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片想いSnow Manが欲しい人は、『リンディーララ』を聴け。

1.最初に

Snow Manの4枚目のアルバム『RAYS』より、『リンディーララ』を語ろうと思ったきっかけは、なんだっただろう。細かい理由は自分でもわからないが、トレーラーが出たときふと思った。「これは語らなくては。」もはや使命感に近かった。
(ここから一節聴けます。⬇️)


そもそも私は片想い拗らせソングが大好きなんだよ。『ミッドナイト・トレンディ』、『縁-YUÁN-』、『Two』……。高嶺の花子さんに恋するSnow Manも、高嶺の花子さんなSnow Manも大好きだけど、片想いを拗らせて素直になれないSnow Manも大好きだ。
さらにアコースティックギターの詩的な表現も、ポルノグラフィティファンだから大好きだ。叶わない恋に泣き、慣れ、でも感情を殺しきれない、そんな切ない恋慕を歌うSnow Manがたまらなく大好きなんだよ。
トレーラーで解禁されたのは、1サビだけ。

'Cause I love you... 幸せになってほしい
リンディーララ
Sorry 嘘をついたこと
Love you 曖昧な言葉の奥は
リンディーララ
君がほしい Keeping in my heart

『リンディーララ』Snow Man

もう好きが決定した。歌割りも最高なんだけど、それについてここで語ってしまっては構成が破綻するので省くとしよう。


2.ラブソングにおけるSnow Manの歌声の特性

そもそもなぜ私がこんなに片想い拗らせソングが好きか。ポルノグラフィティを好きな時点でその説明は省いてもいいところだが、あえてSnow Manというところにフォーカスを当てて語らせてほしい。
Snow Manの楽曲で、『ブラザービート』や『D.D.』など有名どころしか知らない人は知らないだろう。Snow Manはラブソングを歌わせたらとにかく強いのだ。

まずメインボーカル渡辺翔太。

彼こそ片想いボイスの筆頭である。砂糖のように甘くありながらもざらりとした食感を忘れない、シーツに爪を立てるような切なく美しい歌声、それが渡辺翔太である。恋がなんなのかすらわからなくなるほど、相手への好きが日常にある。そんな『隣にある失恋』が似合うのが渡辺翔太だ。

そして向井康二。

彼も同じく片想いボイスだ。だが渡辺くんが『自分の感情を隠しすぎて迷子になるタイプ』なら、こーじは『好きな人のために身を引くタイプ』である。甘さで表すならはちみつレモン。甘いけどそれだけじゃない、初恋の切ないすっぱさもある、青春色と大人の色気を併せ持つ。それが向井康二である。

さらに目黒蓮。

彼は片想いボイスではない。あえて言うなら両想いボイスである。『両思いにしてやる』ボイスである。別名、ストレートボイス。とにかく声がまっすぐで、その声に愛情100%を詰めることができる異能の持ち主。それが目黒蓮である。彼が歌えばどんなラブソングも「愛している」の言葉になる。甘さで言うならカルーアミルク。甘いけど『愛から逃がさない』というアルコールが入っている。目黒蓮の歌声は、聴きすぎると酔ってしまうのである。

両想いにしてやるボイスといえば、他にもいる。

岩本照。

ただ彼はまたタイプが違う。彼が歌えばどんな歌も『俺の愛を受け入れて』という実直なラブソングになる。彼の辞書に別れは無い。ただ好きだから運命を誓う。どこか畏怖を感じさせるのに陶然とした甘さは、まさにチョコレート。彼の好物を思わせる甘くミルキーなその声は、どんなキスよりも甘美である。
またまたタイプは違うが、両想いボイスと言えば彼も忘れてはいけない。

ラウールである。

『両想いにしてやる』とはまた違う、『俺のこと好きでしょ?』タイプだ。とんでもない。彼の歌声はきらきらとまたたく星のようで、それでいて甘い硬質を感じさせる、金平糖のようだ。かたくなった相手の感情を、甘いころころとした優しくあどけない愛で溶かすような、まっすぐで影のない歌声。ラウールの歌声は、どこまでも輝く一番星のようでもある。

他のメンバーは割と変幻自在だが、それでも特徴はある。

たとえば深澤辰哉。

キャラメルボイスの金字塔である。それていて、シロップのような甘さもある。過剰な甘さになりかねない特徴でも、ふっかさんの歌い方はあくまでも『Snow Manの月』。感情の芯に触れて震えるのではなく、木枯らしのように感情の上を指でさっと払うようになぞってうっすら微笑むような、そんな歌い方。夜に寄り添うその姿は、相手の感情の横にそっと座って優しく肯定するような柔らかさがある。

