二つの季節しかない村 退屈を描いた、極めて真面目なトルコ映画だよ
トルコ映画と言うのは、葬送のカーネーションとか、いくつか見たことあるけど、とても真面目なものなんだよね。
この映画も、退屈な人生を描いてはいるんだけれど、描き方は極めて真面目なんだよ。
トルコの東部の、クルド人が住んでいて、発展から取り残された田舎の地域に配属された美術教師が主人公なんだ。
だけど、田舎だから、何の刺激もないし、生徒たちは大して美術の才能もないし、何年かやっていると、もう飽き飽きして腐ってくるんだね。
ちょっとかわいい子に声をかけたり、爆弾テロで足を失った社会主義者の女教師にちょっかいを出したりいろいろするんだけど、全部中途半端なんだ。
だからといって社会主義にのめり込むでもなく、美術に力を入れるわけでもなく、もんもんと過ごしているところは、本当に田舎教師だよ。
これはヨーロッパにも入れず、イスラム圏でもないトルコと言う国の、中途半端な状態を象徴しているのかもしれないね。
トルコと言うと、国の北でも南でも戦争が起きていて、緊張してるのかなと思うけれども、そうでは無いようだね。
未来が見えなくて、何に情熱を傾けていいかわからないと言う、やるせなさがひしひしと伝わってくる映画だよ。
世界のために何かしたいんだけれど、何をしたらいいのかわからないし、何を信じていいのかもわからないんだ。
だからやっぱり人生と言うのは、志が大切だね。
何かに命をかけて取り組めるものを見つけただけでも、本当に幸せなんだということがよくわかる映画だよ。