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何を捨てるか 劣後順位の方が高度で難しい。だから成功につながりやすい
みんな暇になったら何をやろうとか、今日はどこそこのお店でラーメンを食べようとか、やりたいことを決めるのはすんなりできるよね。
だけど、何かをやらないでおこうと言うふうに、やらないことを決めるというのはしてる人は少ないと思うんだよ。
難しい言葉で言うと、これを劣後順位と言うんだね。そして何かをしたいと言うのは優先順位なんだよね。
そしてよく考えてみると、本当に成功している人と言うのは、劣後順位の使い方が上手な人なんだよ。
例えばある人がいて、学生時代にとても貧乏で、切り詰めた生活をしていたんだ。
だけど、その人は、将来作家になりたいと思っていて、何かおいしいことを食べるということを自分に禁じたんだよね。そして浮いたお金で、岩波文庫とか、古典を結構たくさん買って読んでいたんだよ。
何十年かだったら、その人は万単位の蔵書を持つようになって、100冊以上の本を書いたんだよ。
これは、食べることに関心を持たないと言う1種の劣後順位だろうね。
何かを捨てるということによって、結果的にかなり難易度の高い目標を達成したわけだからね。
この劣後順位と言う事は、結局何かをしないとか、何かを捨てると言う事なんだけれども、これをシステマティックに作り上げたものが、宗教の戒律だろうね。
例えば、ユダヤ教では、蹄の割れた動物の肉を食べないとか、鱗のない魚を食べないとか、細かい戒律がいっぱいあるよね。
結局あのような砂漠地帯では、肉が腐りやすいし、腐った肉で病気になって死なないように戒律が作られたんだろうね。
おいしい食べ物を食べないと言うことによって、死亡率を下げると言うことができたんだろうね。
そういう意味では、かなり難易度の高い劣後順位を持っているのがキリスト教だよ。
聖書を読むと、イエス・キリストは、心の中で淫らなことを考えた人は、実際に淫らなことをしたのと同じだと言っているんだよ。
これって結局、心の中で思うことの劣後順位として、淫らなものをあげてると言うことなんだろうよ。
これは現代人から見ると、かなり難しいことだよね。
キリスト教のメガチャーチの牧師さんなんかでも、この件を取り上げて、淫らなことを考えるなみたいな説教している人は、聞いたことがないからね。
だけど、マックスウェーバーによると、資本主義の精神は、世俗内禁欲と言うプロテスタンティズムの倫理から生まれたわけだから、やっぱり劣後順位が資本主義を作ったわけだよ。
そして何を捨てるかは、それぞれの自由に任されているのが現代社会だよね。
仏教なんかは、300以上の戒律が本当はあるわけだからね。
その中でも、代表なのが、5つの戒律だよ。
人を殺さない、盗みをしない、ふしだらな不倫をしない、嘘をつかない、酒を飲まないの5つだよ。
酒を飲まないと言うことで言えば、ほとんどのお坊さんが反しているかもしれないね。
だけど、これは仏教の信者になるときに誓わなければいけないことなんだよ。
これをしっかり守れば、いつも頭は冴えているわけだから、瞑想をしてあの世の世界しっかりとつながるだろうし、人の苦しみを解決できるはずだよ。
結局何を捨てるかと言うのは、ピータードラッカーの言う、体系的廃棄だと思うよ。最近では誰も考えていないけれど、この誰も考えていないことを考えるということが、未来に成功の道じゃないのかね。