そして阿部亮平。

彼の声は、チョコチップである。チョコレートの岩本照とはちがう、チョコチップ。ある意味で近しいところもあるのだけれど、ラブソングでのあべちゃんの歌い方はどこまでも楽観的だ。感情の甘い部分をスプーンで掬ってくれているような柔らかさ、それが彼の歌声の特徴である。甘いもののアクセントに入れられるチョコチップのように、あれば心が踊るチョコチップのように、心に華やかさをくれる。いつしか口角が上がっているような、そんな歌い方が映えるのである。
阿部亮平の歌声がチョコチップなら、

宮舘涼太

の歌声は赤ワインのような芳醇さと、豆乳のようなまろやかさと、蜂蜜のようなとろけた甘さを持っていると言える。そんな彼の歌声は、濃いがド直球な濃さとはまた違う。たとえるなら、『行かないで』と相手の服の裾を掴むようないじらしさ。大人でフェミニンな空気を醸しながらもいじらしさは忘れない、それがラブソングにおける宮舘涼太の魅力である。
ド直球で濃いのは、むしろ

佐久間大介

だろう。彼の歌声は、言うなればわたあめだ。甘くて夢見心地で可愛く華やか。でも同時に、一抹の切なさも持ち合わせている。濃いのに夢心地、現実とは切り離された二次元感。だからこそ彼は声優としても活きるし、声だけでキャラクターという世界観を確立してくる。パチパチと触感を楽しませてくれる感覚、甘くて不思議で夢心地な舌触り、そしてなによりも、いるだけで視界を楽しく彩ってくれるような存在感。それが佐久間大介である。


3.『リンディーララ』歌割りと歌詞考察


さて、そんなSnow Manの魅力が存分に活かされたラブソング、それが『リンディーララ』である。
ここまで語っていてひとつ問う。

『リンディーララ』って、なに?

『ララ』はまだわかるのだ。ハワイ語で『太陽の花』。相手をそう見立てているのだろう。じゃあ『リンディー』は?『30年代の元気旺盛な踊り』、『タンザニア南東部インド洋岸の都市』……。色々調べたが、これという正解にはたどり着けなかった。その中でひとつ仮定を立てるなら、『海外での愛称のひとつ』だろう。
愛する人を太陽の花に見立ててラブソングを歌っている。それには変わりないだろう。その上でこの歌のシチュエーションを考察していく。

Snow Man演じるひとりのキャラクターは、恐らくひとりの相手『君』に懸想している。だが相手には『彼』(おそらく恋人)がいる。それでも想いを諦めきれなくて、都合のいい人でもいいからそばにいさせて……というストーリー。それが『リンディーララ』だ。

よし、ここからが本題です。歌割りと意訳を考えながら、歌詞を読み解いていきます。

【ラウール】I see you 泣かないで My dear
(君を見てるから 泣かないで 愛する人)
I'll take you Driving after 10pm
(夜10時からのドライブに連れて行くよ)
【岩本照】Just for you(あなたのために)
【深澤辰哉】遠くまで
【岩本照】No need to care about tomorrow
(明日なんか気にしなくていいよ)
【向井康二】Ah

『リンディーララ』Snow Man

もう切ない。まず歌い出しがラウール。まだ運転免許を持っていない彼が「夜のドライブに付き合うよ」と言うだけで、その必死さが伝わってくる。それくらい泣かせたくないのだ、愛する人を。
そしていわふかシンメが言う。「あなたのために」「遠くまで」「明日なんか気にしなくていいよ」。
先程語ったとおり、岩本さんは愛の受け皿になってくれるような歌い方をする。対してふっかさんは自分の感情を隠すような歌い方だ。そのふたりが一緒に歌うとどうなるか。

『自分の感情を押し殺しながら、相手の感情の捌け口になろうとする優しさ』が前面に出てくるのだ。

つまりこのシーンにぴったり。
きっと相手は泣いているのだ。そんな姿を「見ないで」と隠そうとする。でもSnow Manは「見てるよ」「泣かないで」「僕がいるから」と全肯定で包み込み、その上で涙を受け止める。

「泣いていいよ、時間なんて気にしなくていいから」。


なんだそれ、あまりにもいじらしすぎるだろ。

「あなたにとっての『いい人』になれるなら、それが『都合のいい人』でもいいよ」

とでも言うような素振り。自分の感情は押し殺して、ただ相手の幸せを願う。なぁそれなんて言うか知ってるか? 当て馬っていうんだ。そしてそれはオタクが大好きな属性なんだ。ありがとうSnow Man。
そしていわふかシンメからあべさくへ、こーじの甘く切ない歌声でバトンが繋がれる。

