負ければ負けるほど、出てくる実力もある
失敗を繰り返すと、諦めてやめてしまう人も多いけれども、失敗を重ねないと出てこない実力というのがあるようだね。
何度も何度も失敗して、その度に振り返ることで、教訓が蓄積されないと力が出てこない場合もあるからね。
大相撲もその一つだと言われているね。
負けた取り組みを振り返って、取り口を研究していくことで、じわじわと番付も上がっていくのかもしれないね。
大事なのは、やはり悔しさを忘れないことだろうね。
ほとんどの人は、喉元過ぎれば熱さ忘れるで、その時その時を、なんとか切り抜けられればいいと思っている人がほとんどだからね。
だけど、大きな成功しようと思えば、失敗を繰り返し、繰り返し、心の中で振り返るしかないみたいだよ。
ラグビーで有名な帝京大学の元監督で岩出さんという人がいるけれども、負けた試合を何度も何度も心の中で振り返って、教訓を絞り出していくことが大切だと言っていたよ。
普通は考えたくもないのにね。
でも、少し時間をあけて振り返ると、必ず新しい発見があるんだそうだよ。
今でこそ帝京大学は大学ラグビーで無敵の存在だと言われているけれども、トップに立つまで20年ぐらい下積みの時代があったそうだね。
強豪校と言われるレベルまではきたんだけれども、君臨する早稲田や明治大学にはなかなか勝てなかった時代があったんだよ。
相手の伝統や名門としてのプライドみたいなものに気後れして、競り負けてしまうということも何度もあったみたいだね。
そんな時に、チーム作りより先に「自分づくり」をやることの大切さに気がついたそうだよ。
そして「自分を大切にしよう」ということをまず最初に指導する方に変えたそうなんだね。
それから体育会系としてはありえないことだけれども、最上級生の4年生が食事の支度や後片付けや雑巾を持って掃除をしたり、下働きをするようにしたそうだよ。
体育会系なら、普通は上級生が威張り散らす空気になるけれども、むしろ反対に学年が上がるにつれて、どんどん雑用をするような仕組みになったんだね。
その理由は、大学に入ってきたばかりの1年生には、心の余裕がないから、上級生が雑用や雑用をやって、大切に扱われている環境の中で、「自分を大切にする」と言うことを学び、じっくりと自分を見つめることから始めるようにしたそうだよ。
そして、ラグビーを楽しむということを突き詰めていったらしいね。
とてもプレッシャーがかかるような試合でも、無理に頑張るのじゃなくて、その時その時の瞬間の楽しさを見つけようと意識することを教えていたそうだよ。
そうしたらチームが勝ち負けにこだわることから抜け出して、メンバー全体がそれぞれの役割を果たしながら、心がつながった温かい関係になっていったそうだね。
本当の意味で互いをリスペクトできるようなチームになったときに、大一番でも負けないチームになっていたそうだね。
やっぱりここまで来るのに、20年ぐらいかかって、様々な失敗や負けを経験しながら、一つ一つを材料として自分を向上させる糧にしていったみたいだね。
やっぱり負ければ負けるほど出てくる実力は確かにあるよ。
それは、負けをエキスとして教訓を積み重ねていったものだから、ちょっとやそっとじゃ崩れない実力だと思うよ。
十回、失敗してもあきらめない人は天才だという言葉があるけれども、大切にしたいことだね。