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自分の花を咲かせる 熱意と辛抱が大事みたいだね

何が自分の花なのかというのは、意外と難しいよ。

SMAPの「世界に1つだけの花」は、よく小学校の運動会でダンスのBGMで使われたりしていたけれどもね。

大体の人は、促成栽培風に10代から20代で、自分の強みとするものが見えてきて、成功できたらいいなと思うだろうね。

スポーツならばあり得るけれども、事務系等の仕事や、ビジネスでそれほどうまくいくわけではないからね。

アメリカ型のスタイルだと、30代で成功しなくちゃいけないとか、転職しても3ヶ月とか、最低でも1年位で成果を出さないといけないと言う強迫観念も強いし、今の日本の大企業も同じだろうね。

日本社会は入口型の社会だから、大体サラリーマンなら40代で判定が終わると言われてるしね。

でもそんなことを信じちゃいけないと思うよ。

花が咲くといっても、50代や60代で開花する人も結構多いからね。

自分の花を咲かせるためには、水と肥料を毎日コツコツと与えることが必要だよ。

テレビ東京のカンブリア宮殿で、愛知県の知多半島にある人気の魚屋さんをやっていたけれども、50代位の女性の社長さんは、それまで外資系のホテルで営業をやっていたと言ってたからね。

40代で魚屋になって、10年ぐらい試行錯誤の期間があって、ようやく花開いたようだしね。

外資系ホテルでの経験と地方の魚屋の経験がミックスされて、大人気の魚屋ができてたみたいだね。

やっぱり天才型で、一直線に成功できると言う人はそんなに数は多くないよ。

人間としての経験を多角的に積んでいかなきゃいけないし、失敗も数多くして、そこから教訓を汲み取って、次の失敗に備えるように練りこまないといけないしね。

それからとても大事なこととして、人間の心や精神は、50代以降も成長するということを忘れちゃいけないと思うよ。

脳科学の世界でも「脳の可塑性」と言う考えが認められてきているそうだよ。

人間の脳には、生涯を通じて適応を続ける驚異的な能力が備わっていると考えられるようになったんだよ。

ノンフィクション作家で清武英利さんという人がいるけど、この人も60歳から作家になっているからね。

それまでは新聞記者をやったり、読売巨人軍の球団代表をやっていたんだよ。

それで自分の中に埋もれている才能を掘り出すためには、熱意と辛抱が必要だと言い聞かせたと書いてあったよ。

60代からも熱意と辛抱がやっぱり鍵を握ってるんだね。才能じゃないんだよ。

話は少し変わるけど、よくビジネスの世界で弾み車の例えというのを聞くのは、同じことだと思うよ。

重さが2トンもある重い金属製の巨大な輪っかが水平に取り付けられていて、中心には軸があるんだよ。

直径は10メートルほどで、厚さ60センチなんだ。

全力で必死に回すと、何センチか動くだけれども、動いているのかどうか、最初はそれ自体わからない位ゆっくりなんだね。

だけど、この単調な、押すということを繰り返してるうちに、だんだん加速がついてきて、どこかで突破段階に入ると、勢いが勢いを呼んで、目にも留まらない位の速さになるんだね。

ものすごい速さで回っているところを見た人は、初期段階の単調な努力の積み重ねの所には気がつかないんだね。

それから、もう一つ、別の観点としては、自分の花を咲かせるきっかけとして、自分の仕事を気にいってくれる人がいたら、大切にすることが大事だと思うよ。

「士は己を知る者のために死す」という言葉があるけど、その意味はこんな感じだよ。

志ある男なら、自分のことを理解し認めてくれた人のために死んでも構わない。

これは、中国の春秋時代の晋という国の予譲(よじょう)が語った言葉だよ。

予譲は二人の君主に使えだけれども、いずれも十分な待遇を得られず、どこに身を置こうかと迷っていたんだ。

そんな矢先、智伯(ちはく)とう王に迎え受け入れられ、信頼され手厚い待遇を受けたんだよ。

ところが智伯は趙襄子(ちょうじょうし)という敵に敗れ、殺されてしまったんだ。

なんとか生き延びた予譲は、智伯から受けた恩を返すため、趙襄子を殺すことを決意するんだけれども、その決意を表したのがこの言葉だよ。

士は己を知る者のために死し、女は己を喜ぶもののために化粧をする。

「世間で智伯さまをどう悪く言おうとおれを認めてくれたのは智伯さまだけだ。その恩に報いねばならぬ。

智伯さまの仇を討ってから死のう。あの世で智伯さまに会ってもおれの魂は恥をかくことはない」。

暗殺者になると言うのは、ちょっといただけないけれども、自分の仕事を気にいってくれて、ファンになってくれた人のために、ますます良い仕事をしようというのが現代的な解釈かもしれないね。

人を喜ばせるために、自分の力を磨いて高めていくところに、素晴らしい自分だけの花が咲く事は、当然あり得ると思うけどね。

でも、やっぱり熱意と辛抱は不可欠な肥料であることに間違いないね。

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