【阿部亮平】思い隠して
【佐久間大介】Do you know? Forever 切ない We are
(ねえ知ってる? 僕たちは永遠に切ないんだよ)
【目黒蓮】彼の愚痴ならたまに聞くから On your side (君のそばにいさせて)でも
【ラウール】Wonder why I feel(なんでだろうね)
【向井康二】こんなに大事なんてさ All of you
(君の全てがこんなに大事なんてさ)

『リンディーララ』Snow Man

もう大号泣でございます。あべちゃんは感情に肯定的に歌う。だから想いを隠しながら言葉尻が涙とともに若干上がる。そしてその切なさに現実を突きつけてくるのが、シンメの佐久間さんだ。
佐久間さんは「ねぇ知ってる? 」と切なさをほんの少し表出させる。

「ねぇ知ってる? 」の裏に「一生知らなくていいよ」を忍ばせながら、切なさを噛み殺したような表情で微笑むのだろう。

その「ねぇ知ってる? 」に答えるのは、当の本人なのだ。「僕たちは永遠に切ないんだよ。」あべちゃんが切なさの裏に隠した感情に、佐久間さんは正直に生きる。それはある意味シビアで、「このままだったら一生切なさを抱えたままなんだよね」という現実の示唆でもある。
それでもそばにいたいのだ。それだけなのだ、ただそばにいたいだけ。「彼の愚痴なら『たまに』聞くからそばにいさせて。」目黒蓮のストレートボイスが響く。普段は愛をド直球に100%伝える目黒蓮の声が、失恋として響くとこんなにも心が痛むのか。思わず顔がひしゃげるほどの切なさだ。

どんなに切ない未来が待っていようともいい、ただ今そばにいたい、お願いだからそばにいさせて。

そんなまっすぐな愛情が、痛いまでに伝わってくる。
そこに覆い被さるのが、年下トリオの合わせ技である。
「なんでだろうね」「君の全てがこんなに大事なんてさ」。

恋なんてわからないよ、ただ君が好きなだけ。

これを言うのが、Snow Manの年下で、歌声にあどけなさもあるラウールとこーじなのがまた良い。

恋も愛もわからないけど、君の全てが大事で君をただ泣かせたくないんだ。君を泣かせるあいつがゆるせなくて、君のそばにいたい、ただそれだけなんだ。

そうやって恋も愛もわからないけど、という形でいじらしくラウールとこーじが愛を伝えた後に、伝家の宝刀宮舘涼太がド直球に「Love」を歌ってくるのである。

【宮舘涼太】'Cause I love you... 幸せになってほしい
(愛してるから、幸せになってほしい)

リンディーララ
【阿部亮平】Sorry 嘘をついたこと
【渡辺翔太】Love you 曖昧な言葉の奥は
リンディーララ
【深澤辰哉】君がほしい Keeping in my heart
(君がほしいのは、僕だけの秘密にしておくけど)

『リンディーララ』Snow Man

ラブソング『リンディーララ』において、初めてLoveという言葉を使ったのが、ゆり組こと宮舘涼太と渡辺翔太なのが良い。

「ただ愛しているから幸せになってほしい。」これは「愛とか恋とかわからないけど、君が大事だからそばにいたいんだよ」と言った年下トリオとは全く違うアプローチである。

『ミッドナイト・トレンディ』でも語ったけど、Snow Manは同じ歌を歌いながらもアプローチがそれぞれの個性によって塗り替えられる。それがSnow Manの9人9色の美しいグラデーションを作り出しているのだと思う。
そして自分の恋に肯定的だからこそ、あべちゃんは言うのだ。「嘘をついてごめんね。」

好きなのに、好きじゃないふりしてごめんね。恋をしているのに、恋人がいる君のそばにいてごめんね。愛してるのに愛していないふりをして、君の幸せを願ってごめんね。

ここにきてメインボーカル渡辺翔太である。「愛してる。……けど、曖昧な言葉の奥は……、」大事な言葉は言えず、相手の名前も言えず、ただ『太陽の花』に見立てて眩しそうに相手を呼ぶ。渡辺翔太は過去にもドラマで「自分の恋愛感情に迷子になる役」を演じているが、そんな彼だからこそ歌える切ない歌詞だと思った。愛してる、愛してるけど、その先は言えない。愛してるさえも言えない、相手の名前も呼べない、ただ……。

