SNSは、シニア世代にこそ、使って欲しい!
帰省時の私の任務は、親へのSNSレクチャー
私にとって、帰省する度に実家で親にすべき重要な役目がある。それは、スマホやSNSの使い方を教えることである。その甲斐があって、ようやく上達してきてくれたが、まだまだ、成長過程である。その壁の原因は、親自体にある「SNSは、どうせ若者の物」との意識だと感じる。実際に世の中の高齢世代からは、「SNSは、どうせ虚構の世界である」とか、「若者のリアルでの社会性を低下させるのでは」とする否定的な声をよく耳にする。だが、私はそうは思わない。
「組織の力」から「個人の力」で動く時代に
事実、最近では「ライブ配信」の形で、コメントを通じて配信者と視聴者が即時に繋がって、リアルでは実現しないような広い幅でのコミュニケーションが成り立っている。そして、従来のテレビやラジオといった「組織」の事業者が充分成し得ていなかった「双方向型」という、コミュニケーションの本来の理想を「個人」事業者が見事に成し遂げている。さらには、「オフ会」と称して、SNS上だけで繋がっていた世界をリアルの世界に繋げている例もたくさん存在する。こうした現象は、これからの社会が、従来の「組織の力」から「個人の力」で動く方向になっていることの象徴的な事象として、前向きに捉えなければならない。
シニア世代がSNSを使えるようになる取り組みを
〜「若者のSNS」から「全世代のSNS」に〜
その意味で、SNSは、本来、「組織」をリタイアし、孤独感を感じやすい高齢者にこそ、適している媒体であると言える。
これからは、官民一体で「若者のSNS」のイメージを払拭し、「全世代のSNS」として、高齢者も世の中と繋がるための貴重なツールとできるように一層、知恵を絞るべきだ。自治体でタブレットを高齢者に貸与し、講習会を開くなど、SNSの使い方や面白さを全世代で共有できるよう、世の中全体で工夫していきたいものである。