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熊 が あった【詩】



あれはわたしの
見間違いだったのか?
ケーキを運ぶ
うつろ熊
揺れて 歌って 壊れてる
正気を証明するには
矢よりも遅く
駆けねばならない

かけ ら
ゆれろ熊
壊れて 虚ろい 歌ってる
ケーキ を見せびらかして
分解 されるのを おそれている
だと したら
お前 が立ちすくむ 場所 は
エスカレーター の 横では ない

は ずす
うた ろ 熊
虚ろ い壊れ て 揺 れている
床 の 糊が
ネチ ネ チと
ゆ びと目に
粘着し て
お まえの
背 骨の神経 を
貼 りぼて の
ス テージ
から焼く

きえ
こ れろ熊
歌っ  揺れて  虚ろ
刻み
刻 れ
ケー  食べ  る
左右 わ  ず
眠 ない
目は
 は
 のお 溶   壁と
挿  えられ 身体
凝 して
真っ赤なオレンジ
鳴っ
 いて る
 臓が
今 も から出そ で
倒れ おま と
 げ遅れ わた が
ひと  ぬめる母 から滑  ちた  と
気 つ た

ふた た び
もどる
熊は
こわ れていたのか
ゆれ ていたのか
うつ ろだったのか
それとも
うた っていたのか
目を
合わせることも
おそろしい
わたしの知 識では
確かめることも
むずかしい
(漢字を間違える ことはない)

だが
脳が 馬鹿 でも
腸が 王様 でも
《熊 が あった》
それは
確かだ


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