「『君がほしい』のは、僕だけの秘密にしておくけど」。それをかっさらっていくのが深澤辰哉である。

渡辺翔太が「これは愛だ」と理解しながらもどうしたらいいのかわからないでいるところを、「『君がほしい』って意味だよ」という答えを示しながらも、「まぁ秘密にしておかなきゃだけどね」と感情に蓋を閉じる。恋心をどう抱えたらいいのかわからない切なさの渡辺翔太、失恋に慣れているから残酷にキャラメルボイスで感情を隠す深澤辰哉。かくいう彼も過去、「友人にずっと恋心を抱きながらも隠してきた」役を演じていたからこそ歌えるのだろう。切ない。

そしてそんなふっかさんの歌声に、ほんの少し素直さをプラスするのがラウールである。

【ラウール】Oh, Let's go

【深澤辰哉】君がいる To right
(右を見れば君がいる)
時止まる Tonight
(今夜時が止まる)
【ラウール】プレイリストは Songs you may like
(プレイリストは君が好きなそうな曲にしたよ)
バレない程度に Love(バレない程度に愛を混ぜて)
【目黒蓮】Navigationは入れない主義
君のやりたいことを全てしよう I'll make you smile
(君を笑顔にするために)

『リンディーララ』Snow Man

この曲、あえて運転を思わせるシーンは無免許組が多めよね。運転席にはふっかさん、助手席には『君』。君がいれば時が止まる。そんな愛おしさを、ふっかさんが素直に吐露する。そしてラウールも「これは愛だ」と理解を示すようになるのである。
「プレイリストは君が好きそうな曲にしたよ。バレないように愛を混ぜて。」そんな愛に対して素直になったラウールに、目黒くんが全部を肯定するように言うのだ。「君を笑顔にするために、君のやりたいことは全部しよう。」

自分の感情を愛と決定づけた年下組は強い。君のために、君の幸せのためになんでもする。でもそこに愛を混ぜることは忘れない。

【渡辺翔太】It's alright You and me counting star
(大丈夫だよ、君と僕で星を数えていようよ)
【阿部亮平】知らない方がよくても I'll leave it to you
(知らない方がいいこともあるかもね)
【岩本照】Don't be worried I found it
(心配しないで、僕はもう見つけたから)
【宮舘涼太】君に似てる星座眩しく Shine
(君に似ている眩しく輝く星座を)

『リンディーララ』Snow Man

きっと相手は、まだ泣いているのだ。まだ不安なのだ。そんなときに車から見える星空を指さす。「大丈夫だよ、ふたりで星を数えていようよ。」でもきっと星はあまり見えなかった。天気が悪かったのだろうか。
そんなときも、あべちゃんは賢く返す。「知らない方がいいこともあるのかもしれないね。」星を眺めることで慰めようとしても、上手くいかなかった。

でもそれは秘密を隠して自分の「相手のそばにいたい」という感情を優先してしまっているからこその罰なのかもしれない。それでも恋心を隠してしまう、君のそばにいたいから。


「星見えないよ。」『君』は言う。でもそんな『君』を見るSnow Manの目はきっと、岩本照の目はきっと、違う星を見つめているんだろう。「心配しないで、僕はもう見つけたから。」
その言葉に、相手はこちらを見る。トドメが宮舘涼太だ。「君に似ている眩しく輝く星座を見つけたから。」
もうこんなん「I love you」やがな!! この曲の舘様本当に最高。トドメであり、伝家の宝刀。ラブソングの舘様は、いい意味で感情を隠さない。いじらしく袖を引くか、「僕の好きは知っていて」と目を潤ませるだけ。ただそれで相手をどうにかしようとはしない。そんな舘様が「君に似ている眩しく輝く星座を見つけたから」と言う。

それはつまり、「君が僕の恋に答えなくても僕は生きていくから、気にしなくていいよ」「ただ君が忘れるくらい当たり前に愛させて」というような愛の告白なのである。

【佐久間大介】But I love you... 余裕な素振りしても
リンディーララ
【深澤辰哉】Baby 溢れて止まらない
【向井康二】Love you... もし君に伝えたら
リンディーララ
【目黒蓮】またねなんてさ I can't say
(またねなんて、言えないよ)

『リンディーララ』Snow Man

こりゃもう……告白待ったナシだよ……。
まず佐久間さんが「余裕な素振りを見せても、それでも、君を愛していることには変わりない」と泣くように、自分の恋心を諦めたように受け入れる。それでいて少し口角が上がっているように感じられるのは、私だけだろうか。

佐久間さんはきっと、呆れているのだ。どう足掻いたって切ない最後しかないのに、君が彼と別れるはずもないとわかっているのに、それでも好きでいるしかない自分に、呆れているのだ。


