硬式テニス フットワーク時の太もも内側の肉離れ(内転筋損傷)評価とリカバリー
硬式テニス フットワーク時の太もも内側の肉離れ(内転筋損傷)評価とリカバリー
こんにちは、テニストレーナーのSHINJIです。テニスにおいて、フットワークやサイドステップ中に太ももの内側(内転筋群)に痛みや肉離れが発生することがあります。特に、激しい方向転換やリーチ動作で、太ももの内側が引き伸ばされやすくなります。今回は、肉離れが起きた場合に行うべき評価と分析ポイント、そして姿勢や動作、徒手評価について詳しく解説します。
1. 評価項目:内転筋損傷の主なサインとチェックポイント
内転筋の肉離れでは、以下の項目で痛みや筋力低下の度合いを評価し、症状の確認を行います。
圧痛の確認:内転筋(特に大内転筋、小内転筋、短内転筋など)の痛みがある部分を指で押して圧痛を確認します。圧痛が強い場合は、損傷の可能性が高まります。
腫れや内出血の有無:肉離れによって内出血や腫れが見られることがあります。痛みの度合いや腫れの範囲から、損傷の大きさや治癒までの期間の予測を立てるための参考にします。
筋力の左右差確認:左右の内転筋群の筋力をチェックし、特に動きに支障が出るほどの筋力低下があるか確認します。
2. 姿勢分析:内転筋に負担がかかる姿勢のチェック
肉離れが発生する原因として、フットワーク中の姿勢が関係していることがあります。姿勢が崩れると、内転筋に過度の負担がかかりやすくなります。
重心の位置:フットワークやリーチ動作中に重心が片側に偏りすぎると、内転筋に負担が集中しやすくなります。重心がしっかりと体の中心に保たれているかを確認します。
股関節の角度:サイドステップや方向転換で股関節が過度に開きすぎたり、内側に入りすぎていると内転筋に無理な負荷がかかりやすくなります。股関節が適度な角度で安定しているかを評価します。
体幹の安定性:体幹が左右に揺れると、内転筋にかかる負担が増え、筋損傷のリスクが高まります。特に、横方向への動きで体幹が揺れないかを確認します。
3. 動作分析:フットワーク中の動きの問題点を確認
フットワーク中の動きが適切でない場合、特に内転筋に負担がかかりやすく、肉離れのリスクが高まります。以下の動作分析を行い、内転筋への負荷が最小限に抑えられているかを確認します。
サイドステップの幅:内転筋の肉離れは、サイドステップが広すぎることで発生することが多いです。サイドステップを行う際に脚が過度に広がっていないか確認し、内転筋の負担を減らします。
方向転換のタイミング:急な方向転換で内転筋が引き伸ばされると、損傷しやすくなります。方向転換の動作が滑らかに行えているか、またタイミングに無理がないかを確認します。
足元の設置角度:足元の向きが不安定な場合、特に内側にねじれた角度で設置されると内転筋に強いストレスがかかります。足元が地面に安定して設置されているか、バランスが取れているかを評価します。
4. 整形外科的徒手評価:内転筋の損傷確認と筋力テスト
整形外科的な徒手評価で、内転筋損傷の度合いや筋力の状態を確認し、リハビリやトレーニングプランの基準とします。
内転筋の筋力テスト:内転筋群の筋力を確認し、肉離れによる筋力低下がないかを確認します。内転筋が弱いとリカバリーのために強化が必要です。
方法:膝を伸ばした状態で内転筋を使って脚を閉じる動作を行い、抵抗を加えて筋力を評価します。
内転筋のストレッチテスト:内転筋の柔軟性を確認し、ストレッチ中に痛みがあるか、また可動域が左右均等かを確認します。柔軟性が不足していると、再発のリスクが高くなります。
方法:仰臥位で脚を開くストレッチを行い、内転筋に痛みが出るかを確認します。
内転筋付着部の圧痛チェック:内転筋が付着する部分を押して、痛みがあるか確認します。圧痛が強い場合は、組織の損傷が大きい可能性が考えられます。
1. セルフケア指導:肉離れの初期対応と日常ケア
肉離れは適切なセルフケアが回復に重要です。次のステップを順に行ってみてください。
アイシング
目的:炎症や腫れを抑え、痛みを和らげます。
方法:フットワーク後や痛みがあるときに、タオルを巻いた氷のうで10~15分間患部を冷やします。アイシングは1日に3~4回程度行うのが目安です。
圧迫
目的:内出血を防ぎ、腫れの軽減に役立ちます。
方法:弾性包帯を用いて、患部を圧迫します。きつく巻きすぎないように注意し、痛みを感じたらすぐにゆるめましょう。
ストレッチ(軽度の痛みが引いてから)
目的:筋肉の柔軟性を回復し、再発防止につなげます。
方法:片膝を曲げて座り、反対側の足を外側に伸ばします。痛みのない範囲で、内側の筋肉が伸びるのを感じる程度に行います。ゆっくり15~30秒キープし、リラックスした状態で行いましょう。
2. 筋力トレーニング:再発防止と回復をサポートする内転筋強化
筋力低下があると再発のリスクが高まりますので、内転筋を鍛えるトレーニングを痛みが引いた後から徐々に始めましょう。
内転筋ストレングス・ボールスクイーズ
目的:内転筋の筋力と耐久性を高めます。
方法:仰向けに寝て膝を曲げ、太ももの間にボール(またはクッション)を挟みます。内ももでボールを軽く押しつぶし、5~10秒間キープします。
回数:10回を2~3セット。
ポイント:腰や太ももに痛みを感じない範囲で行い、力加減を調整しながら進めます。
サイドランジ
目的:内転筋と股関節周りの筋力向上、安定性の向上。
方法:足を肩幅より広く開き、片足に重心を移して膝を曲げ、反対側の足は伸ばします。ゆっくり元の位置に戻し、左右交互に行います。
回数:左右10回ずつを2セット。
ポイント:膝が内側に入らないように、安定したフォームを保ちながら行います。
レッグレイズ(横向き)
目的:内転筋の強化と柔軟性向上。
方法:横向きに寝て、下側の足を床からゆっくり持ち上げ、内ももの筋肉に効かせます。ゆっくり元の位置に戻します。
回数:10回を2セット。
ポイント:腰を固定して、内転筋だけを意識しながら上げ下げします。
3. キネシオテーピングアプローチ:サポートと痛みの軽減
キネシオテープを使用すると、内転筋をサポートしながらフットワークの負担を軽減できます。以下は、内転筋肉離れに対するテーピングの貼り方です。
テーピング方法
準備
皮膚が乾いた状態で貼るようにし、肌が荒れないようにプレカットテープを準備しましょう。
テープを貼る前に、内ももが少し伸びた状態になるよう、立ったまま片足を軽く外側に開きます。
アンカーテープ
内もものつけ根(股関節付近)に、テープの端を固定します。
ここから膝の内側に向かって貼っていきますが、テープに強く引っ張りすぎないよう注意してください。
サポートテープ
アンカーテープに沿って、2本目のテープを少し重ねながら貼ります。内ももの筋肉を包み込むように、膝までテープを貼り付けます。
筋肉が支えられる感覚があれば十分です。
仕上げ
最後に、テープを貼った部分を優しく押さえ、密着させます。
テープの端が剥がれないよう、少し丸めて貼ると持続力が上がります。
対戦相手の分析チェックリスト
試合前の準備としてみる場所が決まれば対策ができる
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