動物界 仏教の畜生道によく似た映画だよ
パンデミックによって人間が動物に変わってしまうという世界を描いたSF映画なんだね。
だけど、動物に変わっても、人間の心は持っているんだよ。
外見が動物そっくりだから、隔離されたり、捕獲された差別を受けるという話なんだよ。
これは仏教で死んでから畜生道というところに行って、動物的な生活をさせられるという話によく似てるね。
もちろん仏教では生きている間にむさぼりの心が強くて、その心の表れとして動物になるんだけどね。
この映画はフランス映画だから、そこまで人間の心が動物的だから、動物になるとまでは言っていないけどね。
だけど、動物になった人間にもやっぱり魂があって、喜怒哀楽を持っていて、人間らしさを残しているところが、物悲しいよ。
この映画を見ると、人間はやっぱりいいもんだね。
社会を作って、その中で差別されたり、苦しみはあるけれど、人間社会というものが、一人ひとりの自由の領域を大きくしているということが改めてわかったよ。
人間には、自分と関係ない、見たこともない人まで愛するという心があるんだね。
その心が強くなった人のことを偉人と言うだろうし、人類の歴史がここまで豊かで素晴らしいものになったのも、後々の人たちを幸せにしようとする心を持った人がいたからだね。
車や電車や飛行機は、動物には絶対作れないからね。
動物になってしまうという病気が流行ることで、改めて、人間とは何かについて考える機会が与えられたと考えたいところだね。