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多様性マネジメント 和をもって貴しとなすだよ

アメリカの大統領選挙が佳境迎えているけれども、民主党と共和党の間の分断と言うのはすごいものがあるね。

中絶論争にしても、移民の扱いにしても、環境問題にしても、全く水と油みたいで、お互いを悪魔扱いしているのは、昔の異端論争や宗教裁判を見ているような感じもしてくるよ。

プロテスタントと言うのは、一人一人の個性とか多様性を大切にするところがいいところだし、それが自由と民主主義社会を作っているとは思うけどね。

だけど、キリスト教の中には、やはりキリスト教でしか救われないと言う考えがあって、この考えに反するものは異端扱いされて、最後は絶滅させられると言うところがあるからね。

だからロシアも西側世界に飲み込まれないようにウクライナを緩衝地帯にするべく必死に抵抗していると思うけどね。

だからキリスト教と言うのは、どうしても別の文化圏や価値観を受け入れるのが難しいんだよね。

それがインドとかブラジルやロシア、中国や南アフリカがブリックスを作って、G7と対抗しようとしていることではあるだろうね。

だけどもやはりこの多様性のマネジメントと言うことを考え始めると、どんな不況の中でも成長し始めるというのが不思議だよ。

例えばNetflixがあるけれども、ここは今グローバルに成功しているんだよね。

インドでもブラジルでもNetflixはナンバーワンのストリーミングサービスなんだよ。もちろん日本でもそうだしね。

その理由は多様な価値観を受け入れて、大胆に現地に権限を移譲したからだと、ここの社長のヘンドリックスさんが書いてたよ。

例えば、インドでどんなアニメを制作するかという事は、ハリウッドにいては全くわからないんだよ。

だから現地のインド人に権限を委譲して、政策や買い付けを全部任せてしまうんだそうだよ。

そういえば真田広之さんが活躍した将軍と言うドラマもエミー賞取ったり大ヒットしたけれども、あれも日本文化と言うのをとりあえずは受け入れた作りになってるね。

劇中で日本人社会にDVが普通に蔓延していることが描かれているけれども、一旦はそれを文化として受け入れると言う流れになっているしね。

話はNetflixの後に戻るんだけれども、ここが多様性をマネジメントするために参考にしている本があるんだよ。

それがエリンメイヤーと言う人が書いた「異文化理解力」と言う本なんだ。



この本には文化の違いの中で特徴的なものとして、ローコンテクストとハイコンテクストというのが出てくるんだよ。

どういうことかと言うと、ローコンテクストと言うのは、その社会の中にお互いが共有する部分が少ないカルチャーだと言うことなんだね。

だからものをはっきり言わないといけないし、何でも明文化しようとするし、契約社会だということなんだよ。

逆にハイコンテクストと言うのは、日本社会が特徴的だけれども、様々なものが既に共有化されているから、1を聞いて10を知るみたいなカルチャーになっていくんだね。

その最たるものがイランだと書いてあったよ。

イランは、5000年以上の古い文明があることもあってか、ものすごいハイコンテクストな社会なんだそうだよ。

イラン人には、自分の表情や仕草で言いたいことを理解できるはずだと言う考え方が強くあるんだそうだね。

だからイラン人は本当にお腹が減っていても、相手から「お腹が減っていますか」と聞かれても必ず「いいえ、大丈夫です」と答えるそうだよ。

それで3回聞かれたら、やっと本音を言うと言うのがマナーだとなってるんだね。

だけど、社会が多様化していくと言う事は、ローコンテクスト化していくと言うことだよ。

今、闇バイトの問題が出てきているけれども、すでに日本人の間でも、やってはいけないことをはっきりさせないといけない時代が来ていると言うことだと思うよ。

また川口市のクルド人の問題もあるけれども、日本社会でやってはいけないことをはっきりと明文化して伝えなきゃいけないと言うこともあるだろうね。

それからもう一つの多様性に関して言うと、世界にはネガティブなフィードバックを間接的にしかしていけない社会と、直接的にするべきだと言う2つの社会があると書いてあるよ。

間接的なフィードバックと言うのは、何が悪いのかをはっきり言わないと言うカルチャーだよ。

日本がその最たるものだけれども、クレームがあっても、言わずに、お客さんは黙って消えていくというのがあるからね。

社内でも悪いことが起きても、はっきり口には出さずに、共有されないと言うところが多いしね。

だけど、これが日本人や日本企業が成長しない理由でもあると思うよ。

何が悪いのかをはっきり指摘しないから、本人は何をどう変えていいのかわからないし、方向性が見えないから諦めて転職していくと言うこともあるかもしれないよ。

今の若い人たちが、自分の成長を求めて転職を気軽にすると言うけれども、日本でもやはり直接的なネガティブフィードバックをする必要があるんだろうね。

そして悪いことを表に出しても、評価が下がらないということが大事だよ。

これをやっているのはトヨタなんだ。

トヨタでは良いことを共有するのではなくて、うまくいってないことを共有することで、評価が上がると言うふうになっているんだね。

さらにトヨタには問題が起きたときに、質問タイムというのがあって、ヒラの作業員でも平等に発言できるようになっているんだそうだよ。

これはアメリカ人でさえ驚いているから、日本のような階層性の強い社会では、本当に驚きのことだろうね。

結局、自分たちのカルチャーと言うのは、普遍的なものではないと言うことを、まず知ることが大事だよね。

その上で、異なるカルチャーの中にも良いものを見出して取り込むという事はやっぱりできると思うよ。

それが多様性マネージメントだろうし、それができたところがやはりグローバル化していくことになるよね。

今、中国がアジアで支配的な国になろうとしているけれども、それが問題なのは、自分たちの価値観を絶対的なものにして他人に押し付けようとすることが当然だと思っていることだと思うよ。

まだ社会として未熟なんだよね。

日本ももっと多様性を許容する文化に変えていくことで、世界をリードする事は充分可能だと思うよ。

聖徳太子の17条憲法の第一条「和もって貴しとなせ」だからね。

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