け入れ経験も豊富な方でした。
息子のことをよく見てくださり、私の話にも耳を傾けてくれたので、ふとこんなお話をしました。
「先日、駅で知らないおばあちゃんに話しかけられたんです。『ヘアバンドで赤ちゃんの耳が潰れてるわよ』って。だから、『お耳は生まれつきなんです。ヘアバンドは、この子の補聴器なんですよ』と答えました。そうしたら、『あらやだ、変なこと聞いちゃったわ』と目を逸らされてしまったんです」
と私が話したら、
「ママ、この先きっと何度もそういうことがある。いちいち気にしてたら、身がもたないわよ!」
と言われたのです。
私のことを気遣って言ってくれたことは、とても伝わってきました。
でも、なんだか悲しさと寂しさが拭えなかったんです。
息子は、外耳道閉鎖による聴覚障害に加え、小耳症を持っています。耳たぶはありますが、上の軟骨部分が形成不全で、潰れたような形をしています。
そのため、耳掛けタイプの補聴器ではなく、ヘアバンドに骨導補聴器を取り付け、装着しています。
なんだかまるで、気にする方が悪い、というような。(もちろん、そんな意図はまったくないことはわかっていますが)
「そんな風に感じる自分の心がひねくれているんだ」と、とっさにそんな自分を恥ずかしく思いました。
でも、本当にそうだろうか。
そんな風に感じた事実に、蓋をしていいのか。
どうして、心無い発言をした方ではなく、された方が我慢しなくてはいけないのだろう。
みんなちがって、みんないい。
金子みすゞさんの詩の一節ですが、私はこの言葉が大好きです。
ちなみに、息子のお耳や補聴器のことを知らない人に聞かれたとき、一番心が温まった言葉は、地元のパン屋さんがかけてくれた
「そっか、補聴器だったかぁ。じゃあそのヘアバンドは、君のとっても大事なものだったんだね」
でした。
息子の目を見て微笑みながら言ってくださったこの言葉を、私はきっと忘れないと思います。
とっさの反応や言葉には、その人の価値観が色濃く反映されるものだなと感じました。
"マイノリティが変わるべき"という暗黙のルールを変えよう
これって、他の問題にも通じるものがある気がしています。
日本の学校では、いじめの被害者の子が自宅学習や転校を余儀なくされるケースばかり。
でも海外では、いじめる側の心の問題と捉え、セラピーを受けたり、家庭と学校が密に連携して対応していくのだそうです。
いじめられる側にも問題がある。
性被害にあったのは、ファッションや振る舞いのせい。
障害について何か言われたら、黙って耐えるべし。
私は、どれも問題の根幹は同じように思います。
ダイバーシティについては、声高に言われ始めてずいぶん経ちました。
ダイバーシティ=男女平等、という日本ならではの図式も、古くなってきました。
ダイバーシティの本来の意味合いは、性別、人種、国籍、宗教、年齢、学歴、価値観など、あらゆるものに対する差別を無くし、それぞれの特性を生かし、尊重し合って共存していこう、というものですよね。
金子みすゞさんの言葉のように、お互いの特徴や良さに対する敬意を、いつも心に持っていたいなと思います。
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