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蝶の渡り グルジアの空虚さを描いた映画だよ
90年代にソ連から分離独立したグルジアの映画を初めて見たよ。
独立当初は希望に満ち溢れていた人たちが、その後挫折して漂流しているのがなんとも悲しいね。
芸術家をやっている人が主人公なんだけど、買い手もつかず、結婚詐欺みたいなことの手助けをしてるんだよ。
独立したときのバカ騒ぎの気分から30年が経ってもいまだに抜けきれないんだよ。
だけど、これは日本も同じかもしれないね。
バブルが崩壊した後で、自信とかやる気とかを失った人がたくさんいるからね。
一番問題なのは、よりどころとなる宗教がないことかもしれないね。
修道院が出てくるんだけど、廃墟みたいで、神父さんも尼さんも一切出てこないんだよ。
外国のお金に頼るしかない感じなんだよね。
グルジアで誇れるものと言えば、美人とワインぐらいしかないと言う話だよ。
とても物悲しいけれども、グローバリズムで30年やってきた結果がこれなのかもしれないね。
一つ一つの国が誇りとか、夢と取り戻すために、自分たちの根源的な力にどうやったら目覚められるのか、それが大事だね。