休日の通勤電車
休日の通勤電車にはサラリーマンはいない
私服を着て
家族と思い思いの目的地に向かう人たちが
乗っている
幼稚園の女の子と小学校の男の子を連れた
お父さん
男の子は子供用の将棋の本を熱心に読んでいる
多分将棋のイベントにでも行くんだろうね
ミニスカートとタンクトップを着た
お姉ちゃん
今日はきっとデートなんだろうね
縞模様のシャツを着たおばあちゃん
きっと何か趣味があって
友達と誘い合っているのかもしれない
赤ん坊をあやしている若いお父さん
子供を実家のおじいちゃんおばあちゃんに
見せに行くのかな
みんなそれぞれに
プライベートを満喫している
だけど、この世界には
365日24時間
同じ服装をしている人たちがいる
その人たちにはプライベートがない
いつも静かにみんなを見守っている
この人たちの楽しみは
一体何なんだろうか?
プライベートのない人生とは
人生なのだろうか?
でもその人たちは
静かに微笑んでいる
みんなが思い思いに
自由にプライベートを楽しんでいるのを