そして素直に恋心を受け入れたふっかさんも背中を押すように、「恋が溢れて止まらない」と感情の中でせめぎ合う。止められない感情がひとりでに歩いていく。それは理性で止められるものでなく、早く想いを伝えたいと心臓の奥が切なく声を上げるのだろう。
その上「これは恋だ」と理解したこーじも、辿々しく「Love you」の言葉を追う。相手の名前を呼ぶことすらできない、それでも恋心を受け入れてしまったSnow Manは、目黒蓮のストレートボイスで現実へと戻されるのである。
「もし君に愛を伝えたら、またねなんて言えないよね。」なんてね。

きっと愛を伝えたら君は断る、そしてもう会ってくれなくなる、その先に待っている言葉はきっと『さようなら』だけだ。それが現実だ。

どんな言葉も『愛している』に変えてきた目黒蓮という男が、ここにきて「言えないよね」と切なく泣くように夢の中へと恋心を浸す。

そしてここから、『仮定』の話が進んでいく。

あべちゃん)To your home 送る車内は
(君の家まで送る車内は)
こーじ)Sudden silence(突然の静けさ)
岩本さん)徐々に俯いてく君

『リンディーララ』Snow Man

夢の中で、想いを伝えたのだろう。きっと『君』は想像すらしていなかった、恋心を隠していたなんて。
ショックを受けた『君』は静かになり、徐々に俯いて現実を受け入れていく。ここでこーじが『静けさ』を表す演出が好きだ。『リンディーララ』はこーじの出番が少なめだけど、彼のはちみつレモンのような初恋の味は確かに必要で。でもそれが顕著に現れるのが夢の中の現実なのが、切なくももどかしい。

【ラウール】ごめんね Slow down, slow down, slow down(ゆっくり帰ろうか)
やっぱ Stop, stop, stop, stop, stop the car(やっぱり車を停めてもいい? )
【宮舘涼太】このまま帰したくないよ

『リンディーララ』Snow Man

やっぱり宮舘涼太優勝曲だろこれ。夢の中で1番素直な言葉を彼が言うんだ、宮舘涼太適任曲すぎる。
現実を受け止めきれない『君』に、ラウールは謝る。想いを伝えてごめん。でもやっぱりこれで「さようなら」は嫌だから、車のスピードを落としてしまう。それどころか、やっぱり停めてもいい? と聴いてしまう。

これで終わらせたくない。さようならしたくない。君をこのまま帰したくない。


ここがだてラウなのが本当に大好き。だてラウの合わせ技は、『素直さ』が顕著に出るんだよ。ラウールのあどけなさ、そして舘様の実直さ。これは岩本さんも持っている特長なんだけど、舘様は実直の中でも「感情を伝えてごめん」となるタイプだから、ここのシーンに本当に美しくマッチングしている。ちなみに岩本さんの実直さは「感情を伝えたんだから、終わらせないでよ」と縋る感じがあります。どちらも良いよね。
でもそんなだてラウの素直さが発揮されるのは、あくまで夢の中の話。

そんなことはできない。だって君には、『幸せになってほしい』から。

【渡辺翔太】'Cause I love you... 幸せになってほしい
リンディーララ
【目黒蓮】Sorry 嘘をついたこと
【佐久間大介】Love you... 曖昧な言葉の奥は
リンディーララ
【岩本照】君がほしい Keeping in my heart

『リンディーララ』Snow Man

ずっと嘘をついてごめん。でも恋心を伝えて君を悩ませて謝るくらいなら、嘘をつき続けるよ。

「ただ愛しているから幸せになってほしい。」1サビでは舘様が歌っていた節が、渡辺くんに戻ってくる。1サビよりもラスサビの方が覚悟が決まっているようにも感じられて、『感情が迷子になっていた』渡辺くんが夢を見てやっぱり叶わない恋だと夢の中で失恋して、『それでもやっぱり愛しているから』と自分の想いを隠す。そしてその覚悟を抱擁するように、目黒くんが『君』に謝る。嘘をついてごめん、恋していないふりをしてごめん。

「でも愛しているんだよ。」佐久間さんが言う。曖昧な言葉の奥も、名前も呼べないけど。「本当は君がほしいけど、『一生』言わないで僕だけの秘密にしておくね。」最後に一生の愛を誓ったのは、Snow ManのLOVE TRIGGER岩本照だった。


4.最後に

結局、最後までSnow Manは『君』の名前すら呼べなかった。

夢の中でしか想いを伝えられず、その夢でも大きく失恋した。

だから現実で一方的に、一生秘密にするという愛を誓う。これはそういう片想いの物語だ。

だから改めて言う。

片想いSnow Manが欲しい人は、『リンディーララ』を聴け。

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