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無視された少年が、いじめグループを味方に変えた方法
小学6年生の時、僕は突然クラスで無視をされ始めました。
理由もわからず、ただただ学校に行くのが憂鬱な毎日。
休み時間は仲良かったグループに疎外にされ、本当はそのグループで楽しく話をしたかったけど1人ポツンと机に座り、クラスのみんなが仲良く話をしているのを聞きながらノートに絵を描いていました。
自分以外のみんなが仲良く話しているのを聞いていると辛かった。
そんな中で唯一の安息だったのが、なんと授業時間。
勉強が嫌いな僕にとって授業は苦痛でしかなかったのに、無視が始まってからはみんなが机に座って先生の話を聞いているので疎外感がなく気持ちが楽だした。
勉強嫌いだった僕にとって、皮肉な話です。
ある日の下校中に、いじめグループのリーダーとばったり会った時でした。
その子が給食の残りのパンを投げて走って逃げて行きました。
もっと酷いイジメはあるし、イジメでもっと辛い思いをしている人がいる事もわかっているけど当時の僕にはかなり屈辱でした。
その日は泣きながら家に帰りました。
でも、そこから私の「仕返し」が始まったんです。
実は、いじめグループの中の1人と同じ塾に通っていました。
その子と少しずつ会話を重ねて、信頼関係を築いていったんです。
最初は警戒していた彼も、次第に心を開いてくれました。
組織やグループには必ずリーダーに不満を持つ人が必ずいます。
そういう人に今の現状より、より良い条件を用意して話をする。
歴史が好きだった僕は戦国武将が調略の時に使っていた手法を使ってみた。
その彼にはいじめのリーダーを疎外して次のグループリーダーをやるように進めた。
彼は快く承諾してくれ2人で作戦を実行していった。
そこからの1ヶ月間。
僕と彼は静かに、でも着実に作戦を実行していきました。
いじめグループのメンバーを、一人ずつ味方につけていったんです。
女子のリーダーとも以前から仲が良かったこともあり、彼女も味方になってくれました。
気がつけば、クラスのほとんどが僕の味方になっていました。
いじめのリーダーが孤立し始めたことに、担任の先生が気づいたようである日、先生に呼び出されました。
「もうやめなさい」
その言葉で、僕は我に返りました。
復讐心に燃えていた自分に気づいたんです。
「何かをやれば、必ず返したくなる」
これは人の心の自然な感情かもしれません。
でも、その連鎖を断ち切れるのも、また人の心なんです。
あの時、先生が止めてくれて本当に良かった。
もし誰も止めてくれなければ、僕はそのいじめのリーダーに対する無視を止める事はなかったと思います。
いじめという経験は、確かに私の中に傷として残っています。
そしていじめをしてきたリーダーにも傷を残しました。
でも今ではこう思うんです。
その傷があるからこそ、人の痛みがわかる。
小学校の時は本当に人の気持ちを考えてなかった。
だから今、私はコーチとしてたくさんの人の力になれているのかもしれません。