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スポーツ現場で問題となるスクワットの骨盤前傾が強すぎる問題点に対してどう考えるのか?


スクワット動作で骨盤の前傾が強くなる代償動作の問題点(箇条書き)

  • 腰椎の過度な反り(過伸展)

  • 大殿筋の関与不足

  • ハムストリングスの伸張不足

  • 股関節の適切な屈曲制限

  • 膝の内側への倒れ込み(ニーイン)

  • 上体の過度な前傾

  • 体幹の安定性低下

  • 重心の前方移動

  • 足底の圧力分布の不均衡


スポーツ動作につながる問題点

1. 腰椎の過度な反り(過伸展)

スクワット動作で骨盤が過度に前傾すると、腰椎(腰の部分)が過剰に反りやすくなります。これにより、腰にかかる負担が増大し、腰痛腰椎の疲労骨折のリスクが高まります。特に、ランニングやジャンプ動作を伴うスポーツでは、腰部に無理な負荷がかかると、競技パフォーマンスの低下だけでなく、長期的な腰のケガを招く恐れがあります。

2. 大殿筋の関与不足

骨盤前傾により大殿筋の適切な収縮が阻害されると、臀部の筋力が十分に発揮されません。大殿筋は走行時の加速力ジャンプ時の爆発力に大きく関与しているため、スクワットでの骨盤前傾が強いと、スポーツにおける力強い動作が発揮しにくくなります。また、パワー不足により、サッカーやバスケットボールなどのダッシュ動作やジャンプ力が低下します。

3. ハムストリングスの伸張不足

スクワット時に骨盤が前傾すると、ハムストリングス(太ももの裏側)の筋肉が十分に伸張されず、可動域が狭くなります。これにより、ハムストリングスの柔軟性や筋力の発揮が低下し、スプリントや方向転換時の速度や安定性に悪影響を及ぼします。また、ハムストリングスが適切に働かないと、膝関節の安定性が損なわれ、ACL損傷のリスクも高まります。

4. 股関節の適切な屈曲制限

骨盤の前傾が強いと、股関節の屈曲が制限されます。これはスクワットの深さに影響を及ぼし、十分な可動域を確保できなくなるため、競技スポーツにおける方向転換やステップ動作の速さが減少します。たとえば、テニスやバドミントンなどの横方向の素早い移動が必要なスポーツでは、股関節の柔軟性と強度が重要です。

5. 膝の内側への倒れ込み(ニーイン)

骨盤の前傾により股関節外旋筋が弱化すると、スクワット中やスポーツ動作中に膝が内側に倒れ込む「ニーイン」が発生しやすくなります。これは膝関節に余計な負荷をかけ、膝靭帯の損傷半月板の損傷につながる可能性があります。バスケットボールやバレーボールなど、膝に強い負荷がかかるスポーツでは、この代償動作が深刻なケガの原因となります。

6. 上体の過度な前傾

スクワット中に骨盤が前傾しすぎると、上体が前方に傾きやすくなります。これにより、体幹の安定性が損なわれ、パフォーマンスに必要な重心のコントロールが難しくなります。特に、ラグビーやフットボールなど、接触プレイの多いスポーツでは、重心が前方にずれることでバランスが崩れ、相手に対して不利な状況に陥る可能性があります。

7. 体幹の安定性低下

骨盤前傾が強いと、腹筋群の働きが弱まり、体幹が不安定になります。これにより、スクワットだけでなく、スポーツ動作全般において、体幹の安定性が欠如し、スピードやパワーが低下します。特に、テニスやゴルフなど、回旋動作が必要な競技では、体幹が安定していないと正確なフォームを維持できず、プレイの質が大きく損なわれます。

8. 重心の前方移動

骨盤が前傾することで、重心が前方に移動しやすくなります。これにより、スクワット動作中のバランスが崩れ、足裏全体に均等に力を分散できなくなります。スポーツ動作においても、重心が前方に偏ると、方向転換時の敏捷性ジャンプの踏み切り動作に悪影響を及ぼします。特に、バスケットボールやバレーボールなどのジャンプ動作を多用するスポーツでパフォーマンス低下が顕著になります。

9. 足底の圧力分布の不均衡

骨盤前傾が強いと、足底の圧力が前方に集中しやすくなり、前足部に過剰な負荷がかかります。これにより、足底筋膜炎や足趾のストレスが増加し、足の怪我のリスクが高まります。陸上競技やサッカーなどの持続的な走行が求められるスポーツでは、足底のバランスが崩れることで、ランニングフォームが乱れ、パフォーマンスの低下につながる可能性があります。


理学療法士再生工場工場長
高齢者(糖尿病)スクワットをするメリットについての勉強会の講義資料

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