ザ・ルーム・ネクストドア 安楽死を描いた映画だよ
これはなかなか珍しいし、とてもいい映画だよ。
安楽死のドキュメンタリーみたいな内容なんだよ。
肺がんになった60代の女性が、心を許せる友達に看取られながら安楽死を選択するという話だよ。
このガンに犯されたジャーナリストを演じているのがティルダ・スウィントンだけど、素晴らしいよ。
徹底的に減量して、ガリガリに痩せて、死にかけた女性を演じるのは本当に難しいことだよね。だけど、それを見事に演じ切ってるんだよ。
これだけでも見る価値はあると思うよ。
それから監督がスペインの名監督のペドロ・アルモドバルだよ。
この人の映画はほとんど見たことないけど、毎回毎回、挑戦的なことをやってるようだね。
今回もありえないような映画を作って、感動したよ。
それからこのアルモドバルさんは生まれ変わりを信じているみたいだね。
ラストがとても面白いんだよ。
ティルダ・スタントンが、まるで生まれ変わったかのように、死んだ女性の娘役を演じている、1人2役なんだよ。
骨と皮だけになった死にかけた女性と、生命力溢れたその娘と2人を同時に演じると言うのは、ものすごいことだと思ったよ。
そしてメタファーではあるけれども、生まれ変わりと転生輪廻をイメージしてるんだろうね。
主人公の2人の女性はニューヨーカーだから、生まれ変わりなんか勉強したこともないと思うけど、今アメリカに最も必要な考えなんじゃないのかね。
それから看取り役のジュリアン・ムーアも素晴らしいよ。
2人の名女優を投入して意欲的な作品を作ったペドロ・アルモドバルはやっぱりすごい監督だね。